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2023年10月の文蹟

今月は17冊読みました。先月と比べると半減しています。マンガの消化数が減って、哲学書を読み始めたことが原因だと思います。
来月もゆっくりきままに本を読んでいきたいと思います。斜線堂有紀さんの言うように、「楽しめる速度が最高速度」で「読書で頑張るひつようなんて無い」んですから。

今月の作家のことば
「楽しめる速度が最高速度である」

『読書のいずみ』176号

今月のスポットライト

『レプリカだって、恋をする』
KADOKAWA、榛名丼、ライトノベル:恋愛
オリジナルのドッペルゲンガーとして生まれ、道具として扱われた少女が恋をした。自分は代替物にすぎない。オリジナルの意向にそぐわない。そんな葛藤を乗りこえ、果たして彼女の思いは届くのか?
『現代思想入門』
講談社、千葉雅也、学術:哲学
現代思想の入り口はここから。入門書の入門書。デリダ、ドゥルーズ、フーコー。西洋の知の巨人をあざやかに解説します。構成が面白くて、通常ならば近代思想の前提を抑えてから現代思想に取り掛かると思います。ただ、本書は現代思想→近代思想という構成になっていて、それが逆にわかりやすくなっていた。個人的には、『寝ながら学べる構造主義』(内田樹)にまさるとも劣らない明快さ。年代的には『寝ながら~』が主に構造主義、本書がポスト・構造主義をメインに据えているので、両方読むのがオススメやで。


『ガヴリールドロップアウト』14

『心に、光を。』

『デリダ 脱構築と正義』

『追放された聖女ですが、実は国中から愛され過ぎてて怖いんですけど!?』1-3

『レプリカだって、恋をする』

なかなかおもしろい恋愛小説です。
【あらすじ】ある女の子から生まれた、姿かたちがまったく同じ少女A’が主人公です。二人は別の人格を持っているのですが、A'の彼女は、本物(オリジナル)の高校生の〈代わり〉としてイヤなことを引き受けるだけの存在になってしまっています。そんなA'がオリジナルの代わりに高校に行ったことを機に、男の子に恋をしてしまう。
本物の代替物として扱われてしまう少女の苦しさと、本物に認められたいと努力する健気さ。この2つの気持ちが渾然一体となっているからこそ、オリジナルとの関係性を修復できないというもどかしさ。そういった感情に振り回されて物語は展開していきます。この作者さんの作品は以前にも読んでいたのですが、文章力が格段に上がっていたことが一番驚愕でした。KADOKAWAの編集力なのか、筆者の努力の賜物なのかはわかりませんが、とても良かったです。

『自分のやりたいことを全部最速でかなえるメソッド 高速仕事術』

『無駄ゼロ、生産性を3倍にする 最速で仕事が終わる人の時短のワザ』

『ヨーロッパ思想入門』

 ある記事サイトで絶賛されていたが、それに耐えうるものでなかった。少なくとも哲学を聞き齧ったような人間には理解できないことが多すぎる。哲学用語を哲学で説明しないで!と言いたい。思想入門とか、岩波ジュニアと冠しているが、全然初学者向けにあらず。大学の「〜基礎」とか「〜概説」と同じ。優しい内容ではない。ただ、第一章のギリシア哲学は読み応えがあったし、これを知っているといないとでは西洋哲学の理解度に差が出ると思う(だからと言ってこれを読む必然性はなくて、時代ごとの哲学を扱った入門書を読むほうが,骨折りだけど実りあると思います。一冊の本ですべてを理解できると甘く思ってはいけませんでした。そんなに哲学は生優しくない。)
 ちなみにこの一冊を理解できたとしても、別の著者の本を読むことをお勧めします。というのも作者の思想や立場が明確に表れてしまっているからです。私が思うに、哲学とは先人の哲学者の〈解釈の歴史〉ですので、併読を繰り返すことは避けられないでしょう。

『マッキンゼーで学んだ速い仕事術』

『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』

『現代思想の冒険』

近代・現代思想の複雑さをうまく物語にら落とし込んでいる。確かにわかりにくいこと(語義の説明なしに用語が使われていたりする)もあるが、思想の大河を見渡すことができてよかったです。

『現代思想入門』

『これが現象学だ』

『ハイデガー=存在神秘の哲学』

『生の力を別の仕方で思考すること』







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