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ヨーロッパにはトレイルランニングが定着しやすい素地がある。


僕が今いる、オーストリア。

チロル地方では、山の麓に集落があり、川が流れ、線路や幹線道路が走っている。その多くはそれぞれの山を背負っており、スキー場だったり色々な形で利用されている。

グリーンシーズンはそこが山歩きやトレイルランニングのフィールドになる。

トレイルランニングという言葉が生まれる前から、そのフィールド人々は歩き、走っていた。

そして、berglauf(ドイツ語でbergが山、laufが走る つまりマウンテンランニング)としてオラが街の大会が行われていた。


近年のトレイルランニングの流行を受けて、


それなら、
「一気登りだけじゃなくてこんなルートも作れるね。」
「長いルートはいくつか繋げれば出来ちゃうね。」
「ここ走ったら面白いよね。」
そんな感じでどんどん広がっているんじゃないだろうか?

今いるインスブルックでも、近くのザルツブルクでも近年トレイルランニングフェスティバルとして複数の種目や数日間スポーツフェスティバルとして開催されている。都市型マラソンほど大きな規模でなくとも期間が長い分、それなりに経済効果もあるのかもしれない(数年前からザルツブルクトレイルフェスティバル出たいと思っているのだが、予定が合わない…)。

にしても、こうして大きな街が中心部を解放してトレイルランニングの大会をバックアップしているのはヨーロッパではスポーツが人々の暮らしにとって身近であることは間違いなく大きい。


そもそもスポーツをすることが身近で好きな人が多い。

街中には歩行者と自転車道が棲み分けられ、移動の際も積極的に自転車を利用しやすい環境にあること。

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赤い部分は自転車と歩行者の交錯ゾーン、注意喚起のため色が変えてある。


川沿いや公園、山道などいくつかのルートが設けられており、距離やサインが明記され、自分のレベルに応じて、ラン、ウォーク、ポールウォーク、ハイキングなど気軽にアクティビティが楽しめる。

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こう言ったサインがあちこちにある。これらのサインやルートを活用することで大会なども立ち上げやすいのではないだろうか?


スポーツが身近である事に対し僕が考える重要な要因。


「健康であることの大切さと楽しさを本質的に理解している。」

「健康であれば医療費が削減できる。だから運動しましょう。」というのは受動的だ。そうではなくて身近に体を動かせる環境があり、その選択肢がたくさんあるから気軽にトライできる。しかも自分のペースと能力や目標に応じて個々に。その結果としてご飯がおいしくなったり、いろんなスポーツに挑戦したくなったり、健康になって行ったりとそう言った部分を理解している人が多数いるのではないかと考える。

ただ、日本も定期的にスポーツを嗜む人口は随分と増えたので、それが「楽しさ」を主とする自然発生的なモチベーションにつながる結果としての動機付けが大切だと思う。そのためには、柔軟な発想と地域の理解などが後押しになると思っている。理屈じゃない肌感覚の部分でスポーツの楽しさを知っている人、体現する人を増やしていきたい。

やや脱線したので以下話を戻す。


流行と定着の要因

・トレイルランニングの流行
・アウトドアアクティビティが身近であったこと
・柔軟な発想と地域のバックアップ
*その前提としてスポーツが生活と密接であること
など


幾つかの要因が噛み合って、急激な流行につながっているのではないかと考えている。


日本の課題と今後

残念ながら日本ではこうした素地は限りなく少ないと言っていいと思う。その意味で日本とヨーロッパでは随分とスポーツの立ち位置が違うと痛感せざるを得ない。

もう1つ付け加えるならば、ヨーロッパを走っていてマナー問題の類にこちらでは出会ったことがない。

近年はアジア各国でトレイルランニングの大会も増えている。日本もどんどんと多様な働きかけをしていくことで日本の特徴を活かした形で、魅力的な大会(本来的にはだけじゃないけど)を作り出すことが出来れば、わざわざ日本で走りたい人が増えるのではないだろうか?


最後に

あくまで体験と見聞からの推察ではあるがなんだかんだヨーロッパに通って10年近くの経験もあるので、あながち間違っていないと考えている。

今回はヨーロッパ(特にオーストリアの話)だったけど、その辺の考察を色んな国の起源に関する文献や資料を調べて比較検討したら面白いな、なんて漠然と思っている。大変だろうけど。

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オーストリアで買ったトレラン雑誌。いろんな国で販売されてる。
ドイツ、オーストリア、スイス、ルクセンブルク、イタリア、スペイン、フランスなど(値段のところに国が書いてあり、国ごとに価格が異なる*物価の違い?)


【今後の予定】
9/26(日)第6回NAGANO Jr TRAILRUN in 富士見高原
10/10(日)トレイルシンポジウム2021

10/17(日)第13回TOKYO Jr TRAILRUN兼-U15ジュニアトレイルランチャンピオンシップ
11/7(日)逗子トレイル駅伝2021兼U-12ジュニアトレイルランチャンピオンシップ
11/23(火祝):Duo Espoir 20周年記念リサイタ(8/28から延期開催)

「RUNNING ZUSHI」
逗子市内池子の森自然公園内400mトラックを拠点にしたランニングチームです。
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