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フィアンセビザ(K-1ビザ)にたどり着くまでのすったもんだ【前編】

※書いたら大長編になったので前編・後編でお届けします。


現在、アメリカに移住する計画を進めています。
アメリカは人種のるつぼと言われていますが、実は移民をやすやすと受け入れる国ではありません。もとからそうだったけど、911以降さらに顕著にその傾向があるようです。

結論から言うと、私はアメリカ人のパートナーがいて、フィアンセビザ(K-1ビザ)で入国する予定です。これは、アメリカ国籍を持っている人と結婚する外国人のためのビザで、申請に1年前後かかると言われています。

この記事ではフィアンセビザ取得に向けて動き出した”きっかけのきっかけ”について書いています。自分の備忘のためと、これからビザを取得される方の参考になればと思います。 

ことの発端は?

3年以上前のはなしですが、同棲し始めた頃からこのアパートを次に更新するタイミングでアメリカに引っ越そう、という話題はうっすらありました。発端は、ふたりともなんだか東京での生活に疲れて、もう少しマイペースに暮らせる環境で暮らしてみたいなぁと漠然と思い始めたからです。

私は日本の地方都市出身、彼はアメリカの雪降る田舎出身です。
ふたりともいまは東京で一緒に暮らしています。

私はずっと海外に憧れてきたくせに、留学もせず、海外旅行もよく行くようになったのはここ5年くらい、そんな感じで割とドメスティックに生活しておりました。英語を一番真面目に勉強したのは大学受験のときです。

なんですが、アメリカ人の彼と付き合うようになって、「そうだった、私海外に住むの憧れてたじゃん!」と改めて思い出し、これはいいチャンスなのでは…?と思うようになってきました。

私の地元のほうが当然東京よりゆったりしているので、Uターンして暮らすという案も私の中にはあって、彼に話してみましたがあまりしっくり着ていない様子。
「せっかくなら一度アメリカに住もう、でもきみが『もうアメリカやっぱ無理!』ってなったら日本に帰ってこよう」とふとした時に彼が言ったのを皮切りに、東京を離れてアメリカで暮らすというアイディアが現実になりそうな雰囲気になってきました。

…ただし!

ただしです。
「お互いにアメリカ移住で同意している」というのと「物理的に移住できる」というのには大きな隔たりがあります。

アメリカに外国人が住むには、当然ビザが必要です。(ちなみに観光目的であれば、ビザ免除プログラム(ESTA)で90日までは滞在可能。旅行の時は忘れずに)

そして、ここから長い旅が始まります。

住むならどこが良いかな?


彼はソフトウェアエンジニアなので、このご時世、ほとんどの先進国では仕事の心配はほぼないと考えて良いでしょう。

一方私は一般的な総合職のサラリーマン。いろんな部署を異動しましたが、これが私の専門分野、というのは特にありません。よく言えばゼネラリスト。

最初の頃は、ポートランドに住んでみたい、シアトルはどうだ、サンディエゴはどうだ、ニューヨークは…みたいな夢物語を語ったりしていましたが、結果的にカリフォルニア州のLAかサンディエゴが現実的に考えて良いのでは?という形で収束していきました。

理由は…

・日本への直行便が多い
・彼の地元(めっちゃ田舎)への直行便もある
・気候が暖かい
・日本語でできる仕事も見つけられるかも(希望的観測)
・海外旅行もしやすい

とこんな感じです。

雨が降ったら「LAでは天気がいいから楽しみだね」、通勤電車に乗るときも「LAでは車で移動できるようになるね」と、未来の話はちょいちょい出てきますが、特段まだ何も進行していません。とりあえず、お互いに「東京から出たい」という共通認識ができました。

 
ビザの選択肢は?

夢の海外生活がちょっと現実になりそうになってきましたが、

・とりあえず危ない橋は渡らず合法的に米国に住みたいよね
・無収入は怖いので何かしら仕事をしたいけど、特に専門職ではないんだよな
・住むなら東京より温かいところ(せめて雪は降らないところ)がいいなぁ

とまあ、とにかくフワっとしています(笑)

アメリカに限らないと思いますが、国家は「ちょっと住んでみたい」レベルの人を簡単には住まわせてくれません。めちゃめちゃ技能があってアメリカの利益になるとか、アメリカ人と結婚しているとか、なにか正当な理由がないとダメで、中でもアメリカの就労ビザのハードルはエベレスト並みに高いのです。

アメリカのビザには色んな種類がありますが、私が検討した(できた)の以下の数種類だけで、結局それも含めてフィアンセビザ、配偶者ビザ以外はすべてボツになりました。

ビザの種類と、ボツにした悲しい理由たちを書いていきます。

就労ビザ(H1−B)
米国の企業で働くためのビザです。
基本的には彼におんぶにだっこなんて嫌だったので、就労ビザがとれたら一番良いなと思っていました。が、私の職務経歴では死ぬ気で働く覚悟があったとしても、アメリカでの仕事が見つかっていたとしても、就労ビザをとることができそうにありませんでした。理由は、私の学位と現在の仕事に全く関連性がないからです。

日本の会社あるあるですが、学位と仕事の内容が全く関係なかったり(農学部卒でマーケティング、英文科卒で人事部など)、数年ごとにジョブローテーションで異動するので専門性が低い、ということが日常茶飯事です。私も例にもれず、学位と今までの経歴に関連性が全くありません。

アメリカが就労ビザを発給するのは、選びぬかれたプロ。日本の就活では有利になる「勤勉さ」など曖昧な基準は意味をなさず、「すでにある程度実績を出していて、もっとアメリカで高い実績を出す可能性がある人」の中から更に選ばれた人たちだけです。

ちなみに、年間発給数に上限があり、申請が上限の人数に達したら即刻締め切られます。建前上はいつでも申請できるような書きっぷりですが、募集開始後数日で上限に達するため、実質申請できる時期は年に1度だけで、それも1週間程度です。一応資格は大卒以上ということになっていますが、現実としては最低でも院卒以上、医療関係、IT関連など一部の業種の中での取り合いになっているようです。いわゆる文系職種ではなかなか発給されないのが実情のよう。

ということで、これからプロフェッションを磨いて…なんて長い道のりは到底考えられなかったので、就労ビザは候補から除外となりました。

交流訪問者ビザ(J-1ビザ)
交流訪問とは何だ?という感じですが、要はインターンシップや、大学教員が在外研究するためのものです。H1-Bのように厳しい基準はなく、申請期間も随時で申請から発給までも比較的早いようです。
ただ更新するという概念はなく、期限は長くても18ヶ月。またビザが切れたあと2年間はアメリカ国外に住まなければなないということで、いわゆるワーホリのような使い方がされているようです。
2年間アメリカに入国ができないというのは困るので、コレも除外です。

学生ビザ(F-1)
その名の通り、留学生のためのビザです。
語学学校には行きたくないし、大学院は入学までの準備も入ってからの勉強も大変そうだし、ぶっちゃけそこまでのモチベーションがない。学生ビザでは仕事ができませんので、ひたすら出費だけが嵩みます。
この選択肢をとるくらいなら、日本でもっと住みやすい場所を探したほうが自分の目的に合っていると思いましたので、除外しました。

その他、駐在員、宣教師、投資家、アーティストのためのビザなどいろいろありますが、どれも上記に並べた3つにビザ以上に縁遠いビザばかりです。


かくして、フィアンセビザ/配偶者ビザが有力候補になった、というわけでした。


【後編】に続きます。


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