#感想をお話しします~第56回Book Fair読書会~
読書の秋は止まらない!
今回は9+1名で、賑やかに開催しました!
(聞き専のみゆきさん、初参加ありがとうございます!!)
このメンバーで本屋さんにいったら、とっても楽しいだろうな・・・と、
次なる”お出かけ企画”の夢も膨らみました。
今度は、海外文学やミステリーに特化した本屋さん、またはブックイベントに行きたいですね。
今秋中に探したい!!!
それでは、本と帯の紹介をどうぞ!(カッコ内数字は参加回数)
せーやさん(8):伊坂幸太郎『逆ソクラテス』集英社
《紹介》
◆最近、棚に差さっているのが目に留まり、再読し始めた短編集。
◆子どもの能力を決めつける先生を、いかに驚かす?
不条理な現実に立ち向かう、彼らの無邪気な視点が面白い!
◆(大人が主人公の物語が多い中)子どもが頑張っている姿が楽しめる、ある意味「伊坂幸太郎らしくない」作品だなと思います。
《雑談》
◇小学校の教室において先生の影響力は大きい。また、小学生時代の先生に言われたことは記憶に残りやすい。
◇教師は、たとえ子どもを理解できなくても、自分が誤解すると自覚していればいいのでは(ソクラテスの「無知の知」)。
ニャンちゅうさん(17):結城真一郎『#真相をお話しします』新潮社
《紹介》
◆最初は図書館で読んだけど、後で購入するほど面白かったミステリー短編集。
5編それぞれに「ひっくり返る」「裏切られる」展開がある。
◆特に興味深かったのは、YouTubeがテーマの『#拡散希望』。
今は子どもが(顔出しで)撮られているYouTubeも多いですが、その子たちが大人になった時、どう思うのかなと気になりました。
◆ホラーが苦手なので、表紙が怖い本は敬遠しがちでした。
でも、書店で平積みされる本にはそれなりの理由がある。
だから、そこは気にせず読んでいきたいなと思いました。
《雑談》
◇世は「どんでん返し」時代?書店の帯でも定番のフレーズに。
でも、「どんでん返し」と予告した時点でネタバレでは??
◇韓国のゾンビ映画『新感染』は、本当に「どんでん返し」でした・・・
ユキさん(3):秋田道夫『自分に語りかける時も敬語で 機嫌よく日々を送るための哲学』夜間飛行
《紹介》
◆SNSで見かけ、タイトルと装丁に惹かれて読みました。
人気プロダクトデザイナーが、「刺さる言葉」を素敵なセンスで選んでいます。
◆今年、70歳を迎える著者曰く「経験は”積む”より”捨てる”方が難しい」。
また「既にあるデザインに学ぶのではなく、敬意を抱いてほしい」「集中力は、自分じゃなくて相手に使う」とも。
◆ページには余白が沢山がありますが、そこに著者の「上品さ」が漂っています。言葉の節々に、培ってきた哲学が滲み出ていて凄いなと思いました。
《雑談》
◇経験を捨てないと、新しいもの(考え方)が入ってこない。
◇自分に敬意を向ける=自分を大切にすること。友人にもこの本を薦めて、一緒に読みたい。
KENさん(12):柳田理科雄『空想科学読本 3分間で地球を守れ!?』角川文庫
《紹介》
◆ウルトラマン、仮面ライダー、『ONE PIECE』・・・様々なエンタメ作品を、理系視点で”真面目”に考察するシリーズ。
◆ヒーローの設定や戦い方から、『天空の城ラピュタ』でお馴染みの呪文まで、”真面目”に検証します。
◆数式も沢山出てきますが、よくこんなに長く書けるな!と思うところに、この人(著者)の”真面目”さが表れています。
《雑談》
◇他には『ドラえもん』のタケコプターや、『ONE PIECE』のゴムゴムの実も研究対象に・・・
こーせーさん(47):ロバート・A・ハインライン(訳:福島正美)『夏への扉』ハヤカワ文庫
《紹介》
◆「コールドスリープ」を使った時間旅行がテーマのSF。
ただし、このタイムトラベルは、なかなか思い通りにいかないところが特徴です。
◆読んでいて、自分は「ひとりで頑張って闘う系」の物語が好きだと思いました。
この小説も主人公の「成し遂げたい」に芯があり、それがぴったりハマったんです。
村上春樹の作品にも、通じる部分があると思います。
◆正解かどうかは別としても、作品世界での科学的根拠を組み立て、ロジカルに提示する。
そんなSFには、ロマンがあると感じます。SFと競馬はロマンです(笑)!!
《雑談》
◇爽やかなイメージがあるけれど、読んでみると泥臭く執念を感じる話。
◇復讐を誓いながらも、最終的には人の幸せを願える主人公に「いいな」と思う。
◇ちなみにこーせーさんは、ひなこさんからSFを読むきっかけをもらったとか!
ひなこさん(4):森絵都『DIVE!!』角川文庫
《紹介》
◆最近、スポーツ中継が好きで、野球からスポーツクライミングまで色々と観ています。
アスリートの美しい精神性を知る中で、中学生の頃に読んだこの本を思い出しました。
◆帯文は、あるスポーツの論評に着想を得て書きました。
悩み苦しみながらも前を向いた瞬間こそが、後から振り返った時、最も輝いている。
どんな競技でも、トップに立つまでの努力が見えるから、心を打つのだと思います。
◆この小説は、廃部寸前のダイビングクラブで、中学生3人がオリンピックを目指し競い合う物語です。
以前、主人公(知季)は他の2人に比べてエピソードが少ない印象でした。
でも、改めて読んでみて、背景がないからこその強さ・純粋さを感じ、やっぱり知季いいなと思いました。
《雑談》
◇「水に飛込む」美しさを競うスポーツを、考えた人が凄い。
◇飛込む瞬間はどんなことを考えているんだろう(考えない人が強い?)。
◇主人公の最大の挫折は?→ひなこさん「実は…恋愛方面です(笑)」
※読書会では、ふっかーが「映画は、スキマスイッチの『ガラナ』が主題歌だったかも」と発言しましたが、正しくは大橋卓弥(スキマスイッチ)『Sky』でした。
『ガラナ』が主題歌だった映画は、あだち充原作の『ラフ』。ちなみに、こちらにも「飛び込み」競技は登場します。(微妙に惜しいですが)失礼しました・・・。
かえちゃんさん(12):吉田修一『横道世之介』文春文庫
《紹介》
◆伊坂幸太郎さんの『砂漠』が面白くて、「大学生活を描いた小説をもっと読みたい!」と思いました。
そこで、高校生の頃に父から勧められていた、この本を手に取りました。
◆主人公の世之介は、ちょっとおバカで、お人好し。声をかけやすい”隙”のある若者です。
故郷の長崎から新宿に降り立つ冒頭の数行で、もう彼の性質が伝わり、愛らしくなります。そうさせてしまう、吉田修一さんの文章も凄いなと思います。
◆流されるがまま行動していて、頼りがいのないように見えるけど、実はまっすぐで芯がある。読み終わった後は、きっと世之介が好きになると思います。
《雑談》
◇世之介が、恋をするヒロインも、クセはあるけど素敵な人。
◇友達に誘われ、全く未経験のサンバサークルに入る場面が面白い!
◇学生時代、”流されるがまま”やってみたら楽しかったことありましたか?
マリさん(初):内藤正典『となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代』ミシマ社
《紹介》
◆私の住む地域でも、ヒジャブをかぶった女性を見かけるようになった。「日本は変わったな」と思うと同時に、イスラムの人たちについてもっと知りたくなり、この本を読みました。
◆「イスラム国」やテロ事件の影響で、イスラム教徒は暴力的だというイメージを持っている人も多いと思います。
しかし、大半のイスラム教徒は優しい人たちで、弱い者を守ったり、助け合う意識が強い。
◆「一夫多妻制」や「豚肉を食べない」など、日本人から見ると不思議な文化も、実は砂漠の厳しい環境を生きるための理由がある。
馴染みのない部分もあるけれど、人の価値観を形づくるものとしての宗教について、考えさせられました。
《雑談》
◇「目には目を、歯には歯を」(ハムラビ法典)の本当の意味
◇「インシャ・アッラー(神様の思し召し)」に感じる、ゆるく気楽に生きるヒント
◇『香川にモスクができるまで──在日ムスリム奮闘記』というノンフィクションが気になってます!
ふっかー(56):額賀澪『拝啓、本が売れません』文春文庫
《紹介》
◆自分の今後に大きな危機感を覚えた新人作家が、編集者と共に「本に関わる」職業人たちの話を聞きに行く。
「売れる本をつくる」ためのヒントを探すノンフィクション。
◆・・・と紹介すると真面目な本に感じられますが、実際は読みながら何度も笑ってしまう本です。
その理由は、額賀さんが売れっ子作家への嫉妬心などを、包み隠さず表現しているから。毒の中にユーモアがあって面白い。
編集者さんは「好感度が下がる」とツッコんでますが、むしろ上がりました
。
◆デビュー時の目標「映像化」をなかなか達成できず、プロデューサーに取材(相談?)する場面も。
ちなみに今年『転職の魔王様』がドラマ化され、安心しました(笑)。
《雑談》
◇レジに持っていった時の店員さんの反応で、その本が「売れてる」か分かる??
◇「売れない」と言える勇気、これから売れる自信
◇(著者が「目の上のたんこぶ」とライバル視する)朝井リョウさんと対談してほしい・・・
参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました!!
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