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【データリテラシー】上昌広氏問題

 下記写真の上昌広氏のグラフとツイート。これはデータや統計学で絶対にやってはいけない事例です。日本だけ軸と目盛が左側で違うという極めて悪質なフェイク・グラフです。学生院生の皆さん、社会で絶対にやってはいけませんので気をつけて下さい。出典にある国連もこんなことをしているはずがなく虚偽です。それは出典とは言いません。
 グラフは中学校レベルの学習内容で、大学でも文系理系問わず指導されます。悪意がなければこんなことはできず、あえてこんなことをするのは悪意と受け手の印象操作を図る一部のアジテイターです。ご注意ください。
 これはいかに中学高校、大学での基礎的な学習が大切かを示す貴重な事例です。社会の皆がこういうことをやり、皆が信じるようになれば、社会政策や社会生活、民主主義は崩壊します。こんなフェイクに騙されないメディアリテラシーも極めて重要です。倫理も問われます。
 なぜ僕がこの問題に拘ったかと言うとコロナ問題だからとか、グラフが間違っているからとか揚げ足を取りたい訳ではないのです。この上昌広氏のグラフや言説が、僕のこれまで戦ってきた「インテリジェンスの政治化」に陥っていてこれが社会的世論や政策決定を騙す民主主義の失敗につながるからなのです。
 「インテリジェンスの政治化」とは、自分の政治目的のために先に目的と結果ありきで、自分の都合の良いように情報収集や分析、解釈を歪めてさも事実であるように宣伝、プロパガンダして社会政策や合意形成を捻じ曲げる行為で、民主主義とリスクコミュニケーションを間違わせる社会の脅威なのです。
 この「インテリジェンスの政治化」はロシア政府や中国共産党の展開するハイブリッド戦争にもつながり、フェイクニュースやポストトゥルースともつながる情報社会における恐るべき問題です。アメリカもイラク戦争開戦時に虚偽情報とCIA情報分析の失敗においてこの現象が起きました。
 こうしたデマゴギーに騙されないメディアリテラシー、データリテラシーを育てるための教育、研究を続けます。

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