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オンラインミーティングでの工夫

先日、タイトル「オンラインミーティングの特徴」のコラムで、対面とは異なるやりにくさ、その中で取り入れるとよい工夫について考えました。オンラインミーティングにおいては、伝達性(講師→参加者、参加者→講師、参加者同士の間で)が抑えられてしまうことで、対面と比べて特有のやりにくさ(弱み)が発生することについて触れました。その中で、以下3点については、解消しにくい要素だとしました。

・「場」全体が出している空気や雰囲気が、対面に比べると共有しづらい。
・他グループの様子(参加者をグループごとに分けた場合)について、主催者以外がわからない。
・対面以上に「内職」がしやすい(ミーティングに参加しているように見えて、実は全く関係ない画面を見たりメール操作したりするなど)。

これらの点について、お送りくださった他者の体験談や私自身の体験談をもとに、取り組むとよさそうな工夫を考えてみました。下記の通りです。

・グループディスカッション毎に、メンバー編成を変える
参加者を小単位で分けてディスカッションを促す(ZOOMであれば、ブレークアウトルームという機能)にあたって、ディスカッションのテーマが複数あるなら、グループ編成を変えることもできます。そうすれば、全員とはいかないまでも、当該ミーティング・研修に参加している人の様子を、より多く垣間見ることができます。

・グループディスカッションでは、グランドルールを各グループに決めてもらう
私たちは、どんな小さな事に対しても、命令されて動くより、自分で意思決定して動きたい生き物です。「グループディスカッションはこういう風に進めてください」と明確に指示出しするのもいいですが、時間に余裕があるならグループディスカッションの進め方(グランドルール 例:「一人3分ずつで順に意見を言っていこう」「誰かが発言し終わったら拍手しよう」「他者の否定はしないようにしよう」など)を各グループで話し合って決めてもらうのもよいと思います。

・グループディスカッション後の発表で、発表内容をチャットに貼り付けてもらう
ディスカッション後の発表が口頭のみだと、その後の意見の集約が難しく、発表内容も要領を得ないまま終わってしまいかねません。やはり可視化は有効です。口頭の発表に合わせて、ポイント・要旨をチャットに貼り付けてもらうことで、共有しやすくなります。これにより、他グループがどれぐらい密度の濃いディスカッションを行ったのかも、感じ取りやすくなります。

・投票機能を活用する
Google フォームやUMUなどの簡易なWebアンケートを使うことで、参加者からその場で意見や質問に対する回答を求めたりすることができます。また、その結果がすぐに集計されますので、参加者の考えを把握し、それをすぐに後続の話に反映させるなどもできます。こうすることで、双方向性やミーティング・研修の有効性が大きく高まるでしょう。

・マイクのミュートを解除し突然指名する
いつ指名されるかわからない環境をつくっておくことは、やはり参加の緊張感・集中度を保つ上で有効です。操作方法はオンラインツールによって違うのかもしれませんが、講師・議長により各参加者のミュートをオンオフに操作できるツールもあります。講師・議長が「○○さん、今の質問に答えてください」と問いかけて勝手にミュート解除することができれば、緊張感・集中度を対面に近づけることができるでしょう。

・開始時に全員一斉に挨拶する
人数の多いオンラインミーティングや研修では、講師や発言者以外はミュートにして進めるのが一般的だと思います。しかし、冒頭からミュート状態が続くと、講師や議長は皆さんの温度感が分かりにくく一体感もつくれず、やりづらい面があります。
よって、開始時に一度、全員一斉にミュート解除して「よろしくお願いします」と声を出し合うとよいです。双方向に一度声を掛け合っておくのは、空気をつくる上でとても有効です。ほんの10秒とるだけでも、その後のやりやすさが全く変わってきます。
また、開始時に全員が30秒程度ずつ順に自己紹介していくのも有効でしょう。人数が多く全員に対し自己紹介できない場合は、グループに分けて数人の間で自己紹介するだけでも、周囲の様子が分かってよいと思います。

以上の6つを、先日のコラムで取り上げた対応方法(例)1.~6.に加えて、下記の通りまとめてみます。全部で12となって数が多くなり、羅列みたいになってしまって恐縮ですが、オンラインミーティングの機会にご参照になれば幸いです。

<オンラインミーティングでのやりにくさ(弱み)への対応方法(例)>
1.事前にアジェンダ(そのミーティングの議題、時間、目的、到達目標)を共有する。アジェンダに沿って場を仕切る。

2.役割分担を明確に行う。ファシリテーター(議長や講師)が説明・場のファシリテート・アウトプットの確認に専念できる環境をつくる。書記は記録をとる(書記は2名でもよい)。

3.画面共有機能を使い、ワード・エクセルやオンラインシステム上のツールなどを活用し、自分たちに合ったやり方を工夫しながら、情報整理を行う。

4.挙手・ジェスチャーなどで意思表示のやり方のルールを決めて、質問しやすい環境設定をしておく。オンラインシステム上のチャット機能を質問ツールとして使うことも有効。チャットを使って、補足意見をみんなから募ることもできる。

5.対面以上に頻繁に休憩する。

6.参加者を小単位で分けてディスカッションを促す(ZOOMであれば、ブレークアウトルームという機能がある)。オンライン飲み会・懇親会など(画面越しの飲食)も併用してみる。

7.グループディスカッション毎に、メンバー編成を変える。より多くの人と接点を広げてもらう。

8.グループディスカッションでは、グランドルールを各グループに決めてもらう。自分たちが考えた決め事に沿ってディスカッションを運営することで、主体的に向き合ってもらう。

9.グループディスカッション後の発表で、発表内容をチャットに貼り付けてもらう。可視化することで、成果を共有しやすくする。

10.投票機能を活用し、参加者の意見等を集計して可視化する。その後の説明・議論の展開に反映させる。

11.時々マイクのミュートを解除し突然指名する。参加者にとっていつ当たるかわからない環境をつくる。

12.開始時に全員一斉にミュート解除し「よろしくお願いします」と声を出し合う。時間があれば、一人ずつ全員自己紹介してもらう。

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