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動画サイトが音楽にもたらした破壊と創造

このnoteを見ていただいている方々の中でYouTubeやニコニコ動画を知らない人は今となってはほとんどいないと思います。


これらの動画サイトは様々な分野に大きな影響を与えてきました。


テレビ業界の視聴率の低下はテレビを見るのではなくネットサーフィンをしたり好きな動画サイトの番組を見たりしている方が増えた事にも大きく起因していると思いますし、一人暮らしの家にはテレビを置いていないという状況も多く見られるようになってきました。
今ではテレビ業界も動画サイトから話題を探していると言われているぐらいです。


そして音楽業界もその波は影響を及ぼしました。


先日noteに書かせていただいた記事「音楽はビジネスです」の最後とコメントにいただいたものとその返信にも書いたのですが今やストリーミング配信がCDはもちろんiTunesの売り上げを凌駕していて音源はもはや「買う」ものではなくなりつつあります。

さらに動画サイトではストリーミング配信のようなサブスクリプションも存在せず無料で音源やMVを見る事ができます。


しかもアーティスト側がオフィシャルとして出していたりしていて今の若者たちの中には「なぜ音楽を聴くのにお金を払うの??」とCD全盛期に育った僕らからしたらあり得ない発言をしたりしています。


YouTubeが設立されたのが2005年との事(Wikipediaから引用)でその頃の日本でのヒットソングを見てみるとB'zさんの「愛のバクダン」やスキマスイッチさんの「全力少年」、大塚愛さんの「プラネタリウム」などがまだCDが売れていた時期です。


この頃の音楽業界はYouTubeなど何も脅威に思っていたでしょうがその後のYouTubeの爆発的な普及はみなさんのご存知の通りです。


無料で聴けるようになる訳ですから当然CDという媒体の売り上げは落ちていきました。
CDが100万枚、200万枚と売れていた小室ファミリー全盛期の時代にはオリコンが注目されていたのに今では気にする人があまりいないのも今の流れを象徴していると言えます。



動画サイトの台頭は「音楽を売る」という事象に大きなダメージを与えました。
CDの売り上げで成り立っていた各所は下手したら立ち直れないようなダメージを負ってしまったところもあると思います。



しかしながらそれは同時に新たに別の事象を生み出しました。


今まで有名ではなかった人たちからアーティストが生まれるようになったのです。


今日本で一番ノリに乗っていると言っても過言ではない米津玄師さんをはじめ、「女々しくて」で爆発的に有名になったゴールデンボンバーさん。
「君の知らない物語」で有名なsupercellさん。
ヒャダインさんや藍井エイルさんなどはニコニコ動画の出身ですし、海外で言えばジャスティン・ビーバーさんはYouTubeから有名になったアーティストとして挙げられます。


動画サイトは事務所が育成したり宣伝して認知が上がっていくという過程を省いてダイレクトにリスナー、視聴者の元に届き実力がある人は認められそのまま話題になるようになりました。


ある意味アーティストとリスナーの中間に存在する「業界」の壁を越える事が可能になったのです。


そして「音源を売る」時代から「音源は広告」としそれを入り口に別の形でマネタイズするような時代となりました。


アーティスト側は簡単に発表する場ができ、面白い!カッコいい!とリスナーの反応をダイレクトに受け取れる時代となったのです。


動画サイトの普及はそれまで当たり前とも言えた「音楽を売る」を破壊し、プロとアマチュアの壁が無くなり誰でもダイレクトに「アート」を共有できる時代を生み出しました。


破壊と創造は表裏一体、新しい音楽の形がこれからどう進んでいくのか楽しみです。


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