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令和のマイホームの建て方no5

~プロが教える土地の購入から注文住宅を建てるまで~

夢のマイホームまでのステップ2:住宅ビルダーの選び方

土地を選んだら、次はどこに家を建ててもらうか?つまり、住宅ビルダー(建築会社)を決めなければなりません。

実際には土地を探す前から、あるいは土地探しをしながら住宅ビルダーの検討をすることになると思いますが、ここでは便宜上、「ステップ1:土地選び」」と「ステップ2:住宅ビルダーの選び方」に分けて考えていきます。

憧れのマイホーム建設をお願いすることになる住宅ビルダーは、大きく分けて次の3つに分類できます。

  1. ハウスメーカー

  2. 工務店

  3. 設計事務所

ネット上でもこれらの住宅ビルダーの特徴や違いについて説明がありますが、ここでは私の実体験を踏まえた上で解説していきたいと思います。

各住宅ビルダーによってできることやメリット・デメリットも大きく異なるため、まずはそれぞれの特徴をしっかりと理解することが希望通りの家を建てる一番の近道となります。

では住宅ビルダーの特徴とメリット・デメリットを、不動産のプロだから知る業界の裏事情を交えながら、それぞれ説明していきたいと思います。

a. ハウスメーカー


ハウスメーカーは、営業から設計、施工、アフターサービスまでを一貫して行う住宅会社です。

全国展開しているような規模の大きな会社も多く、テレビCMなどで大々的にマーケティングを行い、多くの顧客を獲得します。大企業のスケールメリットを活かした材料の一括仕入れ、統一した規格による設計・施工などによるコストカットによって、コスパの良い家を消費者に提供しています。

一方で統一された仕様の中から間取りや設備を決めなければならないため、どうしても設計の自由度は下がってしまいます。
全国各地でモデルルームも公開していますが、それらは大抵オプションで豪華にしているため、モデルルーム通りにしようとすると想定していた値段よりもかなり上がってしまって驚かれるかもしれません。

ハウスメーカーでは営業から施工、アフターフォローまで家づくりに関するサービスを一貫して提供しているため、建築のことについてあまり詳しくなくても、それなりの家を建てられるというメリットもあります。しかしこれまでお伝えしている通り、大手ハウスメーカーの営業マンといってもピンキリなので、全て任せて安心かと言うとそこも大きな疑問です。

ハウスメーカーのメリット
● 大手という安心感。
● コスパの良い家づくりが期待できる。
● 完成する家のイメージが持ちやすい。

ハウスメーカーのデメリット
● 設計の自由度が低い。
● 標準の仕様から外れるとコスパが悪くなる。
● 営業マンのレベルに差がある。

ハウスメーカーに対するプロの見方

土地を買って家を建てようとする時、真っ先に思いつくのがハウスメーカーの存在かもしれません。
確かに大手ハウスメーカーのCMやホームページを見ると、エコでおしゃれかつ丈夫そうな家、優れたスタッフや高い施工技術など、魅力的な点が強調されています。
さらに、大手だからこそ提供できるサービスに惹かれる人も多いでしょう。

私たちは小さな工務店のように潰れる心配がありませんよ。アフターサービスも含めた管理もしっかりしていますよ。長期保証をつけられるので安心ですよ。などなど…。
こうした宣伝文句や大手ならではのブランド、安心感といったものは家という大きな買い物をする消費者には非常に”刺さる”のは確かです。

しかしどんな企業でもそうですが、
自社のデメリットを消費者にきちんと伝えるところはほとんどありません。

ハウスメーカーの一番のデメリットは、設計の自由度が低いことです。良くも悪くも規格品なので、規格から外れたことはできない。できたとしても割高になってしまいます。お風呂はこのメーカーのものを使いたいと言ってもダメ、引渡し前に家具だけ別業者に入れさせてほしいとお願いしてもダメ。そうしたこだわりを持ち込みたいなら、家の引き渡し後にやってくださいと言われてしまいます。

自分の思い描いているマイホームの姿とハウスメーカーの提供するものが一致していれば良いのですが、そうでなければかなりの妥協を強いられてしまうかもしれません。
ほかにも営業マンのレベルに差があり、しかも謎の自社都合を押し付けられてしまう。ハウスメーカーの規格上、土地の形状や条件でどうにもならないことがある。長期保証を受けるためには指定されたメンテナンスを受ける必要があるのでランニングコストも馬鹿にならない。などといったデメリットも無視できないでしょう。

ただ私は何も、ハウスメーカーで家を建てるがダメだと言いたいわけではありません。
ハウスメーカーは自社のメリットだけではなくデメリットもしっかりと顧客に伝えるべきであり、消費者もそのことを十分に理解した上で判断するべきだ、ということです。

デメリットも事前に知っておけば、問題にならないことも多いからです。

例えば以前、こんなことがありました。
あるご夫婦が大手ハウスメーカーと契約したのですが、そのハウスメーカーの営業マンに非常に怒っておられる。
お話を伺うとそのご夫婦はそれぞれ仕事がとても忙しく、営業マンからの急な連絡に辟易しているというのです。
営業マンには、自分たちは多忙なので急な打ち合わせには対応できない。そのため工程ごとに必要なことは事前に予定表にして提出してほしいとお願いしていたそうです。営業マンもそれに同意していたはずなのに、いざ契約後は確認申請を出すために印鑑が必要だから明日持ってきてほしいとか、仕様の確認について追加の打ち合わせが必要だとか、細々としたことを急に言ってくる。そのため、怒りがエスカレートしてしまっているのです。
事態をこのまま放っておくとヒドイことになるのが目に見えていたので、私が間に入ってその営業マンとやり取りを行うことにしました。

最終的に出来上がった家は素敵だったのでお二人とも満足はされていたのですが、営業マンとのコミュニケーションギャップが原因の様々なストレスも、やり方次第ではきっと回避できたはずです。

問題なのは、ハウスメーカーの営業マンも良いことばかりしか言わないこと。

事前に自分に対応できることとできないことをしっかりと伝えておけば、このご夫婦もそこまでお怒りにならなかったはずです。
できないこともできると言ってしまう。もしくはできると思っていたが、結果的にはできなかった。大手ハウスメーカーだからといって、営業マンのレベルもピンキリだとこのご夫婦が事前に知っていれば、別の対処の仕方があったのではないでしょうか。
大手企業だからといって、営業マンの全てが仕事のできる人とは限りません。むしろマニュアルで教育されてますから、予期せぬトラブルには対応が難しい人も少なくないのです。

またハウスメーカーは施工件数も多い分、訴訟もクレームも非常に多い。以前に裁判所でその日の調停予定を眺めてみると、某ハウスメーカーの名前で埋まっていた、ということもありました。

もちろん、クレームの全てがハウスメーカーの責任ではないでしょう。むしろ、顧客とのコミュニケーションギャップが原因ということも少なくないはずです。
ハウスメーカーのデメリットを十分に理解した上で、メリットと天秤にかけて判断する。
例えばハウスメーカーなら万が一、欠陥住宅になったとしても、一軒丸ごと建て替えられるだけの余力があります。そうした安心感も、ハウスメーカーにお願いするメリットではありますよね。

自分がハウスメーカーに期待するのはどんなことか?どこまでなら我慢できるか?そこをしっかりと把握しておくことです。
その上でもし不安な点があれば、プロの助けを借りることを厭わない。

そのことを、ぜひ覚えておいてください。

<プロからのアドバイス>
ハウスメーカーのメリットとデメリットをきちんと理解した上で契約しよう。ハウスメーカーに全てお任せするのではなく、プロの助けもしっかり仰ごう。

b. 工務店

いわゆる「地域の工務店」として地元密着型だったり、複数の店舗を持つ企業もあったりとその形態は様々ですが、一般的にはハウスメーカーよりも規模の小さな形態で家づくりを行うのが、工務店です。
規模が小さいために工務店ごとの得意・不得意がはっきりしているのが大きな特徴の一つ。

腕利きの職人さんを抱えていることも多く、間取りやプランなども基本的に施主と一緒に話し合いながら決めていくので、良い工務店を見つけることができれば、自分の思い通りの家を建てられる可能性も高くなります。

また大手ハウスメーカーのように広告や営業に大きなコストをかけていないため、比較的低価格で家を建てられる可能性があるのも工務店の大きな魅力でしょう。
ただしこれもケース・バイ・ケースで、もしハウスメーカーと同じ仕様の家を工務店で建てようとすると、ハウスメーカーの方がコスト面で優位になります。ハウスメーカーは資材を大量発注することによってコストダウンを図っていますから、そこは小さな工務店では太刀打ちできません。むしろハウスメーカーではできないような間取りや仕様の家を建てたい時こそ、工務店にお願いするべきでしょう。

また工務店はハウスメーカーよりも規模が小さいので、どうしても工期は長くなりがちです。
また昔ながらの職人気質でコミュニケーションをうまく取れない人もまだまだいて、それが大きなストレスになってしまうこともあるかもしれません。

さらに営業マンや担当者の数も限られているため、自分から積極的に家づくりに関わっていかなければ、途中で思わぬトラブルやコミュニケーションギャップによる工期の延長、追加工事の発生なども生じかねません。

そのため工務店にマイホームをお願いするのはある程度家づくりに対しての知識がある人、もしくは信頼できるプロの助けを借りられる人の方が望ましいでしょう。

工務店のメリット
● やり方によっては、低コストで家が建てられる。
● ハウスメーカーよりも設計の自由度が高い。
● 造り手の顔が見える、地元密着型という安心感。

工務店のデメリット
● ハウスメーカーと同じ仕様の場合は、コストメリットが得られない。
● 職人さんとのコミュニケーションが難しいことがある。
● 工務店・職人ごとに品質のバラツキがあり、工期も長くなりがち。

工務店に対するプロの見方

私が工務店さんを紹介する時にお客さんが一番心配されるのが、欠陥住宅や倒産についてです。
確かに、小さな工務店さんであれば家に大きな欠陥が見つかった時でもしっかりと対処してくれるのか、またもし倒産してしまった場合、その後のケアはどうなるの?といった点が気になるのはその通りでしょう。
しかし、2000年4月に施行された「住宅品質確保促進法(品確法)」によって、新築住宅は引き渡しから10年間、構造部分などに重大な欠陥が見つかった場合は建築会社が責任を負うことが義務付けられています。

またその間にもし工務店が倒産したとしても、「住宅瑕疵担保履行法」によって重大な欠陥が生じた場合には補償を受けられます。
ですから、単に漠然とした不安から工務店ではなく大手ハウスメーカーに家づくりをお願いする、という決断だけはしないでください。

そうではなく、ハウスメーカーと同じように、工務店に家づくりを任せるメリットとデメリットをしっかりと理解した上で決定するのです。

これも私の経験談になりますが、世田谷区で擁壁を利用した地下車庫を作りたいというご相談を受けたことがあります。
その方はすでに土地を見つけていて、家づくりは工務店にお願いしたいとのことでした。ハウスメーカーでは仕様にない地下車庫を造るのは難しいですからね。当然ですが総予算も決まっていたのですが、どうしても地下車庫がネックになるというのです。
それも確かにその通りで、そもそも地下車庫を施工できるような業者は多くありません。さらに世田谷区のような住宅街では近隣にも気を使わなくてはならず、工事のハードルも高い。
ざっと思いつくのは設計事務所経由か、大手のゼネコンクラスでしょうか。しかしそれだと地下車庫の工事費だけで2,000万円はかかると言われたそうです。

私の知っている工務店さんなら技術力もあるし、もっと安くできるはず…と思ったのですが、大きな懸念点がありました。

その工務店の社長さんは昔ながらの職人さんで、コミュニケーション力が低いのです。おまけに社長自ら現場に出ることも多く、電話をしても出ないことが多い。着信があっても折り返さない。言葉遣いも雑だし、まさにTHE・工務店のおじさん!という感じの人なのです。

しかしコミュ力が低いだけで、決して悪い人ではありません。さらに技術力と値段の安さはどこよりも良い。
それで、お客さんには正直に伝えました。
ここの社長さんはいわゆる職人さんというイメージ通りの人で、コミュニケーション力は低い。電話もなかなか出ないし、きっと工期も遅れる。でも施工力は確かで値段も安い。どうしますか?って。

そうすると、お客さんはその工務店にお願いしたいとのことでした。最初に社長さんの人柄を伝えておいたので、その方も良くわきまえて、現場でもしばしば社長さんと楽しそうに話しておられました。社長さんも機嫌よく応じていて、良いお客さんだね。と私に言われたほどです。

最終的にはやはり工期は遅れてしまいましたが、お客さんも満足しておられました。
確かに小さな工務店では社長自ら現場に出ることも多いのでレスポンスが悪かったり、ヤキモキしてしまうことも少なくありません。

でもその代わりに技術もしっかりしているし、値段も大手に頼むより安い。色々とサービスもしてくれますしね。
工期は伸びるかもしれないし、なにかあればこちらから催促する必要もあるけれど、そうしたデメリットを理解した上で割り切ってお願いすれば、クレームにはならないのです。

もちろんそのお客さんと社長さんには、私が最後まで間に入って通訳をしましたが…。

結局は工務店のデメリットを飲み込めるだけの度量、もしくは知識があるかどうか。それさえ問題なければ、工務店にマイホームをお願いするのは決して悪い選択ではないのです。

<プロからのアドバイス>

工務店のデメリットを飲み込めるなら、十分に検討の余地あり。ただし、家づくりに関するある程度の知識を有しているか、プロの助けを借りるのが必須。

c. 設計事務所

自分の思い描いたとおりのマイホームを建てたいというのであれば、設計事務所に頼むのが一番です。

一言で設計事務所といっても色々あり、建築家一人で事務所を構える個人事務所、複数の建築家やスタッフで構成されるいわゆる「アトリエ系設計事務所」、そしてより大規模な組織設計事務所と得意とする分野もそれぞれ異なります。

組織設計事務所は主に大掛かりな商業施設や公共施設を手掛けるため、マイホームづくりをお願いするのは個人設計事務所またはアトリエ系設計事務所ということになるでしょう。

個人設計事務所は地域密着型で、アトリエ系設計事務所はデザイン性の高い設計を得意としているところが多いイメージですね。

設計事務所は設計を担当し、実際の施工は事務所が依頼した工務店が行います。そして設計事務所(建築家)は家の完成までのプロセスを管理することになります。依頼者のリクエストだけではなく、土地に合わせてイチから図面を引くため、オリジナリティあふれるまさにオンリーワンの家が建てられるのが設計事務所にお願いする一番のメリットでしょう。

ハウスメーカーや工務店では叶えることが難しい間取りや、デザイン性の高い家づくりも可能なため、どうしてもこんな家にしたい!という強いこだわりを持つ人は設計事務所にお願いするのが良いかもしれません。

とはいえ、自由設計でイチから家づくりを行うということは、それだけコストがかかるということでもあります。また完成までの時間も、どうしてもハウスメーカーや工務店よりも長くかかってしまいます。

吊るしのスーツではなく、オーダーメイドでスーツを作るのと同じことなので、当然ではありますよね。

また設計事務所の売りであるデザイン性の高い家が住みやすいかというと、決してそういうわけでもありません。逆に使いづらかったり、メンテナンスのコストが嵩んだり、将来的に売ろうと思っても売りづらい家になってしまう可能性も覚悟しておく必要があるでしょう。あなたにとっての理想の家が、他の人にとってもそうとは限らないからです。

また設計事務所はその性格上、どうしても建築家の腕に大きく依存します。
そのため自分の思い描いている家が予算内でその通りに建てられるのかどうか、建築家との相性も含めてその良し悪しをを見極めるためには、選ぶ側にもそれなりの力が求められるのです。

そのため設計事務所にお願いする場合は、建築に関する相当の知識を備えているか、信頼できるプロの助けを借りることが工務店以上に必要となるでしょう。

設計事務所のメリット
● 自由度が非常に高い
● 購入した土地に合わせた最適な設計が期待できる
● 家に対する自分のこだわりが実現できる

設計事務所のデメリット
● コストがかかる
● 工期も長くなる
● 腕の良い建築家を見抜かなければならない

設計事務所に対するプロの見方

設計事務所にマイホームづくりを頼むのは、一種の憧れですよね。その気持ちは私も良く分かります。
事務所のホームページに掲載されている家の様子はどれもオリジナリティに溢れていて、素敵で、自分もこんな家を持ちたいと思わせてくれます。

しかし設計事務所に家づくりをお願いするのは、かなり大変なことだと覚えておいてください。
ホームページに掲載されている写真は確かに素敵かもしれませんが、デザイン性の高い家が住みやすいというわけでもないのです。
特にデザイン系の設計事務所はとにかく見栄えの良い家にするために、施工性とか価格を無視するところも少なくありません。

実際の施工は工務店が行いますから、数社に相見積もりさせて、値段が安い工務店に依頼する設計事務所もあります。そうすると、設計図がアバウトすぎてその金額ではできませんと、後で工務店と揉めたり、仕様が変更されるという事例を私も実際に見てきました。
もちろん腕のしっかりした、そして予算や施工性のこともしっかり考えてくれる建築家に頼めば良いのですが、それを見極めるにはやはり、プロの眼と助けが必要です。

建築家の中にはやはり独特の感性をお持ちの人もいらっしゃいますから、向こうから素人のお客さんに全て分かりやすく説明してくれるかというと、そういうわけでもありません。
後から説明を受けて、え、そういうことだったの?と戸惑われることもしばしば。

建築家にとっては常識的なことなのかもしれませんが、お客さんにとっては初めて知ることも多い。そこでコミュニケーションギャップが生じて、トラブルになってしまうんです。

設計事務所に限らず、この業界はとにかく後出しジャンケンが多いんです。そのため、重要事項の説明が細かいんですね。最後の最後で、しっかり説明しましたという体になっている。

でも、本当はそれだけじゃダメなんです。

最初からしっかりと意見をすり合わせて、お客さんのイメージする幸せな暮らしを実現できる家が予算内で建てられるのかどうかを話し合う。その上で、どの住宅ビルダーに頼むのかを決定してほしいのです。

ハウスメーカーはその点、消費者とのコミュニケーションギャップを埋める努力を重ねているように感じます。工務店はまだまだこれから。そして設計事務所は自身が先を読めていないんじゃないか?と思うことも多いので、かなり大変だと覚悟しておいてください。

<プロからのアドバイス>
うまくタッグを組めれば、こだわりの詰まった家が建てられる。しかしそのためには建築士の良し悪しを見極めて、間に入って助けてくれるプロを頼るべき。

どの住宅ビルダーを選ぶべきか?
ここまでハウスメーカー、工務店、設計事務所それぞれの特徴とメリット・デメリットを見てきました。

ではその上で、夢のマイホームを建てるためにどの建築会社を選んだら良いのでしょうか?
唯一無二の正しい答えはありません。どの住宅ビルダーが良いかは、その人次第。
どんな家を建てたいか、その家でどんな暮らしを実現したいかは人それぞれだからです。
とはいえ、自分にどのビルダーが合っているかを事前にある程度、見極めることは可能です。

この図にあるように、基本的な考えとしてはコスト的にはローコストのハウスメーカー→工務店→設計事務所の順に上がっていき、それと比例して設計の自由度も高くなっていきます。

ハウスメーカーも様々なので一概には言えないのですが、なるべくコストを抑えて快適な家を建てたいのならばローコストのハウスメーカー、一般的なデザインで高性能の家が欲しいなら、例えば一条工務店のようなメーカーというふうに、幅広い選択肢の中から選べます。どちらにしても大量仕入れによってコストを抑えているので、性能の割にはコスパの良い家が建てられるでしょう。

コストはかかっても良いから家へのこだわりを実現させたいなら設計事務所、家へのこだわりとコストのバランスをじっくり考えたいならば工務店、といったイメージでまずは目星をつけると良いですね。

例えば、じっくり何度もプランを見直しながら、現場もその都度見学したい。職人さんともコミュニケーションを取りながら納得のいく家づくりを行いたいという人であれば、ハウスメーカーは無理です。設計にもこだわるならやはり設計事務所にお願いすることになると思いますが、どの設計事務所でも良いというわけにはいきません。技術とともにコミュニケーション能力が高い設計事務所でなければ、いずれ衝突してしまうのが目に見えています。

土地を買って家を建てようとする人ならば、当然マイホームに関してもこだわりがあるはず。とはいえ、「ステップ①:土地選び」でも説明した通り、購入した土地によっては設計の自由度にも限度があります。家の形にこだわれないのであれば、ハウスメーカーか工務店にお願いする。そのかわり、設備や内装、インテリアにこだわりを反映させる。そういう選択の仕方もあるのです。

まずは自分がどんな家をどんな方法で建てたいのか?

そこをクリアにさせた上で、各ビルダーの特徴とメリット・デメリットをしっかり理解すれば、自ずとどこに頼めばいいか見えてくるはずです。

<プロからのアドバイス>
まずは自分がどんな家を建てたいかをハッキリさせる。その上でどこに頼めばいいかを検討する。

ただしどのビルダーに頼むとしても、やはりプロに間に入ってもらうことが失敗のない家づくりの一番の近道であることは言うまでもありません。

自分の思い描く夢のマイホームを実現させるために、ぜひ自分に一番あった住宅ビルダーを選んでください。
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次回は注文住宅の工法・構造・性能などについて書いていきます。

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