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脳波の状態を可視化する

大阪にある「COCOTORE(ココトレ)」で気軽に脳波の測定を体験できると聞いたので、先日試してみました。

以下、ココトレに許可を得た引用等をしながら、考えてみます。

自分の「こころ」が今どのような状態なのか、なんとなく感じることができますが、いまひとつわからないものです。こころの状態に大きな影響を与えているのが、脳波です。

「α波」といった脳波に関する言葉を聞いたことがある人も多いのではないかと思いますが、ではその「α波」とはどんなもので、自分の「α波」がどんな状態なのか、つかめている人は少ないと思います(私もそうです)。

ココトレでは、専用機器を使って脳波を測定することで、こころの状態を可視化することができます。(以下は、専門家ではない私の理解に基づく文章です。医学的な正確性などは保証できませんので、ご了承くだされば幸いです)

脳波は、β(ベータ)波、α(アルファ)波、θ(シータ)波の3つがあるそうです。α波はさらに3つに区分され、合計で5つの種類となるそうです。以下、ココトレでの脳波測定時に出力されたレポートからの引用です。

β波:緊張状態。緊張を伴い意識が分散している状態。脳波の周波数14~23Hz

α波・α3:緊張集中。物事に集中するために意識的に緊張している状態。脳波の周波数12~13Hz

α波・α2:意識集中。心身ともにリラックスしていて、自己の能力をフルに活用できる状態。脳波の周波数9~11Hz

α波・α1:リラックス。心身が非常にリラックスしている状態。脳波の周波数7~8Hz

θ波:眠気・まどろみ。眠気やまどろみを感じている状態。脳波の周波数4~6Hz

脳波のランク付けをするなら、①α2、②α1、③α3の順が基本的に望ましいそうです。この順番で優勢なら、感情が落ち着いていて、リラックスできている状態と言えるためです。

一方で、これから頑張って仕事などの活動を始めようとするときは、①α2、②α3、③α1の順に優勢な状態が最適なのだそうです。このことは、上記の定義を踏まえるとしっくりきます。

それでは、θ波が不要な脳波かというと、そういうわけでもありません。睡眠時にはθ波がしっかり出ているほうが、よく休めてよいそうです。β波にも意義があるでしょう。そのうえで、トレーニング次第で出しやすくなる脳波はα波なのだそうです。よって、α波を活性化させるということが、脳波に関するトレーニングの基本的な取り組みとなります。

マインドフルネスという概念・取り組みの意義が広く認知されるようになりましたが、それはα波を活性化するための訓練と言い換えることもできるのかもしれません。

以下は私の結果です。毎秒ごとに出ている脳波のうち、各波がどれぐらい含まれているかの含有率と、各波がどれぐらい優勢かの強さを表す優勢率です。トレーニングでは、含有率より優勢率のほうに焦点を当てるのだそうです。

脳波の種類:含有率(%)、優勢率(%)
β波: 24.70、40.11
α波・α3: 22.98、25.44
α波・α2: 15.18、4.67
α波・α1: 15.19、2.00
θ波: 21.96、27.78

私の場合、β波の含有率が高く、かつ圧倒的に優勢です。緊張状態にあるということです。次に優勢なのはθ波です。眠気やまどろみの度合いも高いということです。確かに心当たりがあります。

しばらく前から、仕事や私生活で何か物事を考えようとしても、なんとなく緊張状態にあるような気がして、「時間をとって考えようとしたが、うまくまとまらない」「カリカリして思考が進みにくい」といった場面がよくあるように思います。日中に眠気を感じることも、昔より増えた気がします。年齢とともにある程度そういうものなのかもしれませんが。

また、以前計測したことがありますが、軽度の睡眠時無呼吸の傾向もあって、夜中に睡眠が途切れ気味というのもわかっています。よって、睡眠中に活動できないθ波が、日中に出てこようとしているのかもしれません。憶測ですが。

私の場合、望ましいはずのα2とα1が見事にそろって弱く、劣勢にあるようです。概してリラックスできていない、能力をフルに活用しやすい状態にあるとは言えないというのがわかります。

なんとなく、私自身について、脳波が望ましい状態ではなさそうな気もしていましたが、定量化してみると想像していた以上にバランスが取れていないということが、自分なりに自覚できた次第です。同時に、これを改善することで、いろいろな面でのパフォーマンスにも改善の余地が大きいということも言えるのかもしれません。

この後トレーニング等でどのように改善させていくかのアクションが次の課題になってきますが、ひとまず脳波の状態を定量化して可視化し、現状を認識したのは自分にとってプラスかなと感じます。

体重の変化、ケガ、内臓系の病気といった事象は日常的にわかりやすく、要因を突き止めるための検査やそれを受けた処方につながりやすいものですが、ストレスや頭の疲労などはわかりにくいものです。わかりにくいものについて状態を見える化し、改善のためのアクションを考えることはやはり大切です。

企業活動も同様です。売上や販売数量などは見えやすいですが、組織状態や組織内にいる人の状態などは見えにくいものです。例えば組織診断のようなツールで何らかの切り口によって見える化することで、自社の何をどう変えるとよいかを話し合い、実行していくことを注力して取り組んでいる企業もあります。

「定量化」「可視化」は、実態を把握するうえでの第一歩です。

<まとめ>
「定量化」「可視化」で、当該テーマの実態を把握する。

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