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「文系院卒の就活はヤバい」のか?

こんにちは、ひよこです。本日は、就職関連の話を少し書いてみようと思います。タイトルにある「文系院卒」というのは、文字通り、文系の研究科(人文科学科、社会科学科等々)で学んだ大学院修了生のことを指し、そのような人たちの就活事情はどうなっているのか?ということを綴ってみるというわけです。

最初に注意しておきたいのは、例えば法科大学院で学び、将来法曹関係者として生きてゆく人や、すでに社会人として働きながらMBA(経営学修士)を取得しようとする人、教員・学芸員・司書等の専門職に就こうとする人、公務員試験を受験する人等々、特殊な進路を選択する予定ないし選択した人達は、ここでは除きます。あくまで「新卒カード」を携え、民間企業に「みんな一緒に」就職するという、日本の伝統的な就職活動の流れに位置づけられる数多の文系大学院生を指すこととします。また、大学院生と一口に言っても、博士号を取得した学生ではなく、修士号を取得予定の学生(修士卒・博士前期課程修了)に限定します。

さて、本題に入りますが、ズバリ結論を言えば、「文系院卒の就活は大変」です。そして、研究した内容や「修士卒」という学歴が「有利に働くこと」はほぼないです。

ただ、様々な就活サイトで「文系院卒」の就活事情が書かれていますが、そのようなサイトで散見される評判ほど、全員が全員結果が「絶望的」でもないことも事実だと思います。

つまり、院卒であることが決して「有利」には働かないものの、個々の努力でそれなりには上手くもいくということです。大卒の就活以上に、個々の力が試されると思います。

よく「学歴や研究内容を評価しない日本の企業が悪い」と囁かれますが、事前に募集要項を確認すれば、「文系院卒」という身分が不利に働くという事態は未然に防ぐことが可能です。また、研究で培ったリサーチ能力、文章力、論理的思考力、考察力、プレゼン力、すなわちビジネスでは「PDCA」と言われるような力でしょうか、そのような力に関しては大学生よりもアピールできることは間違いないです。

だからこそ、いかに「自分」という人間のことを徹底的に知り、何を目指し、どのような業界のどのような会社を受けるのかを、予め考えておく必要があるのです。文系院卒ということが不利に働くというよりも、本人の準備不足や現実逃避で「不利に働く」と思っている方が多いように思います。

ご存じの通り、修士課程は2年間しかありません。入学して1年経ったらすでに就活中、しかもある程度の段階に進んでいなければなりません。研究を始め、論文をどうするかということを考え始めた段階で就活がやってくるのです。しかも、その就活を終えたら、修論の提出まで半年くらいしか残っていません。修論は大学生の卒業論文よりも求められる質は当然高いですし、大学生よりも準備する時間もない中で、いかに戦略立てを上手くこなし、結果を残すかが大変なんです。インターンのことを考えたら、入学してすぐに、就活を意識しなければなりません。

当然ながら、大学院生の仕事である研究を真面目にすることは最も大切です。が、修士を出てから一般的な社会人ルートを歩むのであれば、就活とも真剣に向き合う必要があると思います。先輩や教員で就活を良く思わない人もいるはずです。もちろん分かります。時間が限られた中で研究にどれだけの時間が費やせるか?が大切なのは分かります。しかし、先輩や教員が将来の進路を保証してくれるでしょうか?であるならば、自分で闘うしかないのです。

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ここで、同じような就活を経験した私から、僭越ながら、できることならこれを!というプチアドバイスを書き出してみます。

可能ならば大卒の時にも就活してみろ!
これは、大学院に進むな!ということではなく、大学4年生の時に大学院進学を決意していたならば、進学を決めていても、就活を一度やってみろということです。実は私も大学4年時に就活を一度経験していましたが、その時の経験が後の院卒就活で役に立ったことは紛れもない事実です。ESの作り方、面接対策等、実際に経験してみることで実感することが多々あります。実際、面接に関しては場慣れ、数こなしの側面も強いので、そういった意味でも一度可能ならば、同級生が就活するタイミングで一緒にしてみてください。

大学院に入る前から将来の設計を!
これは、先に書いた通り、時間の無さに因ることです。入学したら大学生の時以上に忙しくなります。授業数は少ないでしょうが、ほぼ演習の授業でしょうから、発表準備で死にます。入学前から2年後の春どうなっているか?を想定して頭を動かしておくことは大切かと思います。

他人からのクエスチョンにきちんと答えられるか?
これは、例えば面接官からの質問にきちんと自分の言葉で返せるかということです。「なぜ大卒で就職しなかったの?」「なぜ博士課程に進もうと思わず修士卒で就職するの?」「大学院の学びで何を得たの?」こういった質問に対する自分なりの回答をきちんと言語化できるかが非常に重要です。多くの企業人は、学生の研究分野に興味がありません。聞いても分かりませんし。気になるのは「大卒の就職に失敗してモラトリアム延長しただけでは?」「会社に入っても研究のためにまた大学院に戻るのでは?」「研究能力は高いかもしれないけど、ちゃんとコミュニケーション取れるのかな?」といったことなのです。これらの質問に的確に答え、あくまで前向きな理由で進学し、きちんと自己研鑽している日々の様相を伝えられるかが求められます。

多少脚色してでも「ただ研究したかったので進学しました」だけの答えは避けるべきです。ここが院卒学生と企業人の認識のギャップであり、院生が真面目すぎるが故に生じる事故だと思っています。院生が「研究する学生」であることは社会人なら知っていますし、進学するくらいであれば「勉強が好きなんだな」「勉強したいんだな」と思います。

なぜ進学し、何を学び、どういった力をつけて社会に出ようとしているのか?あくまで企業人の立場に立って自分の装いを少しはアレンジしなければ、ただ「勉強してきました」だけでは、特攻的すぎます。

「大学生よりも数個年を取った、専門知識を多少持っているプライドの高いおじさん・おばさん」を企業が採用するのは、おそらく何らかの理由があるはずです。初任給についても大卒の人よりも高く設定されている会社が多いでしょう。

その会社が「院卒の人を取りたい」と思ったのはなぜなのか?ということを考えながら、「自分は◯◯をやりました」だけで完結しない自分史作り、アピール力をきちんとつけることができれば、文系院卒の就活も悲惨にはならないと思います。

日本社会は一度レールを外れた人にとても厳しく冷たいです。そして、学生時代の1年は人生の行く末を大きく左右するほど、重たい期間です。コロナによって就活の在り方そのものが変化していくなかで、従来の就活のやり方がそのまま通用するとは思っていません。

だからこそ、早めから情報収集を積み重ね、客観的に自己を分析し、大学院生だからこそ武器となるその言語化能力・文章力で勝負していかなければなりません。

「文系院卒の就活はヤバいの?」と心配な方はぜひ参考にしてみてください。

(終)

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