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【インタビュー】未経験から18年!エステサロン経営されたぺこぺこさん、しなやかな強さの秘密

ぺこぺこさんは24歳のとき、まったくの未経験でエステサロンを開業し、今年でなんと18年目を迎えました。あわせて昨年からライター業も開始、電子書籍を出版するなど活躍されています。エステサロンを開業しても、そのほとんどが10年以内に廃業という民間調査もある中、経営者として(個人事業主として)仕事を続ける秘訣や、営業のコツなどを教えていただきました。


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18年着実に続けたエステサロン

ーーぺこぺこさん、今日はよろしくお願いします。ぺこぺこさんが18年続けたエステサロンのお仕事、昨年から始めたライターのお仕事、大きく2つに分けてお話をうかがいます。

こちらこそ、よろしくお願いします!

ーーまずペコペコさんがエステサロンを開業したきっかけを聞かせてください。

学校を卒業してから、しばらくアルバイトしていたのですが、アルバイト先の女性オーナーがとても綺麗で美意識の高い方だったんです。その方に美容についていろいろ教えていただいたことがきっかけですね。ちなみに当時私は20代前半だったのですが、美容にはまったく興味がありませんでした(笑)

ーー興味がなかったのですね!意外でした。

はい(笑)。そのアルバイトというのが、ホットヨガのインストラクターだったんです。手に職をつけたかったので、アルバイト先で研修を受けながら技術を覚えました。20年程前、ホットヨガのインストラクターは、今ほど認知されていなくて。競合も少ないですし、最初はホットヨガスタジオを始めようかなと考えていました。

ーーエステではないものの、美容に通じる仕事をしていたんですね。なぜホットヨガスタジオを始めなかったのですか?

リアルに想像してみると、ホットヨガは体力的にきつく、長くは続けられないような気がして。そこで例のオーナーに、まつ毛エクステなど美容関連の仕事もあると教えていただきました。

美容関連のサロンも競合が少なかったので、やってみよう!と思いスクールに通うことにしたんです。まつ毛エクステだけだと集客に困ると思い、それ以外にもいろいろ勉強しました。今のサロンでは、フェイシャルエステ、ボディエステ、脱毛などもやっています。髪とネイル以外はすべて施術していることになりますね。
 
ちなみにサロンを開業して数年後、まつ毛エクステの施術に美容師の国家資格が必要になってしまったんです。資格を取るために通信でさらに3年間勉強しました。髪を切ることには興味が持てなかったので、美容師にはなりませんでしたけどね(笑)

ーー長い間勉強したんですね。エステの勉強後、ほかのサロンに就職しようとは思わなかったのですか?

私が学んだジャンルでは、これといったサロンがなかったため、独立するしかありませんでした。当時1LDKの部屋を借りて1人暮らしをしていたので、リビングとは別の1室をエステサロンとして使い、開業することにしました。

ーーエステサロンを始めるために、やはりお金を借りてエステ用品などを購入したのですか?

それが当時は助成金や補助金制度を知らなくて……ほかにアルバイトをしながら少しずつ購入していきました。でもカツカツでしたよ(笑)。今思うともっと知識をつけてお金を借りればよかったです。

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ーーでもとても堅実に営業されていたんですね!始めた当時、ほかに大変だったことはありましたか?

私は24歳のときにエステサロンを開業したのですが、時代もあってか20代のエステ施術者はあまり信用してもらえなかったことです。もともとターゲットにしたお客さまが40代の女性で、私よりも20歳も上の方ばかり。どんなに素晴らしい施術内容を説明しても「若いからこんなもんか……」という感じで軽くあしらわれることもありました。今は20代の方もエステをするようになり、若い施術者も増えましたが。

ーーなぜ年上の女性をターゲットにしたのでしょうか?

やはり若い人は比較的お金がないですし、安いメニューを求めてコロコロお店を変えてしまうのでは?と当時は考えました。今まで年上の方と接することは多かったので、抵抗はなかったです。同級生のお友達なども、私のサロンには呼ばないようにしていました。

ーーまさにイチから集客したのですね!最初のお客さまはどのようにいらっしゃったんですか?

最初のお客さまは、チラシを見てきていただきました。当時の集客は、チラシ、ブログ、無料で登録する広告サイトのようなものを利用するしかありませんでした。チラシは自分で手書きで作成し、飲食店やスポーツジムに置いていただきました。

でもライティングをしっかり勉強したわけではないんです。あの手書きのチラシでよく来ていただけたな……と今では思います(笑)。実はその最初のお客さま、18年経った今でも私のサロンに来ていただいているんです!

ーーぺこぺこさんとサロンの大ファンなんですね!なぜ18年も来ていただけていると思いますか?

実はストレートに理由を聞いたことはないんです。もしかしたら息子さんと私が偶然同じ歳だったのが理由かもしれません。接客中に「始めた頃より技術が上達したね」と言っていただいたり、お互い近況報告をしたりと、今では第二の家族のような関係を保てています。本当にありがたいです。

ーーほかに効果があった集客方法はありましたか?

ブログを続けたのが大きかったと思います。「ブログを見てきました」と直接お客さまに言われたことはないのですが、施術中お話ししたときに「ブログを読んでます」と言われることがたびたびありました。今はサロン専用のサイトがあるのですが、検索して上位にあがってくるのはブログがあったからだと考えています。

最初アメブロで書いていて、10年後ワードプレスに変更し、さらに8年程続けています。ブログの文章もずっと私が書いていましたね。今は更新頻度が落ちていますが(笑)

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ーーさきほど18年来ていただいてるお客さまのお話を聞いたばかりですが、ほかに心に残っているエピソードはありますか?

やはりコロナ禍でのことです。外出自粛の要請が出たとき、サロンの営業をどうしていくかをすごく悩みましたね。もちろんキャンセルのご連絡をいただいたときは、お客さまの気持ちを尊重し柔軟に対応しました。

ただマンツーマンで施術しているので、基本的にサロンには私とお客さま以外はいないんですよね。来店時ほかのお客さまと絶対に被らないように予約を取るなどして、感染対策に努めました。「私、絶対に行くので、サロンを閉めないでください!」というお声もいただいて……そのときは本当にお客さまに支えられているなと実感しました。

ーーリピートのお客さまがたくさんいらっしゃるんですね。なぜリピートしていただいてるのだと思いますか?

直接うかがったわけではないのですが、サロンの口コミなどに「ほかのお店では、ここまで気遣いをしてくれない」「マンツーマンで接客してくれるから安心する」「いつ来ても変わらない接客をしてくれる」「押し売りなど一切しないから安心する」と書いていただいたことはあります。

ーーとても居心地のよいサロンなんだと思います!逆にやめようと思ったことなどはありましたか?

辛かったのは、やはりサロンを始めた頃でしたね、人脈もお金もなかったですし。また見本になるような個人営業のサロンがまわりになく、何もかも手探りの状態でした。それから開業時の年齢が若かったので「お前に何ができんの?」「こんな小娘に何ができんだよ」と言われたこともありました……。

振り返ってみると、絶対にやり遂げよう!と決めたのは、そのときだったと思います。結局その言葉があったから、18年も続けられたのかもしれません。絶対に「見返してやる!」という気持ちでした。 今では誰に言われたかも、覚えていないんですけどね(笑)

ーーぺこぺこさんは精神的に強い印象がありますが、昔からそうでしたか?

強いというより、負けず嫌いだったと思います。でも表に出さないだけで、すごく悩むタイプですよ。家で悔し泣きすることもありました。

ーーそうだったんですね。18年も続けられた理由はほかに何だと思いますか?

1番はお客様に支えられてたんだと思います。支えていただいた人への感謝を忘れずに、これからも営業していきたいですね。今のサロンがあるのは、リピーターさまのおかげです。

仕事柄さまざまな経営者の方に出会うのですが、売り上げがよくなってくると、中にはすごく横柄な態度になる方もいらっしゃるんです。最初は大変な道を歩んできたのに、なぜ急にそんな態度になるんだろう?と不思議に思います。謙虚な姿勢を忘れずにいたいですね。

それから最初からすごく大きな目標を持たず、小さな目標を決めていきました。例えば売り上げで言うと、今年は月何万……と小さく設定してコツコツ達成していきましたね。別のタイミングで「並行していたバイトを辞める!」と大きめの目標も作り「絶対にやらなきゃダメ!」と自分を奮い立たせて、続けてきた結果だと思います。

ライターとして新たな挑戦

ーー長年続けたサロンのほかに、ライティングを勉強しようと思った理由を教えてください。

このままエステの仕事を続けても体力的にきつくなるだろうから、ほかの仕事もやってみたいと、数年前から考えてはいたんです。そんなとき新型コロナウィルスが流行してしまって……お客さまには支えられましたが、それでも予約は減ってしまいました。

時間ができたこともあって、ライティングの基礎を学んだらもっと視野が広がるのではと思い、ストアカ(日本最大級の習い事検索サービス)で探したライティング講座を受けることにしたんです。もともとブログを書いていましたし「私にもライター業ができるかも?」思いました。パソコン1台で仕事ができるのも魅力でしたね。

ーーその後「ものかきキャンプ(Kindle本出版を中心に学ぶライティング講座)」に挑戦したのですね。

はい。ただ受講を決めた当時の状況だとサロンが忙しく、勉強する時間が圧倒的に足りないと思ったので、1年かけて少しずつ体制を変えていきました。具体的には、週1だった休みを週2に増やしたり、売り上げが減らないように単価を調整したりしました。

予約の取り方は特に意識しましたね。これまではいつ来店されてもよかったのですが、受講を決めた後は、お客さまが来ていただいたときに必ず次の予約をいただきました。「今予約すると〇〇の特典がつきますよ!」といった案内をしました。

ーーお客さまの予約が確定すると自分の予定も立てやすいですよね。ライターを始められた今、何か課題はありますか?

とにかくスケジュール管理が課題ですね。すごく下手で(笑)。休みを増やしましたけど、それでもまだ時間が足りないです。

実は8年前、結婚するときにサロンを法人化したんです。夫がある会社でWEB制作していたので独立してもらい、WEB制作会社を立ち上げると同時にサロンも法人化しました。

夫は外に出るタイプではないので、WEB関連の営業活動や打ち合わせなどはすべて私がしているんです。エステの施術もしつつ、WEB関連の仕事もしているので、スケジュール的にとてもきついと感じることがあります。

ーーなぜご主人に独立してもらったのですか?

当時サロンの休日が月曜日だったんですね。でも夫は会社員だったので土日休み。これでは生活がすれ違ってしまうと考えたんです。独立してもらった方が休みは調整しやすいので、夫に独立をお願いしました。

ーー会社員だと平日は休みにくいですよね。WEB関連の仕事はほかにもしているのですか?

はい。営業活動や打ち合わせのほかにも、WEBサイトの文章も基本的に私が書きます。エステサロンなど、すでに携わっている業界だと書きやすいのですが、以前看板屋さんから依頼されたWEBサイトのときは、知識がなくリサーチが大変でした(笑)

どうしても時間がないときには外注したり、伸ばせる予定は先に伸ばしたりはします。でも締め切りがある案件については、もう「絶対にやるしかない!」という強い気持ちでやり遂げます!

ーーすごい集中力です!スケジュール管理で工夫していることはありますか?

以前は手帳だけでスケジュール管理していたのですが、夫と業務内容を共有するためにGoogleカレンダーも使うことにしました。二重に管理することでミスが減りましたね。

スケジュール管理と言えば、ポロモード・テクニックもやってみたんですが、合わないときがありました。25分でタイマーが鳴っても「今終わりたくない!今(アイデアなど)降りてきてるからまだ書きたい!」って区切るのが難しくて……そのときの気分で、やめたいときとやめたくないときがありますよね(笑)

ーーほかに何か課題などはありますか?

視野が広がるといろいろなことにチャレンジしたくなるのですが、手を出しすぎないように気をつけています。今回始めたライターも、そのスキルをもとにたくさんの仕事に繋がりますよね。でもあれこれしてしまうと中途半端になり、本当は何をやりたかったのかわからなくなってしまったり……。そのたびに「今、自分に必要なことは何?」と立ち止まって自問自答します。

実は少し前に校正にチャレンジしてみたんです。でも向いてないかもと思いました……。

ーーぺこぺこさんは、ものキャン受講後、去年7月ご自身のkindle本を出版、さらに10月、2作目を執筆代行で出版、そして今3冊目も準備していますよね。今は営業することに抵抗はありませんか?

「まったくない」と言ったら嘘になります。そもそも営業活動はあまり好きではなく、ガンガン行くタイプではないです(笑)営業しなきゃいけない場面は出てくるのでそういうときは営業しますが、いきなり「お仕事ください!」とは絶対に言わないようにしています。

話をしていると気が合う人が必ず出てくるので、そこでまず仲良くなるところから始めますね。お互い人となりを知って、別のタイミングで声をかけるんです。例えば「今度Kindle本を出版するので、結果が出たら書かせてもらえませんか?」という感じです。そうすると意外とスムーズに「そうなんだ!興味ある!」と話を聞いてくださるときがあります。

ーーぺこぺこさんのお仕事上、やはり経営者の方と繋がるとこが多いのでしょうか?

そうですね。WEBサイトのご依頼は、やはりお店や会社など経営されている方ばかりです。仲良くなると言っても、ご飯を食べに行ったり、飲みに行ったりして、自分にとって程よい距離感でつきあうようにしています。

そうやって顔を覚えてもらい「私はKindle本出版に興味はないけど、知り合いが出してみたいと言っていたから紹介するよ」とお仕事に繋がることもありました。

ーーでは営業活動として、ほかに何かされていますか?

異業種交流会に参加することもありますよ!ほとんどがインターネットで探しています。たくさんあるので自分に合う交流会を見つけたほうがいいですね。私は大規模な交流会が好きではないので、10数人ぐらいの小規模の交流会に参加しています。そこで2、3人の方と名刺交換するように心がけています。全員と繋がらなくても数人と気が合えば、それでいいかな……という感じです。

ーー交流会でも気負いなく、小さな目標を立てて行動されているんですね。話をしてお仕事を引き受けていただくコツはほかにありますか?

私は話上手なタイプとよく思われるのですが、実は話すのが苦手なんです。でも接客業は長いですし、エステの仕事は基本マンツーマンなので、お客さまの気持ちを汲み取るのがちょっと得意なんです。そこで相手とよい距離を保てるのだと思います。

例えば、サロンにご来店いただいたお客さまによって、表情や声のトーンを変えています。あとお客さまがストレスが溜まっていそうだったら吐き出してもらうよう話を誘導したり、落ち込んでいそうだったら支えになりそうな言葉をかけたりもしています。お客さまの気持ちに共感することで「今日は来て良かった!」と嬉しいお言葉をいただくこともあるんですよ。

これからの夢

ーー今後ライターとして、取り組んでいきたいことはありますか?

執筆代行やWEBサイトのライティング、少し前から始めたインタビュー案件は引き続き取り組んで行きたいです。それから人と人とが繋がる場所を作りたいと考えているんです!まだざっくりとしたイメージしかないのですが。

例えば、kindle本出版にしろWEB制作にしろ、1つの作品をすべて1人で作るのは難しいですよね。そこで一緒にできるメンバーを繋げるような、そんな手助けができる場所を作りたいと考えています。

それから出版後、本を読んでくださった人に「作者と会いたい」「この人に本を書いてほしい」と言われたら紹介していきたいです。出版したらサイトを作ったら、それで終わり……ではなくて、何か繋がっていける動線を作れたらいいですね。

ーー新しい取り組み、すぐ実現するといいですね!ところで、ぺこぺこさんのkindle本に「ぶれない自分軸を持つのが大事」と書いてありました。最後に現在のぺこぺこさんの「自分軸」について聞かせてください。

会社を経営していると、一攫千金狙いの投資の儲け話を聞くことがよくあるんです。でも絶対にしないと決めていますし、持ちかけられても聞かないようにしています。結局儲からなかったと言って揉めたり仲間割れしたり、という話をちらっと耳にしたことはあります。本当に怖いなと思いますね。

私の軸は「相手に喜んでもらえる仕事をする」ということです!結局収入は、喜んでいただいたその対価でいただけるものですよね。例えばエステの場合、その空間でどれだけ癒されて、どれだけ綺麗になって、満足できたかが大切です。これからもお客さまに「このサロンに来てよかった!」と思って帰っていただきたいです。

ーーぺこぺこさん、お忙しい中本当にありがとうございました!!


【まとめ】

辛いことがあっても「見返してやる!」と強い覚悟で仕事を続けてきたぺこぺこさん。どんなときでも、お客さまへの感謝の気持ちを忘れず誠実に対応されていたのが、とても印象的でした。

以下はぺこぺこさんが2023年に出版、執筆代行されたkindle本です。kindkeunlimitedに登録されている方は無料で読めます!

ものかきキャンプ

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