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デジタルによって変わり続ける「印刷物」の新しい価値

つい先日も、どのデータをどこに紐づければよいか等、データをどうやって印刷物と連携するかについて概要をまとめていたえとやんです。過去にも何度か「デジタル印刷」についてこのnoteに書かせていただきましたが、印刷物ももはやデジタル抜きには語れません。

元々、データベースの情報から印刷物を作ることばかりを考えていた頃は、デジタルは効率的かつ便利なものとして見ていたのですが、いまは日常生活の中にあるごく当たり前のインフラとしてのデジタルという存在に変わってしまいました。もはや使い古した表現ですが、リアルな空間にデジタル(特にインターネット)がしっかり入り込んでいるからこそだと感じています。


フォトブックとか自主出版とか

インターネットが最初に「印刷物」に新しい価値を与えてくれたのは、やはりSNSの存在だと思います。ブログができ、コミュニケーションツールができ、そこには文字や写真(画像)が大量に生み出される場として発展していきました。また同時に、情報が溢れかえって埋もれてしまう場でもあったため、写真を「フォトブック」という特別なカタチで作ってみたり、「自主出版」という方法で特別な書籍をカタチとして作ってみたりしたものでした。

その昔、某SNSのアプリとして、投稿した写真をクリック1つでひとまとめにして、1冊の写真集を作れるサービスがありました。結論、このサービスは全然流行らなかったのですが、その理由は依頼者の意図とは関係無く完全自動すぎたからではと思っています。とはいえ、ふつうのフォトブックのように写真1枚ずつを配置したり編集する作業も面倒で、なかなか【作る】という枠から脱せなかったという感じがします。

ちなみに弊社では、違ったサイズ、違ったページ数が入り混じった「本」でも、デジタルの力を使って合理的に「本」を1冊からお作りすることができるのは得意とするところではあります。


パーソナライズ絵本とか

前述の「フォトブック」も「自主出版」も、普及し始めた当時は画期的だったのですが、いまやその価値もいまだに変化し続けています。おそらくですが、一言にデジタルと言っても、デジタルはデジタルでいっそう利便性が高まっているからだと思います。そうなると、行き着いた結果として「わざわざ紙(印刷物)で残す必要があるのだろうか?」という気持ちにさえなるのは私だけでは無いはず。

ただ、こちらのパーソナライズ絵本をお手伝いさせていただいた時、私自身が持つ、印刷の価値、本の価値というモノの見方がガラッと変わってしまいました。単純な絵本ではありませんし、単純にパーソナライズさせている訳でもありません。特にそのパーソナライズは、受け取る側(子ども)にとっては、大変意味のあるものなので、その意味はさすがにデジタルの力だけでは伝えられないし伝わらないでしょう。


その価値がどれくらいなのかを実際にやってみた

試してみたのはこちらの本(説明には「1~5歳におすすめ」となっていますが・・・)です。

私には2人の娘がいるのですが、上記年齢よりはかなり成長していて本来は対象外(汗)。ただ、この絵本って「おじいちゃん・おばあちゃんが昔どんなだったか?」を伝えるのには最適で、その記録にと思い作ってみたのです。ただ、予想だにしなかったことが・・・。

私の父(つまりは娘たちのおじいちゃん)は数年前にすでに他界しており、そのおじいちゃんの絵本を作って見せたところ、2人とも昔のことを思い出してわんわん泣いてしまいました・・・😔

具体的には書きませんが、その絵本の存在そのものが「いま目の前にいる人」ぐらいに威力があったのです。これは私にとっても、娘たちにとっても、とんでもない体験だったと思います。

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いま、デジタル印刷の価値は、リアルの空間における新しい「体験」を届けることなのかもしれません。一瞬の出来事を、一生の感動として残せます。でもきっと「印刷物」の価値は、たぶんこれからももっともっと変わっていくことでしょう。


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