岩崎 仁【富士山ネイチャーツアーズ】

富士下山家 地底世界から日本最高峰まで富士山全方位型のエコツアーの企画と実施、環境教育…

岩崎 仁【富士山ネイチャーツアーズ】

富士下山家 地底世界から日本最高峰まで富士山全方位型のエコツアーの企画と実施、環境教育の推進、環境保全活動をしています。 「富士山の知られざる魅力に出会う自然旅行」をテーマに、その想いと富士山の自然の素晴らしさを書き綴っていきます。 http://roots-fruits.jp

マガジン

  • 【原文】富士下山ガイド 岩崎仁

    2024年7月30日に発売された著書「富士下山ガイド」の原文。 本書の中ではページ数や構成の関係でやむなくカットせざるを得なかった部分を原文のまま紹介するノーカット版の「富士下山ガイド」です。 NOTE単独でも、本書と併せてのご購読でもお楽しみいただけます。

  • 【主催イベント情報】

    富士山ネイチャーツアーズのイベント情報まとめ

  • 【ラジオ原稿】富士山自然図鑑

    不定期で出演しているコミュニティFM‟ラジオF”の番組「Green&Brown」のコーナー「富士山自然図鑑」の原稿を公開しています。 富士山の自然情報の収集やガイドのネタに使用してください。

最近の記事

【原文】富士下山ガイド「宝永第一火口」

富士宮口五合目~六合目~宝永第一火口を折り返すルート。火山としての富士山の魅力がぎっしり詰まった良コースである。 歩き始めてすぐ、足元には硬い岩盤が広がる。およそ2万年前にこの地に流れたり、降り積もった溶岩がこの辺り一帯を覆っている。現在私たちが見ている富士山の大部分は玄武岩という火成岩(火山岩)の一種で出来ており、この時期の溶岩には斜長石と呼ばれる半透明の白い鉱物が良く目立つ。同じ玄武岩であっても噴出した時の条件によって色や鉱物の割合、質感などに大きな違いがあることが面白

¥200〜
割引あり
    • トレイルランナーのための自然教室『宝永火口をあるく』

      普段は駆け抜けてしまうトレイルの足元にたたずむ小さな自然の神秘にふれることで、トレイルランニングの楽しさの幅がきっと広がります! 晩秋の富士山でいつもと違うスロートレッキングを楽しみましょう! ◆日時:10/19(土) 08:00-11:00 ◆集合場所:富士宮口新五合目駐車場(登山道入口)7:30 ◆行程:8:00 富士宮口新五合目集合・準備後、出発→六合目→第二火口縁→第一火口底→第二火口へ折り返し→樹林帯(宝永遊歩道)→10:45 帰着→11:00 解散 ◆参加費:¥

      • あなたの知らない富士山のはなし

        第2章『植物のひみつ ~富士山の植物はストレス過多?!~』 今回は植物のおはなし。 「日本一の標高差が作り出す自然の多様性」 「度重なる噴火が作り出した自然の多様性」 富士山の自然の魅力はこの二つにあると私は考えます。 地球の歴史の中ではまだまだ生まれたばかりと言っても過言ではない富士山は、垂直分布による植生の変化、火山荒廃地に進出してくる植物たちの変遷が自然絵巻のようにはっきりと確認できます。 厳しい環境の中でトライアル&エラーを繰り返しながら、富士山で暮らす植物たちの

        • 富士山自然図鑑⑪「植物たちの富士登山?!」【ラジオ原稿】※無料

          Green&Brownをお聴きの皆さん、こんにちは。「富士山五合目図鑑」を担当します富士山ネイチャーツアーズの岩崎です。 富士登山シーズンもあと少しで終わりを迎えます。今年も沢山の皆様と夏の富士登山を楽しむことが出来ました!皆さんはこの夏、富士山に登りましたか? さて、今日はそんな「富士登山」のお話しです。といっても人間の富士登山ではなく、植物たちの富士登山についてです。 明治35年、今から122年前に撮影された村山道標高2400m付近のモノクロ写真に当時の山室が写っていま

        【原文】富士下山ガイド「宝永第一火口」

        ¥200〜

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        • 【原文】富士下山ガイド 岩崎仁
          3本
        • 【主催イベント情報】
          3本
        • 【ラジオ原稿】富士山自然図鑑
          8本

        記事

          「山の日」記念イベント『御中道絶景ハイキング』開催のお知らせ

          ◆開催日:2024年10月12日(土) ◆時 間:9:00~15:00 ◆対 象:小学3年生以上 ※小中学生は保護者同伴 ◆定 員:20名程度 ※定員に達し次第募集は終了となります ◆参加費:無料 ◆主 催:環境省 関東地方環境事務所 ◆集合場所:環境省 生物多様性センター(山梨県富士吉田市上吉田剣丸尾5597-1)https://www.biodic.go.jp/center/koutu.html ◆内 容:富士山吉田口五合目 標高2300m。 富士山は古より多くの信仰を

          「山の日」記念イベント『御中道絶景ハイキング』開催のお知らせ

          【原文】富士下山ガイド「富士宮口五合目~御殿場口五合目」

          標高2400mの富士宮口五合目を出発して標高1400mの御殿場口新五合目へ向かう下山ルート。ここで多くの方が疑問に思うのが同じ五合目なのに標高差が1000mもあること。平安時代末期に始まった富士登山は富士山信仰の一つの形態として「登拝」と呼ばれており、登山の起点となる神社から道が険しくなり馬を折り返した地点とされる”馬返し”までを「草山」、その馬返しから天地境と言われる”中宮”までを「木山」、これより上を「焼山」と呼び聖地へ向かう境界が設けられていた。特に天地境から上の「焼山

          ¥200〜
          割引あり

          【原文】富士下山ガイド「富士宮口五合目~御殿場口五合目」

          ¥200〜

          【原文】富士下山ガイド「富士下山とは?」

          富士下山は単なる旅行の形態ではなく、富士山を守り、後世に残すための哲学である。 “富士下山”は文字通り富士山を五合目から下ることを意味する。 日本には古来より富士山に登る事で功徳を積むという信仰形態がある通り、現代の富士山観光と言えば“富士登山”と いうほど一般化された旅行形式となった。 しかしながら、「富士山の魅力は五合目より下にその七割がある」というのが私の持論である。 富士山は日本一高い山であると同時に日本最大級の火山で、その自然は標高差によって様々な環境を

          【原文】富士下山ガイド「富士下山とは?」

          富士山自然図鑑⑩(ラジオ原稿)「富士山の岩石」※無料

          こんにちは、富士山五合目図鑑を担当します富士山ネイチャーツアーズの岩崎です。 今日は富士山の「石」についてのお話です。 まず初めに、富士山の地面の色は?と聞かれたら何色を思い浮かべますか?富士山に登ったことがある人の多くは「黒」と答えるでしょう。そうです、富士山の地面のほとんどは灰色~黒色をしています。この黒っぽい色を形成しているのは玄武岩と呼ばれる溶岩で、つまり噴火によって噴出したマグマが固まってできた石です。 火山の下には「マグマだまり」と呼ばれる文字通りマグマが溜まっ

          富士山自然図鑑⑩(ラジオ原稿)「富士山の岩石」※無料

          富士山自然図鑑⑨(ラジオ原稿)「トリカブト」※無料

          green&brownをお聴きの皆さん、こんにちは。「富士山自然図鑑」を担当します富士山ネイチャーツアーズの岩崎です。 10月も近づき、富士山五合目は秋が深まり、足元には色とりどりの秋の草花が短い開花シーズンを満喫するかのように咲き誇っています。 今日はそんな中から私の大好きな花「トリカブト」を紹介いたします。 富士山には亜種を含め4種類のトリカブトが確認されており、富士宮口五合目付近では「オオサワトリカブト」という富士山固有種が多く見られます。 「トリカブト」というと毒

          富士山自然図鑑⑨(ラジオ原稿)「トリカブト」※無料

          富士山 小学生集団遭難事故に思うこと

          集団遭難発生!2023年9月1日 富士山富士宮口五合目から水ヶ塚間の登山道にて小学生の集団遭難が発生。第一報には大変驚いた。児童にケガも衰弱もなく、その日のうちに救助されたことは不幸中の幸いであった。 私も富士山の五合目より下をメインフィールドにエコツアーや教育旅行を実施している身として、今回の事故がどのようにして起こったのかをきちんと分析し、他山の石として今後の自己研鑽に努めていきたいと考えている。 事故の経緯は以下の通り。 事故の経緯1日午後3時頃、学校行事で富士山を散

          富士山 小学生集団遭難事故に思うこと

          富士山自然図鑑③(ラジオ原稿)「 移動する植物?!フジハタザオ」※無料

          みなさんこんにちは。富士山自然図鑑を担当します富士山ネイチャーツアーズの岩崎です。 標高2400m、富士山五合目の春の訪れは平地に比べると2か月ほど遅い。6月に入り、ようやく足元に春の気配を見つけました。富士山の春を代表する花「フジハタザオ」です。ハタザオの名前の由来は夏から初秋にかけて茎に付く果実(種が入っている部分)が風にたなびくように一方向に偏って付く様を旗竿にたとえたようです。 アブラナ科ハタザオ属のこの植物は富士山の厳しい自然環境に適応した富士山固有の種とされて

          富士山自然図鑑③(ラジオ原稿)「 移動する植物?!フジハタザオ」※無料

          富士山自然図鑑⑧(ラジオ原稿)「アマツバメ」※無料

          ラジオをお聴きの皆様、こんにちは。富士山五合目図鑑を担当します富士山ネイチャーツアーズ岩崎です。 このコーナーでは私の大好きな富士山で生きる様々な生き物たちにスポットを当てて、彼らの生き様や、思わず「へぇ~」と声を出してしまいたくなる興味深い生態を紹介していきます。 富士山に行くのが楽しくなる、新たな富士山の楽しみ方が見えてくる、そんな情報をお届けします! 今日は富士山五合目で暮らす鳥「アマツバメ」についてお話します。 先ず初めにツバメという名前が付いていますが、この鳥、な

          富士山自然図鑑⑧(ラジオ原稿)「アマツバメ」※無料

          富士山自然図鑑⑦(ラジオ原稿)「宝永火口の大崩落」※無料

          みなさん、こんにちは。富士山自然図鑑を担当します富士山ネイチャーツアーズの岩崎です。 読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋・・・。秋の楽しみは沢山ありますが、みなさんはどんな秋を楽しんでいますか?富士山では紅葉もはじまり、秋の行楽シーズンをトレッキングで楽しむ方も増えてきています。今日は秋のトレッキングのススメと注意についてお話したいと思います。 秋のトレッキングの楽しみと言えばやはり紅葉。富士山五合目ではカラマツの黄金色の黄葉が10月の半ば頃にピークを迎えます。森林限界付近の

          富士山自然図鑑⑦(ラジオ原稿)「宝永火口の大崩落」※無料

          富士山自然図鑑⑥(ラジオ原稿)「毒を操る蝶 アサギマダラ」※無料

          こんにちは。富士山五合目図鑑を担当します富士山ネイチャーツアーズの岩崎と申します。 このコーナーでは私の大好きな富士山で生きる植物をはじめとする様々な生き物たちにスポットを当てて、彼らの生き様や、思わず「へぇ~」と声を出してしまいたくなる興味深い生態を紹介していきます。 富士山に行くのが楽しくなる、新たな富士山の楽しみ方が見えてくる、そんな情報をお届けします! さて、いよいよ富士登山シーズンがスタートしました!日本最高峰からのご来光を楽しみにしている方も多いと思います。富士

          富士山自然図鑑⑥(ラジオ原稿)「毒を操る蝶 アサギマダラ」※無料

          富士山自然図鑑④(ラジオ原稿)「高山植物が無い?!」※無料

          こんにちは。富士山自然図鑑を担当します富士山ネイチャーツアーズの岩崎と申します。 このコーナーでは私の大好きな富士山で生きる植物をはじめとする様々な生き物たちにスポットを当てて、彼らの生き様や、思わず「へぇ~」と声を出してしまいたくなる興味深い生態を紹介していきます。 富士山に行くのが楽しくなる、新たな富士山の楽しみ方が見えてくる、そんな情報をお届けします! さて、久しぶりに制限の解除された登山シーズンが始まりました。今年こそは富士登山!という方も多いのではないでしょうか?

          富士山自然図鑑④(ラジオ原稿)「高山植物が無い?!」※無料

          エコツアーガイドの役割

          富士山を愛する全ての人に届きますように! 実は私が始めた「富士下山」の目的は富士山の自然を守ること。 このツアーを通して「(富士山の)自然を後世に残したいっ!」と思う人を増やしていくことを目的にしています。そして五合目より下のエリアの価値を高めることで、山頂エリアの利用過多「オーバーツーリズム」をエリア分散と季節分散で解消することなんです。 しかしながら近頃は「下って楽しむ」という手段のみを真似したマインド欠落型のツアーが増えていることに心を痛めています。 自然に親しんで