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藤井満
2022年1月12日 22:23
墓地に立つ観音バスのバス停 西国三十三所の27番圓教寺は姫路市の郊外にあり「西の比叡山」と呼ばれている。 青春18切符が余ったから訪ねることにした。 約20年ぶりに姫路駅に降りると、目の前に姫路城がそびえている。白鷺城と呼ばれるだけあって美しい。 姫路城から北へ7キロ、書写という風変わりな名前のバス停で降り、動物除けのネットをくぐって山際の墓地に入ると、片隅に「バス停」がある。
2022年1月11日 22:49
標高400メートルの山の寺 西国三十三所の札所は基本的に山の上にある。 仏教以前の山岳宗教の場がそのまま札所に転じたからだ。景色のよい場所が多いから正月の肥満を解消するハイキングにもぴったりだ。 今回は安土城跡のわきにある32番・観音正寺を訪ねた。 午前11時、安土駅の観光案内所に立ち寄ると、「桑実寺からの登山道が近いけど、雪が残っているから2,3日前に登った人はアイゼンを持ってま
2021年6月15日 15:29
みかんから梅へ 切目神社(印南町)の鎮守の森から下るとすぐ切目の町だ。仕出し屋やたばこ、パチンコ、接骨院……ほとんどシャッターを閉じているが、にぎやかな時代があったのだ。 切目駅で紀勢線の線路をくぐり、急坂をのぼりつめた海を望む稜線に中山王子神社があった。 本殿わきの小さなお堂は明治期に合祀された「足の宮」だ。 足を痛めて死んだ山伏を村人が丁重に葬ったところ、墓標が山吹色に輝いた。以来、
2021年6月12日 22:48
切り花と民間信仰の道 御坊市の海沿いの塩屋地区の光専寺には、樹高14メートル、幹周6メートル超、推定樹齢600年以上というビャクシンの巨樹がそびえる。竜巻が渦巻いて空に吸い込まれていくような形状で、大蛇になった清姫を彷彿させる。 観音山の坂をのぼると、海の眺望が広がる。色とりどりの花が咲く温室があちこちに立っている。「このへんは潮があるからミカンができず、昔はサツマイモなどをつくっていた。