パーソナルトレーナー藤井自伝201

ダイエットで部分痩せすることはできるのか?

今回はダイエットでよく肯定派否定派に議論が分かれる部分痩せについてお話していく。
お腹痩せや太もも、二の腕や背中など誰もができるのであればしたいと思っている部分痩せ。
逆に言うと部分的に太ってしまっている、という悩みが多いのが事実だ。

では実際に部分痩せは実在するのかというと、結論から言えば部分痩せは可能だ。
とはいえどこかの脂肪だけを狙って燃やすというのは不可能である。
どういうものかというと、部分的により脂肪を燃えやすくする、というものである。
体脂肪というものはエネルギーとして消費される際に、分解をされて脂肪酸となり、血液の流れにのって各細胞に取り込まれていくという過程を辿る。
脂肪は全体的に燃えていくのであるが、血液の流れが良いところのほうがより脂肪がエネルギーとして取り込まれやすく、逆に血流が悪い部分だとエネルギーとして取り込まれにくいということだ。

つまりは血液の流れが脂肪の燃焼に影響を及ぼすため、部分痩せ、部分的に痩せやすい痩せにくいということが起こるわけである。
だから部分痩せは可能なのだ。

実際にこんな研究結果がある。
持久力と筋力の混合サーキットトレーニングが脂肪の厚さに及ぼす影響といったもので、少数ではあるが男女をふたつのグループに分けて、片方のグループには特定部位の脂肪を落とすことを目的としたサーキットトレーニング(スポットリダクション、SR)を、もう一方のグループには従来型の筋トレ(レジスタンストレーニング、RT)をそれぞれ週3回、合計8週間行い、試験前の測定値と比較したものである。

そしてこの試験の結果から、特定の部位をターゲットとしたSRは腹部と背中には効果的だが、二の腕のうしろ側(上腕三頭筋)には効果的でなかったと結論づけている。
お腹や背中は特に血流が悪くなりやすいため、比較した場合にわかりやすい結果が出たのではないかと愚考する。

このように部分的にトレーニングを行って、他の部位よりも血流を促進させることにより、部分的により脂肪が燃えやすい状態になるのである。

また、これは部分痩せの研究とは異なるが、血流促進の効果も反映されている結果として参考までにお伝えしておく。
スポーツ用品会社大手のデサントが行った試験「低強度の筋トレと有酸素運動との比較」では、1日に腕立て伏せ、腹筋、スクワットを各15回×2セット、週6日行ったグループと週4日1万歩のウォーキングをしたグループとに分かれて実験を行った。

その結果、低強度の筋トレを行ったグループでは、試験前と6週間後のサイズを比較したところ、二の腕は-2.7%、ウエスト-4.5%、太ももは-2.8%という結果が得られた。
逆に1万歩ウォーキングを行ったグループでは、二の腕-1.6%、ウエスト-1.5%、太もも-2.5%という結果が得られた。

単純に比較すると筋トレの方が効果的だということがわかるが、もっと注目すべきことがある。
それは運動にかけた時間とそこから生じる消費カロリーである。
筋トレは1回10分を週6回で週60分、消費カロリーは週250kcalほどだ。
ウォーキングは1回90分を週4回で週360分、消費カロリーは1000kcalほどだ。

時間にして実に6倍、消費カロリーも4倍あるはずなのに、実際に結果として良い成果を上げているのが筋トレなのである。
結果だけでなく、時間や労力までを比較対象に入れることでどれだけ効果に差があるのががわかると思う。

こういった事象もあるという事を認識した上で、ぜひあなたのダイエットに役立てて欲しい。

続く

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