本棚つくってもらいました
皆さんこんにちは。
突然ですが本棚をつくってもらいました。じゃん!
■待ち時間も楽しんでもらいたい
本棚の場所は社内用語で言いますと「第2工場の控室」にあります。藤原印刷には本当にたくさんの方が印刷立ち会いのために松本まで足を運んでいただいてます。ありがたいことです。
印刷立ち会いはまさにエンターテイメント。色を決めるまでのプロセスはお客様と現場とのセッションです。緊張感に溢れ、納得のいく色が決まった時の気持ち良さは格別です。
一度色が決まって、本番がスタートしますと印刷オペレーターの出番です。お客様には控室で次の印刷が始まるまで待っていただくことになります。
これまでの控室は机と椅子が置いてあるだけの、言ってしまえば面白みのない単なる待つための空間でした。どれぐらい待つのかと言いますと、長い時は1時間以上です。仕事をする方もいれば、お話される方もいますが、「私たちからもっと何か楽しんでもらうための仕掛けができるのではないか」と考え、本棚を置くことにしました。
■手に取る方も、これまでのお客さんも喜んでもらえる
本は藤原印刷にとって特別なものです。主力商品であり、何十年と作り続けている体の一部のようなものです。
本棚には私たちで印刷をさせていただいた本たちを並べていきます。この工場で生まれてきた本たちが並んでいきます。毎日新しい作品が追加されていくので、次に来た時には棚の変化が楽しめます。また、読んで楽しんでもらうことはもちろん、紙や色や加工など次の作品のクリエイティブのヒントになることも期待できます。
さらには、この本棚をきっかけに大型書店では置いていない、市場にはあまり流通していない未知の本との出会いが生まれます。そこで作者を知るきっかけになり、新しい繋がりを生み出すことも楽しんでもらえる要素と考えています。
■大切な存在に囲まれて
今回、本棚をつくってくれたのは同じ長野県の諏訪を拠点にしているリビルディングセンターさん(略してリビセンさん)です。本棚をつくりたいと思った時から「繋がりのある人に作ってほしい」と思っていました。
リビセンさんとは、数年来のお付き合いで、これまでコンセプトブックや名刺やショップカードと仕事をたくさんご一緒してきました。松本では栞日、菊の湯、アルプスゴハン、なんと言ってもタビシロなどなど素敵な建築を生み出しては町に魅力を重ねてくれます。
古材を上手に利活用するのが本当に得意なリビセンさんですが、今回の本棚も新しいように見えて全て古材から出来ています。しかも、使われた木材がすごいんです。もともと何だったのか。知ったら驚きでした。こちら「真澄」でおなじみ諏訪の宮坂醸造さんの古い蔵の壁に使われていたものなんです。
(空間に合うように製材して綺麗に仕上げてくれています!)
宮坂醸造さんとも長い付き合いで、ブランドブックやリーフレットなど心を込めて印刷させていただいた深いご縁のある存在です。
どれぐらいの年月を経ているかはわかりませんが、宮坂醸造さんの酒造りを支えてきた木材が、本棚という新たな役目をもって生まれ変わりました。
リビセンの東野さんが「藤原印刷に置く本棚だから、藤原印刷と繋がりのある素材を使いたかった」と何気なく言っていた時には隣で時が止まったように感動していました。粋です。粋すぎるよリビセン!
拡張していく本棚
壁一面に対して右側に余裕があるのは、さらに本棚を増やしていく予定だからです。まずは今の本棚をみなさんとの作品で埋め尽くし、入れるスペースが手狭になったら、またリビセンさんに頼んで拡張しようと企んでいます。
目に見えて、確かめられて、安心できる人たちがつくってくれたこの本棚。私たちの印刷の仕事も同じです。目に見えて、確かめられて、安心できるのが紙の良さ。印刷を通して人々に幸せになってもらうため、これまで以上に頑張りたいと思います。
写真より実物の方が5万倍良い感じなので、ぜひ遊びにきてください!
■おまけ
先日、真澄さんのYouTubeチャンネルで取り上げていただきました。お時間あったらご笑覧くださいませ。
(藤原隆充)
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