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リブライト蛯原さん+IGPI塩野さん+尾原さんの回で世界のゲームチェンジを俯瞰する【L&UX制作記④】

5月開催L&UX2021、今回は世界を股にかける日本人のThought Leaders回のご紹介です。

内容が面白すぎて、かつ他の回に対する布石やイントロになっている側面も強く、この撮影が終わった後に全体のセッションの順番を組み替えることになりました。それくらいの面白さ。


■ セッション概要

5/19(水)18:00から配信開始
テクノロジーとUXの世界潮流 -日本から見えないゲームチェンジ
塩野 誠(IGPI) / 蛯原 健(リブライトパートナーズ) / 尾原 和啓(フューチャリスト)

世界では様々なゲームチェンジが起こっていますが、日本という限られた環境にいると、なかなか「今世界で実現されていること」「脅威や機会になるゲームチェンジ」が見えて来ません。

シリコンバレーをはじめ、アメリカの事例はよく耳にする一方、中国のデジタル先進環境はなかなか知られていませんでした。最近、中国の状況や事例も目につくようになってきましたが、東南アジアやインド、さらには北欧などでは、新たなビジネス環境が生まれてきています。それぞれの国の特性、社会環境などを踏まえて、独自に進化をしているモデルを見比べていると、私たちが当たり前だと思っている事は、意外と当たり前ではないのだということに改めて気づかされます。

このセッションでは、先日までフィンランドはヘルシンキに住み、Nordic Ninjaというベンチャーキャピタルを立ち上げたIGPIの塩野誠さんと、シンガポールに住み、インドから東南アジアを股にかけるベンチャーキャピタルであるリブライトパートナーズを営む蛯原健さんから、バリとシンガポールに住むフューチャリストである尾原和啓さんが様々なゲームチェンジの観点をぶつけていきます。世界中で次々とUXとテクノロジーの社会実装や企業のDXが行なわれる中、私たちは何を知り、何を取り入れ得るのでしょうか。


■ 東南アジアとインドから見える生態系

本編において、モデレータ尾原さんの入り方がまず秀逸。

日本ではシリコンバレーやベイエリア、ないしは中国におけるゲームチェンジってのが見えている一方、蛯原さんがいらっしゃる東南アジア、インドだったり、塩野さんがカバーされている北欧やヨーロッパって、なかなか見えてない。今日はぜひ新しい視点を入れていきながら、その視点をどうやって構造化すると日本に対してのヒントになるか、というお話をさせていただければです。なのでまず、今見えてる「日本には見えないゲームチェンジ」みたいなところからお話に入っていければ。

まずは蛯原さんのトークから入って行くのですが、皆さん、インドネシアのSea Limitedや、インドのリライアンスという企業をご存じでしょうか。

Sea Limitedはアフターデジタル2を書いていた頃から急激に伸びてきた企業で、ゲームやECを皮切りに金融にも入り込もうとしている企業で、今やGrabやGo-Jekを超える勢いで注目されています。

インドのリライアンスも、FacebookとGoogle双方が相乗りで組むコングロマリットでDXの旗手として注目され、石油などの旧来型産業から、EC・ペイメント・テクノロジー系に一気にシフトしています。Facebookと組んでモバイルペイメントの普及なども実施しています。

そうした新たなDXの担い手やプレイヤーが急速に表れてくる中で、日常の高頻度なアクションからスーパーアプリ化し、如何に社会基盤を整えるかという流れが主流であることが見えてきます。


■ 北欧から見える生態系及びUSとの違い

一方で塩野さんに移ると、全く異なる生態系が見えてきます。

社会基盤や福祉が整っている一方で、国内市場が大きくないため常にグローバルを見据えないといけないのが北欧。そうなるとスーパーアプリ型ではなく、様々なアプリが次々と立ち上がる中、今回別のセッションで登壇いただくMaaSGlobalが提供するWhimのように、社会インフラサービス化しておじいちゃんおばあちゃんでも使うような浸透をしています。

「駐車するときも、別に何もないところにアプリを使って駐車して、それで社会として成立している」というエストニアの話から、本当にデジタルUXが社会インフラになっている姿が見えてくる。そんな中でこんな対比が見えてきます。

もはや銀行をスマホだと思っていますよね。アメリカの場合、銀行がむしろコミュニティスペースになったり、カフェと共同でやる形になっていて、結果的にリアルでしかできないコミュニケーションだとか、地元密着型のイベントみたいなところに銀行がカフェと融合して残っている。一方で、もう東欧とかインドの場合はリアルが無駄だから、そもそも持たないみたいな感じになっていて、スマホがもう普段の銀行になるみたいな、UXの二極化が起きてたりしていますよね。

ここまでの会話で10分です。笑

圧倒的な密度の濃さ。書いていて、初めの10分だけ公開しようかな、って思い始めました。


■ 全体を通して

それぞれの国や地域の持つ背景やパワーバランスから、それぞれの国にあった戦略とイノベーションが生まれていく様を、高解像度で行ったり来たりしながら話すので、情報密度の濃さは全セッション随一です。

この話を理解してから様々なビジネスモデルを眺めると、「何故こうしたサービスが成立しているのか」という背景が見えてくるので、世界中の事例を眺めるにあたっても、参考にする際の無駄撃ちもなくなり、日本企業として何を狙うべきなのか、が見えてくると思います。

公開の5月19日を、どうぞお楽しみに。


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