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【短編小説】11.ゆらめく、あかり【その角を通り越して。】

前の話



「これくらい作れれば問題なかろう。
 そのうちばあさんを慕っていた者共がここを訪れる。
 仲良くしてやってくれ」

「ちょっと」

よくわからないけど、
そのドワーフは僕のお気に入りのソファーに
よいしょ と言いながら腰かけた。

「あぁ。懐かしいわい。覚えておらんか?
 ばあさんがここでろうそくを作っていた時のことを。
 おぬしも時折、来ておったろう」

「ここは一体…」

小さいころの記憶がよみがえる。

おばあちゃんの横顔。
ろうそくの揺らめく灯りに照らされた
少し怖いけど愛おしい思い出。

ここは何処なんだ。



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