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⑦ 日本型雇用を調べ、女性の生きづらさの謎がとけた笛美。

前回、女性の地位がやたら高い異国の地で、衝撃を受けた笛美。


なぜ、こんなに日本と違うんだろう?

いろんな本を読み漁り、出会ったのが日本型雇用について書かれた本でした。

日本型雇用、終身雇用制度は、
専業主婦のいる男性を前提とした
働き方だということを知りました。

いや、知ってはいたのですが、
それと自分の人生が
ちゃんと繋がっていなかったのです。

男性が家庭を維持するのに必要な
家事、育児、介護などの
ケア労働を一切しなくていいようにして、
戦後日本の経済は安定し、
成長してきたのだそうです。

経験がないまっさらな新卒にとって、
人生をかけて在籍する会社はまるで家族。
上司は親、同期は兄弟のような強い絆が
生まれるとのことでした。

私が新卒で広告屋さんになれたのも、
パフォーマンスが悪かろうが
クビにならないのも、
終身雇用制度の恩恵を
受けているということでした。

80年代にできた男女雇用機会均等法は、
女性が男性と同じように、
専業主婦のいる男性と同じように、
働き続けることは認めたそうです。

ただ、専業主婦を前提にした
男性の働き方は変わらないため、
結局、女性は結婚・出産したら、
辞めるのは必然で経済力を失う流れになる。

それが原因となり
少子高齢化やシングルマザーの貧困が
起きているのだと。


さらに日本には儒教の考え方が
根付いており、
それが性別役割分担の定着に
大きな影響を及ぼしているということも
知りました。


・・・・ぜんぶ運命だったんかい。



私の運命は、この社会の構造の上に
敷かれたものだったんだ。

それを知った時に、
過去の記憶がフラッシュバックしてきました。

女の子らしくしなさいと言われてきた子供時代。
会社の人と家族になりたくて残業した新人時代。
女はどうせ辞めちゃうんでしょという言葉。
早く結婚出産しろという時限爆弾。
お母さんの自己犠牲を礼賛するCM。
男ってしょうがないよねCM。

全部、この男性中心社会を
維持するためだったんだ。

私は男性中心社会を維持するための
女の子マシン
として養成されてきたの?

自分らしく生きろとか、
いらん希望を吹き込まれて。

自分のことを男と同じ生き物だと、
愚かにも思い込んで。

男の人たちはそれを知っていながら、
私がいつか結婚や出産をしたりして
力尽き離脱していくのを
ただ見ているつもりだったの

30を超えて知るなんて、
あまりにも、あまりにも遅すぎました。

なぜこの社会の構造を疑うことをせず、
自分を責め、他の女性を見下してきたんだろう。

また、女性から経済力を奪うだけでなく、
性的な対象として支配し、
子供の頃から男性より劣った存在として
教育することが、
どれだけ女性の自尊心を傷つけ、
可能性を奪ってきた
のだろう。


気が遠くなるようでした。

黒歴史⑧ 長年の呪いが解け、やっと人生が動き出したっぽい笛美。