「夢の中で恋に落ちた」という曲
written by 赤須翔
CDのタイトルになったこの曲は
僕がよく見る夢を題材にしました。
ある女の子と二人でいて、お互いに恋をしている事を分かっている。初恋のようなピュアな甘い気持ちを感じている。
関係が始まったばかりのような新鮮さと、ずっと一緒だったかのような繋がりの深さもあり、お互いの考えや気持ちも全て分かってしまいそうな関係。
ただ一緒にいるだけで、嬉しくて楽しくて幸せ。
気持ちも高ぶってきて、これからなにか起こりそうなとってもいい場面で、目が覚める。
あんなに好きだったのに、まだ好きなのに、その子が誰だったのか、どんな顔だったかまるで思い出せない。もう会えない。
もしかしたら夢の中でその子は僕の事を待ってるかもしれない。さよならも言わず急に僕がいなくなって悲しんでるかもしれない。
でもずっと待っていてくれたらもしかしたらいつかまた会えるかもしれない。
ずっと目が覚めなかったらそれはそれで良かったのかな。この現実も覚めない夢みたいなもんなのかな。
というなんとも言えないせつなさや悲しさ甘美な気持ち。
を歌っています。
そんな内容をジャズスタンダードの「Everything Happens To Me」に、ほんの少し手を加えたコード進行の上に乗せてみた。
ジャズの人がよくやる手法なんだけど、僕は曲作りのときに、ジャズスタンダードのコード進行を抜き出して、新しいメロディをつける方法をたまに使う。
元々のゆったりとしたバラードのテンポをちょっとあげ、ギターはスウィンギーなカッティングにした。歌詞は全然違うし、キーを変えてメロディも最初の一音が同じなだけなので、世界観は別物になっている。
一つルールを設けることによって普段自分では作らない曲が出来て面白い。
というようなタネ明かしをすると、この曲はジャズスタンダードをアレンジした曲で作曲ではない、と思う人がいる。
でも個人的には自分にしか無い世界観を表現できた愛すべき曲を作る事ができたと思います。
あ、そうそう最後の大江ソロのパートは大江が作ってくれた僕には届かない夢の中のその子からのメッセージ。粋な曲だねぇ。
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