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Barbanera-Toscana

書き始め


今回は近年Toscana州のワインを扱っているお店なら必ず置いてあるのでははないか?と思うほどに生産量が多く、また非常にハイクオリティなワインを世界に発信する生産者さんです。
今回は日本でもかなりの本数が動いているToscana州のBarbanera viniについて書いていこうと思います。

Cos'è il vino toscano???


Barbaneraの話に早速入りたいところですが、今回もまずはToscana州についてのお勉強からスタートしましょう。
トスカーナ州とは花の都と知られているフィレンツェを州都として持つイタリアの中でも知名度もかなり高いエリアです。
観光名所でもあるトスカーナ州ですが、ピエモンテ、ヴェネトに並ぶ赤ワインの産地としても有名です。

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日本ではバブル期以降、『イタリアワインの象徴』として良く知られるキャンティなどもこのトスカーナ州の原産ワインです。
また、他の銘醸地と同じく、様々な表情のD.O.C.Gを産出しますが、赤ワインのD.O.C.Gのその殆どがサンジョヴェーゼ主体で生産されるという特徴があります。有名D.O.C.Gはブルネッロ・ディ・モンタルチーノ/キャンティ/キャンティ・クラッシコ/ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ/ヴィーノ・ノビレ・モンテプルチアーノ等書ききれないほどあり、地酒として『スーパータスカン』もある産地です。

トスカーナ州のワイン造りの歴史


トスカーナ州のワイン生産の歴史は古く、14世紀辺りまで遡ります。ルネッサンス期を謳歌した貴族たちにより、トスカーナ州のワイン生産は花開いたと言われ、ピエモンテ州が単一品種主体なものが多いことに対してトスカーナ州はアッサンブラージュ主体で作られているのもこの貴族たちの好みが反映されていると言われています。
特に、歴史的功績が高い貴族はトスカーナの金融王メディチ家のコモジ三世です。この方は現在ではオーソドックスになった原産地保護を世界で初めて行った人物です。また、メディチ家の娘カテリーナがフランス王室(アンリ二世)へ嫁いだ際にフランス宮廷料理(現在のフランス料理)の基礎(調理理論や食事様式)が伝わったとされています。

CHIANTI

トスカーナ原産の銘醸ワインはあまりにも多く、このページだけだと書ききれませんので(大変なので書きたくない)今回はキャンティだけをざっくり書かせていただきます。

イタリアワインの象徴として知られるキャンティはトスカーナ州中央シエナとフィレンツェの間にあるキャンティ地方で生産されるワインで、広範囲な丘陵地帯で作られるキャンティはとても数が多く、また多くの生産者達が日々最高のワインを生産する世界的に人気のエリアです。
土壌は基本的に粘土と石灰の混ざった混在土壌です。

世界的に人気な”キャンティ”ですが皆様がご存知の通りキャンティとキャンティ・クラッシコと二つあります。
このワイン達の違いは簡単に説明すると下記の通りです。

Chianti :
元々あったキャンティで、その広大なエリア故に周辺の生産地もキャンティを名乗ることになってしまった。ワイン法としては同エリア原産のサンジョヴェーゼ種が75%以上であることを定められ、また、白ブドウの混醸も認められており、最低熟成期間4ヶ月、リゼルヴァは最低熟成期間26ヶ月でという規定になっています。極端な話、サンジョヴェーゼ75%:マルヴァージアビアンコ25%でもD.O.C.G Chiantiという名称で販売が可能です。

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Chianti Classico:
上記に記載した通りChiantiエリアでかなり幅を利かせてしまったために、老舗のメーカーなどがキャンティの威信を掛けて作り上げた生産エリアです。サンジョヴェーゼの使用割合は80%以上とされ、混醸は黒ブドウのみを使用可能とされ、最低熟成期間11ヶ月、リゼルヴァは最低熟成期間24ヶ月、さらに瓶内熟成3ヶ月(合計27ヶ月)とChiantiのそれとは全くの別物になります。

このように両者の特徴は明確に線引きされていますが、歴史的に自由な農作物を自由に栽培し、自給自足のようなスタイルで生活を営んでいた人々が住むという歴史背景も合わさり、『混醸』というスタイルが確立したわけです。

キャンティ × 混醸 というと名前を上げなくてはいけない重要な人物が一人いますね。それは『リカゾーリ男爵』です。それまでにあった製法である『ゴヴェルノ製法』を発展させて現在のキャンティ・クラッシコの基盤を作ったと言われています。

※ゴヴェルノ:干し葡萄状まで乾燥させ糖度の高くなった葡萄をすでに出来あがったワインに加え再びゆっくりと発酵させる製法で、サンジョヴェーゼ特有の酸味を軽減するために考案されたキャンティエリアの伝統製法。

現在のキャンティ・クラッシコはリカゾーリ男爵により、サンジョヴェーゼ特有の酸を果実味の豊富なカナイオーロ等を使用し、緩和する補助品種の使用を採用したスタイルになっています。

このようにトスカーナのエリアでは歴史的に自由な発想から生まれる逸品なワインが産出され、現在のワイン生産もその流れが色濃く出ている産地です。

Barbanera Vini

1938年からその歴史をスタートさせた比較的若めの生産者ですが、現在のワイナリーとしての規模はトスカーナ州でも屈指の大きさを誇ります。本拠地はチェトナ山の麓にあり、論理的(持続性)であり、近代的な技術を豊富に詰め込んだワインを生産する生産者です。
彼らは毎年数々のアワードを獲得し、中でも世界的に有名な『LUCA MORONI』や、『Decanter Wine Awards』等で常に上位のポイントを獲得する常連です。


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彼らのワインは伝統製法の上に先進的な技術を上乗せしたワインが数多くあります。
上記で記載したゴヴェルノ製法を使用したGOVERNOはまさに伝統そのものであり、このエリアに古くからある製法を忠実に反映したワインとなっています。


また、近年イタリア全土で流行しているアパッシメントを採用したワインを数々リリースしています。これは上記トスカーナの歴史でも記載した通り、ゴヴェルノ製法を積極的に他の品種にも採用するトスカーナの柔軟さが生んだ技術の応用です。
彼らのワインはエントリーレンジのワインから上級キュヴェのワインまでこの伝統的技術の応用が見られます。

現在、彼らはトスカーナ州だけではなく、イタリアの4州に畑を所有しており、イタリアの風土を表現することができます。
2019年に日本にも上陸した『Leggermente Appassite』のシリーズはボトルデザインも女性目線を意識したものとなっていながら、トスカーナの伝統を上乗せしたワインになっていて、プーリアとシチリアの個性豊かな品種にトスカーナの伝統と彼らの革新的な技術を用いてワイン生産を行っています。


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普段は飲食店への卸が主ですが、たまにセット販売で出してみると女性のお客様が喜んでくれて非常に嬉しく思っています。


あとがき



今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
ピエモンテに引き続き、トスカーナでしたので全然全て書ききれていません…
魅惑の北イタリアワインの世界(沼)へこの記事をきっかけに皆様にハマって頂けると井上は知らないところでニヤリとすることでしょう。是非ご家庭でもトスカーナのワインを手に取ってみてくださいませ。

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