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ICT施工コンサルティングを通して、建設業を次世代につなげていく。

「i-Construction」とは、建設業を魅力的で持続可能な業界にするために、建設のプロセスすべてにICT(情報通信技術)等を活用し、女性や若者にも働きやすい環境づくりや安全性、効率性の向上をめざす国土交通省の取り組みのこと。国土交通省は、2025年までに現場の生産性20%向上を目指しています。

そのなかでも「ICT活用工事(施工)」は、建設の現場において起工、測量、ICT建機における施工、施工管理から納品まで、全面的にICT施工技術を活用した工事を意味します。

福島建機のICTソリューション推進チーム(以下、ICTチーム)が発足したのは、2020年8月のこと。このチームは、お客様の新しい挑戦(ICT活用工事)を後押しするコンサルティングを通して、福島県の建設業の発展と持続可能な未来づくりに日々奮闘しています。

今回、そんなICTチームから斎藤、鈴木、中本の3人を迎え、発足からの約1年間を振り返り、福島のICT施工の現状と未来について語っていただきました。

※撮影時のみマスクを外しています。

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左から中本、鈴木、斎藤。
快くインタビューに応えてもらいました!

サービスエンジニア、営業、事務からICTチームへ

——みなさん、入社して20年以上のべテランですが、これまでの経歴を簡単に振り返ってもらいたいと思います。

中本:出身は、鏡石町。入社は、実は2回しているんです。

鈴木・斎藤:えーそうだったの!?

中本:そうそう。2回目の入社は、平成の大改修(平成10年8月末に福島県が大洪水に見舞われ、氾濫した阿武隈川の防水工事が2年という短期間で行われた)後に、当時の専務に声を掛けてもらいました。それから、白河支店でサービスエンジニアとして働き、平成27年に郡山支店に異動。その後、2021年2月にICTチームに異動しました。 

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鈴木:自分は、生まれも育ちも郡山市安積町。入社の経緯は、介護の専門学校を卒業後「サラリーマンやってみたいな」と思い、たまたま出会ったのが福島建機でした。当時の社長と話した際に、「この人の考え方、すごいな」と感銘を受けたのを今でも覚えています。それから、内勤を中心にいろいろやりましたね。新車・中古車の売買は国内外のバイヤーとやり取りして、その仕組みも一から作りましたし、福島建機の商材である日立(建機)との窓口もやりました。一般事務も全般的に経験しました。そんななか、去年の8月に斎藤部長と一緒にICTチームへ異動となり今に至ります。

——では最後に斎藤さん、お願いします。

斎藤:出身は伊達市で、高校を卒業後、福島支店のサービスエンジニアとして入社しました。当時、先輩方のプロフェッショナルな仕事に感動して「自分も極めよう」と決意したのを覚えています。高校は普通科でしたが、バイクいじりとかメカニックが好きだったかな。資格勉強もたくさんして、7年間サービスエンジニアの経験を積みました。それから福島支店で営業を担当し、41歳のときに福島支店長を経験しました。4年前に本社へ異動となり、ICTチームの立ち上げと営業のサポート業務をしました。その後、正式に鈴木課長と同じくICTチームへ異動となりました。

福島県のICT取り組み現状

——福島県のICT活用工事の現状はどのような状態なのでしょうか?

鈴木:福島県のICT活用工事実施率は令和1年度、2年度ともに約20%。県は、ICT活用工事の未経験企業やその技術者に対する支援事業を拡充していて、今年度は実施率30%、2023年には50%を目標に掲げています。一方で、国は今年度全国のICT活用工事実施率を約80%と見込んでおり、2年後には100%を目指しています。県と国の比較でも分かるように、地方におけるICT活用の遅れは、福島県のみならず日本全体で問題視されてきています。

——地方においてICT活用工事が進まない理由は、やはり人材不足ですか?

鈴木:それもありますね。一概には言えませんが、受注者側から一番多く出てくる意見として考えられるのは「良く知らない」。つまり、ICTの活用に対する知識不足です。新しい技術なので知識の取得に時間がかかることや、そもそも目の前のことに精一杯で、ICTに取り組める人員が不足していると感じますね。

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斎藤:ICT活用工事の浸透がまだ浅いのは、国土交通省の「i-Construction」のスタート(2016年)から日があまり経っていないこともありますね。

鈴木:2016年以前は「情報化施工」といって、2012年から10年近く経つので、やはり進み具合が少し遅いと感じます。特に福島県は震災と原発事故の影響で汚染物質の除去作業や、それに付随することがいろいろあったので、新しい取り組みは難しかったんじゃないかな。だからこそICTや新しいことに挑み、前に進んでいかなければいけないと強く感じます。

「未来に進むこと」への覚悟

——福島建機は、施工を実際に行う建設会社にICT活用工事のコンサルティングを行っていますが、チームの中でそれぞれ役割はありますか?

鈴木:中本主任は長年エンジニアとして働いていたので、建設機械の知識が非常に豊富です。ICT建機を動かすときに、ICT建機特有のエラーなのか、それとも建機の不調なのか判断して対処できるのは非常に頼りになりますね。また、ICTは現場ありきなので、やはり現場は長年営業を経験した斎藤部長が一番よく分かっています。私は2人が苦手なところを、すかさずフォローしていきたい。そして日々新しい技術が生まれているので、更新される知識を一番知っていなければならないなと思っています。

——みなさんベテランなので経験値が大きな強みだと思いますが、ICTにはどのように活かされていますか?

鈴木:いや、全然そんなことないですよ。経験値の強みはありますけど、ICTの領域は日進月歩。規格値が毎年変化して新しい技術が生まれているので、常に新しいものを覚えなきゃいけないんです。それだと、やっぱり若い人の方が吸収が早い。他社さんの話を聞くと、20代の若手がICTで活躍しているところが多いです。ある会社さんは、ICTに関わる社員8人のうち6人が20代で、入社して3年目の方が第一線で活躍していますよ。私は福島建機として20年以上働いてきて、やってきたことの3割活かせればいいほうだと思ってます。

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——3割・・・少ない・・。まったく新しいことなんですね、イメージと全然違いました。

鈴木:中本主任はエンジニアとして、斎藤部長は営業としての経験が活かせていますけど、私はまったくゼロからのスタートでしたから、覚えることが多くて本当に大変でした。

斎藤:何も分からなくても、やらなきゃいけない期間が一番つらかったですよ。

鈴木:結局は、やるかやらないかしかないんですよ。そして、やるなら覚悟が必要です。この3人はICTに対してそれなりの覚悟を持っていますよ。だから「ICTの取り組みに必要なことは?」と言われたら、覚悟です。年齢も経験も関係ない。覚悟があば、それ以外はなんとでもなりますから。

大変な分、やりがいも大きい

——ICTチームの立ち上げから今年の8月でちょうど1年経ちましたが、大変だったことと、その分得られたやりがいを教えてほしいです。

鈴木:大変だったことしかないです。中本主任が加わるまでは、斎藤部長と2人で「綱渡りだね」とよく話していました。たまたま綱から落ちることなく、綱が切れることなくこれただけで、振り返ってもギリギリの状態でなんとかやっていましたね。知識も経験もないことに取り組む大変さを改めて感じました。だからこそ「やっていくんだ」と決めて、腹をくくることが大事ですね。

中本:私はICTチームに入って約半年ですけど、当時は先にチームに参画していた2人の専門的な会話に入っていけない辛さはありました。いろいろな方法がある中で、「違うんじゃないか」と思うこともありますが、2人が作った道ですから、信じてついていきますね。また福島建機内でICTに取り組むことが、まだ浸透していないと感じます。私はエンジニアを20年以上験してきた目線があるので、なおさらそう感じるのかもしれません。だからこそ、これからサービスエンジニアがICTの現場で作業できるような環境を創りたいと思います。そのためにはどうしたらいいのか、ということは日々考えていますね。

斎藤:大変な中にやりがいももちろんあります。ICTを取り入れた現場が、今までと大きく変化して収益をあげられたり、お客様の会社のやりたいことの実現に関わることで、経営にも携われる。弊社とお付き合いしていただいているお客様が良い方向に変化することで、将来の建設業は最新技術を駆使している業界になるんじゃないかな、と思うので、そこに貢献していきたいです。

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中本:私は、大変な現場で大汗かきながら作業したデータを、お客様に「すごい」と言っていただけたときは、自分たちのやったことは無駄じゃなかったと思いました。みんなで手分けして協力した賜物だったので、この一言ははなおさら嬉しかったです。

建設業を担う、次の世代へ

——将来を見据えて、これから取り組むべきことは何でしょうか?

斎藤:最初は自分一人でやっていたICTでしたが、鈴木課長が加わってできることがグンと増えました。次に中本主任が加わって、またできることが広がりましたよ。今は3人体制で一現場ずつ対応していますが、将来的には複数の現場をカバーしていきたいと考えています。

鈴木:次の時代を考えることも私たちの責任ですし、3人とも年齢も年齢なので次を育てていきたいです。今は、ICTが特殊なことに思えますけど、先ほども言った通り5年後、10年後には当たり前になっていくので、そうなったときの危機感はありますね。そうなる前にお客様や、関係各所の方々に向けて福島建機が率先してICTができる体制を取っていかないと、福島県の建設業が衰退してしまいます。建設業は一番就労人数が多く、社会の基盤です。その元気がなくなると福島県の元気がなくなってしまうと思います。そこは、非常に危惧するというか、やらなきゃいけないことです。

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——最後になりますが、これからの建設業を担う学生のみなさんにメッセージをお願いします。

鈴木:ICTに知識も経験も関係ない。繰り返しになりますが、必要なのはやる覚悟だと思います。これから新しい技術や知識ががどんどん生まれてくる分野なので、そういった意味では誰でも挑戦できる。ぜひ福島建機でICTに取り組みたい学生さんにお会いしたいですね。

中本:昔の建設業界は良いイメージがないんです。いわゆる3K(きつい、汚い、危険)と言いますけど、ICTでそのイメージが変わってくると感じています。技能経験が少なくても、ICT建機であれば技術も不要ですしハードルが下がりますよね。お客様に対しても自分たちが直接的に関わることで、建設業全体のイメージを変えられると思っているので、積極的に働きかけていきたいと思います。

——ICTの仕事内容について理解が深まりました。本日はインタビューに応えていただき、ありがとうございます!ICTをもっともっと盛り上げて、福島を元気にしていきましょう!

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