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都知事選を政治ビギナーがふり返ってみた

先月まで検察庁法改正案に貼り付いていたので、都知事選があることすら寝耳に水だった私。政治ビギナー目線で選挙の振り返りをして、今後についてゆるく考えたいと思う。

宇都宮けんじさんに会えてよかった

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今回の最も大きな収穫は、宇都宮けんじさんを知れたこと。困っている人のために反社会勢力と戦ったり、立場の違う議員さんたちを取りまとめたり、派遣村のような社会運動をしたり、法律まで変えて、6年も都議会を傍聴するという生き方は、純粋にすごいなと思った。弁護士ってそんな生き方ができるんだなと。立候補してくれてありがとう。選択肢をくれてありがとう。

#検察庁法改正案に抗議します デモについて演説で話す宇都宮さん↓

宇都宮さんの選挙での動きは、民主主義について考えさせるものだった。山本太郎さんの立候補する自由や、泡沫候補という言い方は好きじゃない発言だったり、テレビ討論を求める記者会見や、小池知事への公開質問状は、自分だけでなく民主主義のための行動だったような気がする。街宣の場所を告知しなかったのも、最後の街宣をコロナの感染防止のために中止したのも、あまりにも生真面目すぎてのう・・。

宇都宮さんの活動には、たくさんの当事者の声が出てきた。都内の様々な問題の当事者たちとZOOMや視察などで会話をしていたのがドキュメンタリーのようで印象的だった。さらにそれを街頭での演説に盛り込んで、内容をアップデートして行っていたので、他の候補者よりもファクトが強かったと思う。その姿勢はクリエイティブにも現れており、様々な当事者の人たちが主役になっているポスターが魅力的だった。

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宇都宮さんを応援する人たちは魅力的で強い言葉を持っている。作家の中島京子さん、石川優実さん、町田彩夏さんなど、女性の方々の応援演説がとてもよかった。フェミニストの人が選挙で応援に立ったのを人生ではじめて見た。

小池知事のこと

小池百合子さんについて、人生でここまで考えたことはなかった。「女帝 小池百合子」を読んで、自分とのあまりの類似性に衝撃を受け、1週間かけて感想文を書いた。変な話だけど、私は自分が小池さんに似ているから、弱い人の立場に立てる宇都宮さんを応援しているのかもしれない。たかまつななさんの、小池知事を知る人物と語る動画も面白かった。女性が男社会で生きること、小池さん以外の選択肢が私たちはまだ見つかっていないのかも知れないね。

NHKの開票速報で小池さんの資質についてのアンケート結果を見た。世の中には、「弱者への共感」や「都民目線」よりも、「発信力」と「リーダーシップ」を選ぶ人もいるのだ。でも小池さんを応援している人たちを見下すのではなく、理解することから始めたいと思った。

リアルでのお声がけ

Twitterでリーチできない人たちへのお声がけが肝心と思い、かなり意識的にリアルでのお声がけをした。友達をなくすかもしれない、変な人と思われるかもしれないと思ったが、意外にも私の周りには選挙に行く人が多く、声かけにもポジティブな反応をくれた。うつけん推しの人もいた。Twitterのフォロワーさん達も、コミュ力とクリエイティビティを発揮してリアルお声がけを実践していた。素晴らしいから、ぜひnoteを見てほしい。次の選挙でも参考になりそうだ。

選挙ボランティア初挑戦

今回はじめてうつけんさんの選挙ボランティアをしてみた。チラシは合計で1400枚くばった。証紙貼りやチラシ折りの作業もできた。選挙事務所には女性の方がたくさんいた。政治の世界に女性は入れないというが、ここにいるじゃないか!!もしも選挙ボランティアの女性の方たちが、議員や知事や大臣になれる日がきたらどんなにいいだろうね・・

選挙キャンペーンの難しさ

選挙キャンペーンの難しさについても考えさせられた。たった2週間で、テレビ討論もない中で、オンラインキャンペーンだけで都民が納得するくらいの議論を深めると言うのは、キャンペーンとして相当ハードルが高いのではないだろうか。期間も短すぎる。Netflix級のコンテンツの強さがないと、政治の情報なんて滅多に取りに来ないのではないだろうか?

宇都宮けんじさんの情報発信は手作り感があって、現場の人たちがとても頑張っていらっしゃったのが伝わってきた。ZOOMの動画配信の音声トラブルや、Twitterのアカウントやハッシュタグが分散していたことなど、次への改善点が見られた。現場視察も内容は素晴らしかったので、ドキュメンタリー番組のように分かりやすかったらよかったと思う。なんでも分かりやすければいいという問題ではないのは分かっているけど、働き盛りの有権者は忙しいため、長い動画を見る暇はないとかもしれない。うつけんさんの良さが伝わるように、自分でも動画に字幕をつけたりしてみた。

れいわの情報発信は良くできていたと思う。山本太郎さんが俳優であることを差し引いても、クリエイティブからメディアの使い方まで戦略的にできていたと思う。批判もあるのは知っているが、あくまで広告屋目線としては、政治を等身大の言葉で語っていたり、補償の金額を具体的に見せる政策は、政治ビギナーの方々を振り向かせる力があると思った。

私が特にいいと思ったのは、須藤元気さんが選挙ボランティアを体験する動画。選挙ボランティアの存在は政治ビギナーにとっては全く知られていない未知の世界。有名人の須藤さんがそれを体験する様子を見せるのは、政治参加に大いに意味があると思った。須藤さんのイメージアップにもつながる。

テレビってなんだろね・・・

私はテレビ業界の人たちはいい人たちだと知っているし、オリパラのために多くの会社の人たちが尽力していることも、アスリートの人たちが人生をかけていることも想像できる。でもまずは命あってのオリパラだとも思うし、民主主義の議論も大切だと思う。オリンピックは平和の祭典だからこそ、主催地が民主的で自由な都市であることも大切だと思う。私はそんなに変なことを言っているだろうか?

都知事選が終わって小池さんが圧勝した後になって、小池都政の問題をテレビが報じているのはなぜ?商品を買わせたあとになって、「たくさんのクレームが入っています」と明かしてるみたいだよ。反則じゃない?テレビで流れることや、周りが言ってることを真実だと思えた、あのころに戻りたいよ。デストピアみがすごい。

テレビが選挙のことを報じなかったけど、Twitterでは「 #都知事選の投票率を史上最大にしよう 」というハッシュタグで多くの芸能人の方々がつぶやいていた。つい最近まで政治のことを芸能人が発信するのはタブーだったのにすごい光景だった。ちなみに私もCLPで投票への呼びかけをさせていただいた。

Twitterの外へ、政治コミュニティの外へ

私はどこか特定の党を応援するためにTwitterでの活動をしているのではない。宇都宮さんVS山本さんとかそういうことでもない。女性にとって生きやすい社会にすることが最終目標だ。若い女性に私のような思いをしてほしくない。もし自民党が女性の権利向上に真剣に取り組むならば、喜んで投票すると思う。でも今のままでは変わる気がしないから、こうして発信を続けている。

社会が変わるには長い時間がかかるのだろう(遠い目)目の前の選挙に一喜一憂するのでなく、大きな流れで考えていきたい。たった一瞬しか流れない広告の企画が通るまで、長い長い時間がかかることがある。特に私は女性だから信頼を得られないことが多く、長い長い根回しをしないと企画は通らないし、信頼を積み重ねられない。そんなことには慣れているから大丈夫。いや慣れたくないんだけどさ。

#検察庁法改正案に抗議します デモ以来、国会を作業用BGMにするようになり、新聞までとるようになった。私みたいな政治に関心持ってる人は、日本人としてはマイノリティなんだろう。政治なんて関心がなかった自分を、いつまでも心の中に置いておきたい。そうしないと本当に伝えるべき相手を忘れてしまいそうだから。

Twitterの外へ、政治コミュニティの外へ、いま声が届いていない人へ、どうすれば声が届けられるんだろう?もし思いついたらコメント欄やTwitterで教えてほしいです。私はまずは選挙に行かなかった人の大規模調査を実施するべきだと思う。定量も定性も含めて。

最後に私が好きなフェミニストさんの言葉で締めたい。

もし行動した結果、社会が変わらなかったとしても、落ち込まないでください。あなた自身が変わったのだから。

あともちろん・・

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