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ノンフィクションの綿花からフィクションの糸を紡ぐ

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ちっちゃな日常から妄想を膨らませてモノガタリできたらいいなと。
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大きな穴に叫びたい

大きな穴に叫びたい

私の仕事は後方支援。
いつでもどこでもなんでもやりますよ,というのがモットー。

先週は12歳担当。4日続けて。
今週は7歳担当。たった1日だけど、12歳とは神経の使いようが違いすぎる。

それにしても自分のオールラウンダーぶりに笑えてくる。
考えてみたら今年度は全年齢に一度は対応してた。
これに通常業務もあるのだから、管理職からしたら、使い勝手の良いコマであろう。
同僚の悩みも聞き、困りごとには

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図工子

図工子

YouTubeに素敵なチャンネルがあります。

実は私も子どもたちと図画工作をしており、便宜上彼らは私のことを先生と呼びますが、私は美術専攻でもなんでもないのです。

ですから私は自分のことを図工子(ずこうし)と呼んでいます。図工人先生の信奉者とでも言いましょうか。

でもそろそろこの図工子生活も5年目になるので、いろいろわかって来たことがあります。

子どもたちって褒められるの大好きですよね。

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マスクを取ったら

マスクを取ったら

クルッと彼女が振り向いた。
写真を撮ろうとしたその刹那。

マスクをとっているのだ。

普段はみんなマスクをしているのに、記念に残る写真だから。

「あ、美人」
彼女は確かにそう言った。

一瞬驚いたが、悪い気はしない。
もちろん自分が美人とは自覚していないし、彼女も本心から言ったのではなかろう。

でもマスクを取っても美人ではありたい。

いやいや、見た目とか形ではなく。

心の美しさ。
笑顔の

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指輪

指輪

あなたと話しているとどうしても指輪に目がいってしまうんだよね。

え?それってどういう意味なのかしら?
意識してるってこと?なに?何?

好きって言ってしまったらみんなに変に思われるし、でも嫌いってわけでもないから。

そうなのかぁ。
きっと私とあなたの信頼関係がうまくいっているということですよね。

そう言うと彼はにっこりした。

よかった。
あなたを見守ってきたのは決して無駄ではなかった。

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