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こんな育短制度があれば、パパも利用したくなる!【後編】

前回の記事で、私の考える育短制度の概要をお伝えしました。
育短でも給付金を受け取れる制度です。
今回は、その育短制度で取得期間と給付金の具体例を挙げてみました。

取得期間と給付金の関係

私の考える育児休業給付の支給額の上限をまとめてみると、こんな感じです。

育休 180日目まで 月額賃金の67%
育休 181日目以降 月額賃金の50%
育短 1歳の誕生日以降 月額賃金の25%

月額賃金を100として育休1年間での支給額をパーセンテージで表すと、67%×6カ月+50%×6カ月で702%となります。

2年目から育短を取得した場合、8時間勤務を6時間勤務にすることを想定し、月額賃金の25%分が支給されるものとしました。

8時間のうちの6時間勤務ですから、会社から75%の給与をいただくことになります。

そこに給付金で25%が支給され、100%の収入を得ることができる。

これなら、収入を心配する必要なく、働きながら育児を行うことできます。

育短で支給される給付金も月額賃金に対するパーセンテージで表すと、25%×66カ月で1,650%。

支給される月数は4月生まれならば72カ月、3月生まれならば60カ月になるので、平均値で計算しています。

取得期間と給付金の具体例

具体例を挙げて考えてみます。

どのパターンでも、赤は賃金、黄は給付金、オレンジは給付金の上乗せ、青は育休2年目の給付金による収入です。

育休と育短での給付金が、月額賃金に対して全期間で何パーセント支給されるのかも示していきます。

子どもの誕生日を10月1日と仮定しています。

(1)1歳まで育休、小学校就学まで6時間育短、その後8時間勤務

私が考えた育休育短制度で、ベーシックに給付を受けるパターンになります。

育休で月額賃金の702%。

育短で月額賃金の1650%。

合計2352%。

(2)2歳まで育休、小学校就学まで6時間育短、その後8時間勤務

現行で定められている、保育園などに預けられなかった場合に2年目も育休となり、給付を受けられるパターンです。

1歳から2歳までの給付は50%と現行通りですが、育短制度として受ける25%+2年目育休の25%を合わせた50%となります。

育休で月額賃金の1002%。

育短で月額賃金の1650%。

合計2652%。

(3)3歳年度末まで育休、18歳年度末まで6時間育短、その後8時間勤務

私が考える育休育短制度で取得可能な期間をフル利用したパターンです。

1歳から2歳までの給付は(2)と同じです。

2歳から3歳までの給付は育短制度としての25%だけになります。

小学校就学以降の給付はありませんが、制度では18歳年度末まで育短が取れるようになっています。

3歳年度末から小学校就学の始期までの給付を18歳年度末まで分散して受け取ることも可能としてもよいと思います。

ただし、18歳年度末までの育短でも給付総額は変わりませんので、トータルで受け取れる給付金は変化しないことになります。

育休で月額賃金の1002%。

育短で月額賃金の1650%。

合計2652%。

(4)1歳まで育休、3歳年度末まで4時間育短、その後8時間勤務

子どもが年少になったら8時間勤務にするパターンです。

オレンジの部分は、小学校就学の始期まで育短を利用したならば受け取るはずだった分を、3歳年度末までに上乗せして受け取る給付となります。

このパターンの場合、1歳から3歳年度末までの期間、4時間勤務の育短で、給付金を合わせた収入を100%とすることができます。

育休で月額賃金の702%。

育短で月額賃金の1500%。

合計2202%。

(5)6カ月まで育休、2歳まで4時間育短、小学校就学まで6時間育短、その後8時間勤務

仕事復帰のタイミングなどを考え、育休を1年取得しないパターンです。

1歳まで育休を取得すると受け取れる給付を、収入の補填に回すことができる。ここがポイントです。

6カ月から1歳までの4時間勤務の育短では、賃金50%+育休給付金50%で100%の収入になります。

1歳から2歳までの4時間育短では、賃金50%+育休給付金25%で75%の収入になります。

育休で月額賃金の702%。

育短で月額賃金の1650%。

合計2352%。

(6)1歳まで育休、8時間勤務で復帰、小学校就学から2年間4時間育短

8時間勤務で復帰した後、一定期間、育短を利用するパターンです。

ここでは、小学校入学に合わせて2年間、4時間勤務としています。

夫婦のどちらかが3歳年度末から小学校就学の始期まで育短した後に、役割を交替するといった利用を想定しています。

1歳から小学校就学の始期までに受け取れるはずだった給付金を小学校入学後の2年間に受け取っています。

この場合でも月額賃金の25%になるのですが、育短期間が2年と短いので、上乗せして受け取ることが可能です。

育休で月額賃金の702%。

育短で月額賃金の1200%。

合計1902%。

細かなところを少し付け加え

出生から1歳までの給付金702%

私の考えた制度では、出生から1歳までに702%の給付金を受け取る権利があります。
もちろん、働きながらも受け取れます。
出生から1歳までを4時間育短にすれば、賃金50%+給付金50%で100%の収入にすることも可能です。
ただし、この場合、出生から1歳までに受け取れなかった102%の給付金は1歳以降で受け取ることはできません。

育短での給付金1650%

出生から1歳までの給付金702%は、その1年にしか受け取り権利はありません。
一方、1歳から小学校就学の始期までの給付金1650%は、持ち越したり前倒したりすることができます。
18歳の年度末までに受け取る権利がありますが、1650%を超えて受け取ることはできません。

世帯収入による給付金の制限

これらの給付金は雇用保険の加入者が対象です。
雇用保険の加入者であっても、収入がかなり多い世帯には制限があってもよいのかもしれません。
児童手当のようなイメージです。
賛否があると思います。
今のところ、私は世帯収入による制限についての具体的な考えを持っていません。

雇用保険の掛け金

私の考える育短制度では、今より雇用保険の掛け金が上がることになります。
制度が整備されることで利用者が増えれば、さらに掛け金が上がることになります。
前回の記事でお伝えした通り、現行では、雇用保険の雇用継続給付のひとつに育児休業給付が位置付けられています。
私の考える育短制度は、雇用継続のためではなく、育児を行うための制度ですから、育児休業給付を雇用保険から切り離し、別の社会保障制度を設立した方がよいような気がします。

育休や育短の代替の人材

男女ともに育休取得率が高止まりすれば、会社は、従業員が育休を取得する前提で採用を行うようになります。
したがって、従業員数が今より増加することになります。
小学校就学の始期までの6時間育短が普及してくれば、8時間勤務3人分が6時間育短4人分とみなして、人材を確保することになります。
常に育短を取得している人がいる会社ならば、育短取得者を見越して採用を行うことができます。
育休にせよ育短にせよ、中小企業での代替人材の独自確保は厳しいことでしょう。
( ↑ この件に関しては、こちらの記事をご参照ください。)
働きながら育児しやすい環境が整備されれば、代替人材を派遣する事業、65歳以上の経験者による代替人材バンクの設立などにより、人材の確保もしやすくなるかもしれません。

まとめ

多様な育児の形。

そのひとつとして、育休と育短を統合するようなイメージの制度を考えてみました。

育休だと完全に休み。

休業なので給与が支払われません。

そこで、育短でも給付金が支払われるようにする。

育短で支払われた給与を差し引いた給付金を受け取ることができる。

これが、育休や育短により大幅に減少する収入を少しでも補填する基本的な仕組みとしました。

制度を整えることで、育児の在り方が変化することを期待しています。

育短制度の整備により、新たなライフスタイルや個にマッチした育児の在り方が認められる社会。

細かな部分では、ツッコミどころ満載です。

でも、こんな感じの制度なら、パパである私は、育短を利用してみようかなという気持ちになります。

いつも読んでくださってありがとうございます。 もしよかったら、もう少し私のnoteにお付き合いくださいませ💘 【全記事一覧】 https://note.com/fujiwaratakahiro/n/nd102e99cfc35