フランスでのワールドカップの話
タイトルを書いていて、誤解されそうだがサッカーの話ではない。
僕が2013年に参戦した、マウンテンランニングワールドカップの話だ。
マウンテンランニングではワールドカップと題して毎年5〜7レース程シリーズレースが行われている。1999年から始まり、2019年で21年目。2020年はシリーズ開催できなかったので、21年は23年目のシーズンになる。
僕は2012年にスロベニアで1レース出場。以降2013年から毎年参戦し続けてきた。この頃はワールドカップグランプリ(WMRA GRAND PRIX / WORLD CUP)という名称だったように思う。元々参戦開始時点で35歳というのもあったが随分とベテランの意気だ。
アジア人は若くみられるのと、僕はほとんど単独行が多く頼りなく見えること、加えて、大抵都市部でなく片田舎のようなところにいるので分からない事はどんどん話しかけて聞くこともあってか、ありがたいことに色んな国でたくさんの人に助けられている。
2013年、シリーズ参戦を決めて最初のレース、そして洗礼。
この時訪れたのはフランス、アルザス地方の一部にあるでWiller-sur-Thur / Goldbach(2つの町の名前)で行われた「33. INT. MONTÉE DU GRAND-BALLON」というレースだ。
会場付近にめぼしい宿が見つけられなかったので、会場から少し離れたThannという街に泊まった。計2回このレースには出場し、いずれもここが僕の拠点となった。(本当は4回計画してうち2回は怪我などで断念)
2013年の渡航ではスイス・バーゼル空港に到着して問題が起きた。乗り継ぎの際に預けたスーツケースが積み替えられておらず、受け取れなかったのだ。空港で交渉するもないものはない。なるべく早く宿に届けてもらうこととし、移動することに。
到着するなり洗礼を浴びた気分だ。滞在先の宿を伝え、手荷物のみでThannへ向かった。アルプス地方はバーゼルから電車を乗り継いだほうが近い。気持ちは思い切りしずみ、街に着くと冷たい雨が降り、どんよりとして泣きたい気分だった。
宿のオーナーはフランス語以外はほとんど話せないので身振りを交え、スーツケースがないこと、変換コードなど滞在に必要なもの、レースに必要なものなど色々なものが(この時はまさかそんなことが起こるなんて思ってもいなかったので手荷物に変換コードはじめ十分なものを持っていなかった)ない事を伝えた。
オーナーはまさにムッシュというあだ名がぴったりの親切な方で、可能な限り力になってくれた。心細いときはこうした優しさに救われる。宿について体を時差に鳴らすために雨の中散歩へ。小さな待ちながらも教会は大変立派で美しかった。
僕はクリスチャンではないが、教会に足を運ぶのが好き。中に入ってお祈りの邪魔にならないようにひんやりとした、静けさに包まれた聖堂の中で過ごす事を旅先では日課にしている。
その後、スーツケースは2日目の夕方に届くのだが、もう一日かかっていたらレース出場も危うかったので僕にとって大きな学びであった。
レースまでの過ごし方
大抵の場合、レースは日曜日。
木曜の午後〜夜にかけて会場付近へ到着。
金曜は現地で買い出しやらレースに向けての準備
土曜は前日受付が大抵の場合のスケジュールだ。
なので、レース以外はThannの街で過ごした。裏山にはワイン畑と古城があり、その辺りを走って調整して過ごした。街中には小さなカフェやスーパー、生活に必要なものは大抵揃う。ただ、住んでいる人は車利用が多いのでもう少し大きな街へも買い物に出るようだ。
あちこちできるのも悪くないが、レースのために渡航しているし、その意味では競技に支障ない範囲で近場で過ごすことが大切だと思うし、僕の場合、どこに行っても拠点となる街を決め、そこを掘り下げることで先々再訪した際の助けになるので行きつけのカフェや自分好みのレストランを探すようにしている。
レース当日、このレースでは13kmで1200mほど登る。
フランスの山岳選手権でもあり、参加者は500~600名とマウンテンランニングの大会にしては規模が大きい。途中のトレイル区間はシングル幅が多いので、序盤のロードでどこまで前に出るかが重要だ。こう言った部分は走ったからわかることも僕みたいに飛び込んでレースをこなす場合は出たとこ勝負でともかく淡々と自分のできるペースをキープしながら前に出るチャンスを伺う、そして、後ろから追いつかれないように我慢するのみだ。僕はずば抜けた武器がないので、自分のできる最善を尽くす事を大切にしている。
結果は78位。フランスの壁は厚かったのを強く感じた。ただ、飛び込んでいかない限り世界は絶対に広がらないし、できる事をきちんとやったので、それはよかったと思っている。
【今後の予定】
6/20(日)ジュニアトレイルランニングスクール〜逗子のローカルトレイルを走ろう〜
7/25(日) 赤ちゃんから聞ける小さな小さな音楽会(第1部)と子どもも大人も一緒に学べる音楽会(第2部)
8/28(土) Duo Espoir 20周年記念リサイタル
9/26(日)第6回NAGANO Jr TRAILRUN in 富士見高原
10/10(日)トレイルシンポジウム2021
10/17(日)第13回TOKYO Jr TRAILRUN兼-U15ジュニアトレイルランチャンピオンシップ
11/7(日)逗子トレイル駅伝2021兼U-12ジュニアトレイルランチャンピオンシップ
「RUNNING ZUSHI」
逗子市内池子の森自然公園内400mトラックを拠点にしたランニングチームです。
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