クレーム受けてたら顔面神経麻痺になったお話
「お仕事は何されているんですか?」と言われた時、「コールセンターの二次受けをやってます。」と言うと、ほとんどの人が言葉にしないまでも、大変そうですね・・・って顔してる。
あまり説明されずに「コールセンターの二次受け」って言われると全部が全部クレームなんだろうなと思われてしまいがちですよね。
でも「コールセンターの二次受け」って言っても、最初にお客様がセンターに問い合わせをして、解決できなかった場合やもっと詳しく知りたいといった場合に転送されてくる部門なので、転送されてきた電話の全部がクレームってわけではないんです。
とはいえ、最初に自分がこの仕事に就いたときは、大変な仕事に就いちゃったなと思ってました。
今は、コールセンター業務から離れて、とある会社で開発関連の仕事に従事してますが、自分の仕事人生を振り返ってみると、コールセンター関連の仕事をしていた時期が一番楽しかったなと思います。
楽しかったと振り返ってみても、やっぱりその仕事ではクレーム対応はあったわけで、お客様からクレームを受けて平謝りすることは、日常茶飯事でした。
「やっぱり、大変じゃない?自分だったら、卑屈になっちゃうよ。」と思われがちですけど、その分、周囲の人とは、気軽に話ができるという雰囲気があって、ストレスは感じていなかったと思い込んでいました。
自分は、クレーム処理でもあまり臆することなく対応していたのですが、そんな自分にもストレスっていうのは、知らず知らずのうちに忍び寄ってるものなんだなと、今になってみると、そう思います。
そして、それは突然やってきました。
その日は特にクレームという電話もなく、平穏無事に過ごしていました。
自分の机で手帳にスケジュールを書き込んでいたとき、傍らにあるペットボトルのお茶を飲んだんですよ。
あれ?なんかお茶がこぼれたぞ、このペットボトル穴が開いてるの?
ペットボトルの底を見ても穴なんて開いてない。おかしいなあとそのまま仕事を続けていました。
同僚に話しかけられて、返答しようとしたとき、あれ?顔の左側に違和感、どうしたんだろう?唇が動かない。。。
そのことにあまり重大性を感じていなかったので、そのまま仕事を続けます。
でも、顔面の左側が動かないという症状は悪化するばかり。左側の頬の筋肉がどんどん垂れてきて、人相が変わっていき、唇が思うように動かせず、声も一部の発音が思うように出せない状態になっていきました。
あれ?おかしいぞ。とようやく、目の前のPCで症状を検索してみました。
すると、どうもこの症状は顔面神経麻痺らしい。
ネット情報によると、顔面神経麻痺は、なかなか治らず早くても半年、完治までに1年以上と出ている恐ろしい病気。慌てて、近隣の病院へ駆け込んだのでした。
病院では、先ず、聴力検査、そして血液検査のため血液採取して、その日は帰宅、いえ、仕事熱心な自分は、顔が見えないようにマスクをして、そのまま職場へと戻ったのでした。
後日、血液検査の結果、帯状疱疹(水ぼうそう)のウィルスが耳の奥にある顔面神経に炎症を起こして発症したらしいということ。水ぼうそうに罹って治ってもそのウィルス自体は消滅せずに免疫の力によって病気にならずに身体のどこかに潜んでいるようです。そして、過度のストレスにより免疫力が落ちると帯状疱疹のウィルスが免疫の力に打ち勝ち、病気が発症するらしい。それが皮膚に出ると帯状疱疹になり、耳の奥の顔面神経のあたりでウィルスが悪さをすると顔面神経麻痺になる。自分の場合は後者。運が悪かったとしか言いようがありません。
生活に困ったのは、飲み物を飲む時くらい。コップなどで飲むと左側の唇が全く力が入らないのでダラダラこぼしてしまうので、飲み物はすべてストローを使って飲んでました。あと、人相が変わってしまったので、常にマスク(今はコロナでマスクは当たり前ですが、当時はマスクは花粉症の人かインフルエンザの人くらいでした)をして顔を隠して生活してました。
自分の場合は、気がつくのが早く、すぐ病院に行き、処置が早かったこともあって完治まで3ヶ月程度の軽症で済んだのは不幸中の幸いでした。
コールセンターの仕事にストレスは感じていませんでしたが、ストレスというのは知らず知らずのうちに忍び寄ってきてるのだなと、そのとき改めて思ったのでした。
今は、どんな仕事でも気づかぬうちにストレスが貯まっていくものと肝に銘じ、ストレスを貯めないように、仕事以外の趣味でストレスを発散するよう心がけるようになりました。
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