今年に入ってからの外部環境の変化
9月30日の日経新聞で、「世界景気「悪化」が「拡大」逆転 社長100人アンケート」というタイトルの記事が掲載されました。定例で実施されている、有力企業経営者に対するアンケートの結果を紹介したものです。
同記事及び関連記事の一部を抜粋してみます。
上記の内容からは、今年に入って以降、私たちの事業活動を取り巻く環境変化が進んでいることが、改めて認識されます。
景況感は悪化しているようです。他の指標を見ても例えば、タクシー運転手など景気に敏感な人の回答による「街角景気」は、昨年12月は57.5だったのが今年7月は43.8まで下がっています。製品在庫率指数も、昨年4月は108.3まで下がっていたのが、今年7月には119.8まで上がっています。製品在庫が増えてきている(=まだ売られていないものが増えている)ということです。
国外も例えば、米国で住宅着工件数が落ちて価格も下がっている、ドイツの景況感指数が2年ぶりに90を割り込む(2015=100)など、金利上昇の影響もあってか景気関連の指標が弱くなるものが増えています。上記記事の経営者による現状評価と一致している面が見られます。
日本は他国と違って、コロナ禍以降の景気拡張の幅は限定的でしたので、その反動となる幅も少ないと想像されます。また、この間進んだ円安によって、日本への投資は割安となっています。それゆえに、今後他国ほど景気の谷間が深くはならないのかもしれませんが、今年前半よりも神経質に身構えておくべき状況になったということは言えそうです。
原発に対する考え方など、一般的には変化に長い時間がかかりそうなテーマについても、今年に入って「慎重」から「推進」に急速に意識が変わってきているのも、最近の環境変化の特徴だと感じられます。
同記事の範囲内ですが、上記を含め次のようにまとめてみました。
・当面の景気悪化を想定した事業活動が必要。
・一方で、物価上昇は続く。コスト削減や価格転嫁について、さらに踏み込んだ対応が必要。
・地政学的リスクも反映した事業計画やBCP(事業継続計画)の強化が必要。
・電力安定化・エネルギー多様化に関連する動きはさらに拡張する。
・行動制限を前提とする活動はほぼ終了か。対面でのコミュケーションも含めて、日常活動のあり方を再評価するべき。
前回の投稿でも、外部環境の変化に敏感になる必要性についてテーマにしました。いつの時代も外部環境は絶え間なく変化し続けていて、今に始まった話ではありません。そのうえで、今年~当面は為替など市況含めて特に変化が激しいという認識をもって、環境変化を想定しておくべきだということを改めて感じた次第です。
<まとめ>
改めて、世界景気の悪化が懸念されている。
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