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ユーロ/豪ドル の分析(無料版)

EUR / AUD

EUR(ユーロ)と AUD(豪ドル)のペアであるEUR/AUDですが、マイナー通貨として扱われています。

一般的な印象では、ボラティリティが大きくてスプレッドも高いので、スキャルピングなどはリスク管理が難しく、中期でも値動きが激しくて取り扱いがかなり難しいです。

ですが、値動きが激しいからこそRSIやRCIのような逆張りに特化したインジケーターが活躍します。

とはいえ、この二つを信用しすぎると痛い目に合うというのは多くのトレーダーが経験しているはずです。

資源国通貨

EUR/AUDAUD/USDの値動きに影響を受けています。
過去一年間の相関関係は  -0.69 であり、それに対してユーロドルは +0.20 とかなり低い水準です。
AUD/USD以外にも、AUD/CHFが -0.74、EUR/NZDが +0.86とそれ以上に高い数字ですが、これらの通貨の値動きに注目する必要はないです。


AUD/USDとの他の相関関係
EUR/AUDとの他の相関関係

AUDやNZD、CADなどは資源国通貨であり、鉄鋼や乳製品、原油や天然ガスから肉などの資源を多く輸出している国です。

なので主要国経済はもちろん、資源の価格や需要・供給などに注目しなければなりません。

ついでに3ヵ国の統計局のリンクを貼っておきます。
オーストラリア統計局
カナダ統計局
ニュージーランド統計局

今回は豪ドルを中心に話を進めていきます。

豪州は鉄鉱石と石炭が主な輸出品であり、その輸出先は中国がほとんどです。中国は銅の消費が非常に多いことで知られています。太陽光や風力発電に使われる銅は非常に多く、それに加えて電子機器などの生産で、銅は中国経済を大きく左右するものとなっています。

しかし、銅の供給は追いつかず、2022/03/05に一時5ドルの過去最高値をつけました。それに伴い豪ドルも上昇トレンドとなりました。

このように銅価格は中国経済の影響を受けやすくなっているため、中国の経済活動には注目しておく事が重要です。また豪ドルは短期間で金銀との相関関係も強い。

ファンダが重要な豪ドルに対して

先ほどEUR/AUDは豪ドルに影響を受けると述べましたが、では豪ドルでファンダメンタルズが優先されるのであれば、逆相関であるEUR/AUDにテクニカル分析は通用しないのではないかと疑問に思うかもしれません。

ある一日のAUD/USDの取引量が15.0万に対してEUR/AUDが72.6万約4.8倍にもなります。取引量が多ければそれだけ多くの投資家の心理がチャート上に現れているということであり、テクニカル分析が通用しやすいです。

EUR/AUDの値動きの特徴

長期的な動きとしては、上昇トレンドは長く続き、トレンドをリセットする際は短期間で大きく下落するという特徴があります。当然例外も存在します、ただこういった特徴が多く見られる通貨だということです。

EUR/AUD 日足

2021年2月頃から約209日間かけた緩やかな上昇トレンドも、41日間の続落でサポートラインに着地しました。
また、そこから更に約98日間の上昇トレンドがあり、ウクライナ情勢の影響で58日間かけて安値を更新しました。

この二つの下落は、テクニカル分析で予測可能なものであったので、利益を出し続けたトレーダーも多いはずです。

ウクライナ情勢での大暴落が起きて以来、中期的な値動きが荒れているようにも見えます。しかし、その下落に対しても現在70%ほどまで戻しています。値動きが激しいとリスク管理が難しいので、そういう場合は少しトレードを控えた方がいいでしょう。

リスクに過剰反応

EUR/AUDはリスクに敏感な事でよく知られている。経済指標の発表時に、無理にポジションを持たない方が良いのは、どの通貨でも同じだが、当通貨は特にそうだ。

しかし、長期的なポジションを保有している場合は、指標や中銀の政策、その他商品の展望に細部まで目を通す必要がある。

その上で、ポジションを維持するか、撤退するかを判断しなければならない。含み益なのか損なのかで、判断や分析に影響が出てしまうこともあるだろう。そこでトレーダーとしての実力が試される。

EUR/AUD日足

オミクロン株に対するリスクオフのとき、7時から23時の16時間で約332pipsの上昇があった。(約2.13%)

そこから約2日後に、モデルナCEOのオミクロン株に対する現役ワクチンの効果について、ネガティブな発言が『英フィナンシャルタイムズ』によって明らかになった。

これによりテクニカル的にも予測していた第2派の上昇が起きましたが、これも26日間をかけて、オミクロン株の上昇の起点となったローソク足の先端(三角持合いをブレイクした起点)まで下降して来ることとなりました。


EUR/AUD日足

このように、市場の大きなショックや金融政策による大きな値動きは、テクニカル分析でも予測可能であり、日足や週足でのフォーメーション分析も常に目を向けておく必要がある。




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