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イノベーション・オブ・ライフ 経営学の大家が語る、幸せな人生を送る方法

こんにちわ!いよいよ夏到来!と、いうことで、鬱々とした雨から解放されてアツい日々を皆様お過ごしかと思います!そんなアツい日々にぴったり!今回は「人生」についてのヒントをくれる、名著をフカドク!

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「イノベーションのジレンマ」の著者が説く人生論 

今回ご紹介するのは「イノベーション・オブ・ライフ」。著者は元ハーバード・ビジネス・スクール教授で、経営学の大家・クレイトン・クリステンセンです。ハーバード・ビジネス・スクールを卒業後、経営コンサルのBCG、起業を経て研究の道へ。その後、出版された処女作にして代表作の「イノベーションのジレンマ」が世界的大ヒット。「イノベーション」の領域で知らない者はいない超大物です。惜しくも2020年に亡くなってしまいましたが、彼の理論は未だに多くの人から支持されています。

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「イノベーション・オブ・ライフ」のテーマは「経営」ではなく「人生」。原題 How Will You Manage Your Life?の通り、「いかに幸せな人生を送るか」についてクリステンセン節がさく裂している一冊です。

基になったのは、クリステンセンのMBAプログラムでの最終講義。彼は、毎回プログラムの最後に「幸せな人生を送る方法」についての講義を行っていました。その理由は、クリステンセンのMBAの同級生の多くが不幸な人生を送っているのを見ていたからです。

社会的成功という仮面の陰で、多くの人が仕事を楽しんでいたなかった。離婚や不幸な結婚生活の話もよく聞いた。ここ何年か子どもたちと口もきかず、大陸の両端に分かれて住んでいるという同級生がいたのも覚えている。

才能に恵まれ、MBAを修了し、ビジネスでも業績を残して、名声と富を手に入れる。その一方で家族関係は冷え切り、ある人は犯罪に手を染める。そんな同級生たちの姿を見て、クリステンセンは不思議な思いを抱いていました。

どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるだろう?どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係をゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?どうすれば誠実な人生を送り、罪人にならずにいられるだろう?

こういった問題意識から、本書では幸せな人生を送るための「理論」を紹介しています。非常に数多くの理論が論じられているので、本記事ではいくつか絞って紹介します。

誘因(インセンティブ)と動機づけ(モチベーション)

仕事のやりがいを考えると、様々な要素が出て来ます。お金、ネームバリュー、成長環境、業界、業務、ポジション・・・そんな要素を区別するのが誘因と動機づけという考え方です。どちらも聞き慣れた言葉ですが、改めて定義すると「インセンティブは金銭的報酬、モチベーションは本心から何かをしたいと思わせること」となります。クリステンセンはこう説きます。

「報酬をどんなに工夫したところで、せいぜい社員が報酬のせいで同僚や会社に不満をもたなくなる程度でしかない。」

報酬は動機づけ要因ではなく衛生要因[衛生状態が悪いと健康を害するが、衛生状態がよくても健康にはなれないことから着想した故障]であるということです。つまり、報酬を高めればマイナスは少なくできるが、それだけでは仕事にやりがいを持てないということです。

わたしはなにも、不幸な仕事の根本原因が金銭だとは言っていない。そうではない。問題が起きるのは、金銭がほかのどの要素よりも優先されるとき、つまり衛生要因は満たされているのに、さらに多くの金銭を得ることだけが目的になるときだ。

これは皆さんも実感あるのではないでしょうか。周囲の友達で「お金は貰えるけど仕事はつまらない・・」と言っている、一流企業の友達いませんか?お金とやりがい、永遠のテーマですね。誘因と動機づけのバランスを考えながら、自分なりに探し続けるしかないんだろうと思います。

キャリアの創発的戦略

意図的戦略と創発的戦略という考え方があります。意図的戦略は言葉通り、「事前に見いだされた機会を基にして作った計画を実行する戦略」企業がコンサルティングファームに発注して策定してもらうような戦略がこれに当てはまります。一方で、創発的戦略とは「日々細かい修正を重ねる意思決定が凝縮された戦略」であると表現されています。創発的戦略の代名詞として有名なホンダの北米進出を例にとってクリステンセンは下記のように語っています。

ホンダのアメリカ市場への進出がこのような形で展開するとは、だれも想像していなかった。(中略)あの日一人の社員が偶然思いついたアイデアが、伝統的なツーリング・バイクの所有者とは毛色の違う、数百万人のアメリカ人のための、新しい娯楽を生み出した。

クリステンセンは実体験から創発的戦略の考え方はキャリアにも当てはまる、と主張します。彼自身が本当に就きたかった仕事は、新聞記者。ウォールストリート・ジャーナルで働くことを夢見て過ごしてきました。

ジャーナリズム専攻よりもビジネス専攻の方が稀少性が高いだろう、と考えMBAへ。しかし、在学中に応募したサマーインターンにはあえなく落選。代わりにコンサルティング会社にポストを得て、キャリアをスタートさせます。その後、起業のチャンスを得た時も「実際に会社を立ち上げ、経営した経験をジャーナルの編集者に売り込めば、編集者として採用される可能性がさらに高まるという算段」を持っていました。

その後、ひょんな繋がりから、ハーバード大学の博士課程に入る37歳までクリステンセン教授は「ジャーナルの編集者になる」という目標を持ちながら全く違う道を歩み、研究者として大成功しました。

学生や仕事で知り合う若い人たちの多くが、今後五年間のキャリアを、一から十まであらかじめ計画しておくべきだと思いこんでいることに、わたしはいつも驚かされる。

五年後、十年後どころか来年何が起こるかすら分からない。今回のコロナ・ショックのような出来事がいつまた発生するか、誰にも予想ができない。そんな状況で「全てを意図して計画する」ことは不可能です。

だからこそ、あらかじめ決めた目標にこだわり過ぎるのではなく、しなやかな態度で時に修正しながら進んでいく。そんな「創発的」なキャリアの歩み方が効果的なのだなと思いました。

本記事では、2つの理論しか紹介できませんでしたが、事例を織り交ぜて様々な理論を取り上げています。夏休み、ちょっと立ち止まって人生を考えてみるのもいかがでしょうか?

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