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生まれて初めて味の素スタジアムに行ってきました

 インターネッ友のびろすえさんが、東京ヴェルディ対ヴァンフォーレ甲府の試合のチケットをくれるというので、生まれて初めて味の素スタジアムに行くことになりました。J2リーグの試合で、キックオフは8月21日の日曜日18時です。当日の午前中は勉強をしました。午後に入ると少しのんびりしてから、15時くらいに自宅を出ました。大宮駅まで30分ほどウォーキングし、そこから湘南新宿ラインで新宿駅に向かいます。そのとき、電車の吊り革につかまりながら、持病のパニック障害の予期不安が出てきました。

 「もし今ここで頭がおかしくなって『うおー!』と叫んで暴れ出してしまったらどうしよう」と不安になり、その不安はなぜか「僕は今ここで『うおー!』と叫んで暴れ出さなければならない」という強迫観念を発生させ、「『うおー!』と叫んで暴れ出してしまったらどうしよう」という不安はさらに大きくなりました。僕は、混みあった電車の中で自分が「うおー!」と叫んで暴れ出している様子を想像し、震え上がりました。その恐ろしさによって、さらに不安は悪化し、パニック障害の発作が出る直前まで行きましたが、「大丈夫。大丈夫だから」と自分に何度も言い聞かせ、ぎりぎりのところで事なきを得ました。

 新宿駅に着いて、構内で少し迷いつつも京王線に乗りかえました。そして電車は調布駅に到着しました。そこでとりあえず降りた僕は、飛田給とびたきゅう駅を目指すわけだけれど、どの電車に乗ればいいのかよく分からなくて、東京ヴェルディのユニフォームを着た少年と同じ行動をとることにしました。鮮やかな緑色のユニフォームを着ている彼を視界に入れながら、僕は何となく、黒髪マッシュの黒マスクの男のことを考えました。マッチングアプリでそういうタイプの男が大活躍しているらしいことを、最近Twitterで知ったのです。もしかしてこの辺にそういう男がいたりしないだろうか? 僕はそう思って駅のホームで周りを見渡してみました。すると、右斜め前にそういう男がいました。髪型が黒髪マッシュで、黒いマスクをしています。確かにぱっと見イケメンに見えるし、その男は可愛らしい女の子を連れていました。2人はマッチングアプリで出会ったのかなあ、とか考えていると、ヴェルディのユニフォームを着た男の子がベンチから立ち上がってホームの端に立ったので、僕はしずしずとその斜め後ろに移動しました。

 各駅停車の電車が来ました。僕はヴェルディサポーターの少年にならってその電車に乗りました。そして2駅先の飛田給駅で少年が降りたので、僕もそれに続いて降りました。この駅の名前はなんて読むのかなあ、と疑問だったけれど、車掌さんが「とびたきゅう」と言っていたので「そのままかよ!」と心の中で突っ込みました。飛田給駅の改札を出ると、そこにはFC東京の装飾が大々的に施されていたので、「そうか、味の素スタジアムはFC東京のホームでもあったんだよな」と思いました。東京ヴェルディのポスターの選手たちは、少し申し訳なさそうに見えました。

 味の素スタジアムは飛田給駅から徒歩5分らしいので、歩いて向かいます。歩道にヴェルディユニを着た人たちの流れが出来ていたため、僕もその流れに乗りました。するとすぐに巨大な白っぽい物体が見えてきました。味の素スタジアムです。駅から非常に近いのはとても良いなと思いました。NACK5スタジアム大宮は、駅から20分くらい歩きますからね。「味の素スタジアム、めちゃくちゃでかい!」と感嘆しながらスマホで写真を撮りました。

味の素スタジアムを遠くから眺める

 入場口のところにたどり着いた僕は、「QRチケットでちゃんと入場できるだろうか?」という新しい不安にさいなまれ始めました。スマホのQRチケットで入場するのが生まれて初めてだったからです。僕はどきどきしながらQRチケットをスマホに表示させ、何食わぬ顔で係のお姉さんに近づいて行きました。係のお姉さんは慣れた手つきで機械をスマホに近づけます。ピロン♪という軽快な音がなり、僕はどうやら関門を切り抜けました。ホッと胸をなでおろした僕は、ヴェルディのステッカーとうちわを受け取り、近くのベンチに座りました。

入口を入ったところで上を見上げる
東京ヴェルディの選手たち
東京ヴェルディのうちわとステッカー

 僕は大宮アルディージャのサポーターだからどちらを応援するべきか迷っていたけれど、ホームチームを応援するのがサッカー観戦の定石であり、ヴェルディのグッズを受け取ってもいるので、東京ヴェルディを応援することに心を決めました。僕のチケットはバックスタンドの自由席だったから、そちらに向かって歩き出したわけですが、なかなか着きません。味の素スタジアムの大きさに改めて驚きつつも、まだ時間はあるのでゆっくりと歩みを進めます。

 やっとバックスタンドの辺りに到着すると、どこの席を確保するべきか?という問題が現れました。インターネッ友のびろすえさんから、「仕事で遅れるから、もしよければ私の席も取っておいてください」と頼まれていたため、びろすえさんのためにも良い席を確保しなければなりませんでした。ふちりんのサッカー観戦のセンスが問われます。びろすえさんによると、「15列以降だと屋根があるから雨が降っても濡れない」とのこと。天気予報では、雨の降る可能性はそれなりにありました。空の雲行きを見ても、降らないと断言することはできません。そこで僕は20列目の真ん中らへんの席に座りました。

バックスタンド1階20列目からの眺め

 自分の席の隣には、場所取りのためにかばんを置きました。ここなら高さもあってピッチが見やすいし、雨に濡れることもありません。少し遠いことだけが難点でした。味の素スタジアムはやはり大きく、圧倒されました。とりあえずピッチの写真を撮って身体を休めていると、両チームの応援が始まりました。この日は一部の席で声出し応援が可能だったので、太鼓の音とともに迫力ある声が響いてきました。その音と声を聞いていたら、迫力に圧倒されてしまってまただんだん予期不安が出てきました。僕は大きな音がすると不安になってしまいがちなのです。「もうその応援やめてくれ~! 頭がおかしくなっちゃうよお!」と思ってしまいました。サポーターの皆さんは何も悪くないのに、すみません。応援による予期不安に耐えながら、ふと前方を見ると、そこには女がいました。スタイル抜群の女です。水着みたいなセクシーな衣装を身に付けています。僕は「うおー! 女だ!」と興奮しました。

 「東京ヴェルディは羨ましいなあ。こんな素敵な女たちがいて。大宮アルディージャにはいないよ。そのうち大宮にも応援ガールたちが結成されたらいいのになあ」と思いました。でもそのセクシーガールは、バックスタンドでのんびりしてる客たちの前で、ものすごくキビキビしたダンスを踊るので、何だか恥ずかしくなってきて目をそらしました。仕事をするってことは、大変なことなんだなと改めて思いました。

 キックオフの時間である18時が近づいてくると、両チームのメンバー紹介が行われました。そして元大宮の選手が3人いることに気付きました。東京ヴェルディに山越選手、ヴァンフォーレ甲府に石川選手と山田選手。「懐かしいなあ。観るのがさらに楽しみになってきたぞ!」と思いました。他の選手はよく知らなかったので、DAZNで予習してくれば良かったなあと後悔しました。せっかくこないだお高い年間契約料を払ったのだから(2万7千円!)、できるだけ利用するべきなのです。

前半キックオフの場面

 いよいよ試合が始まると、時間はあっという間に経ちました。それほど白熱した面白い試合でした。NACK5スタジアム大宮と違ってサッカー専用スタジアムじゃないから、トラックがあって少し遠かったけど、選んだ席が良かったので見やすかったです。あとから来たびろすえさんも「良い席ですね! ありがとうございます!」と喜んでいてホッとしました。試合は東京ヴェルディが優勢に進めながらも0-0の引き分けだったけれど、非常に胸が熱くなったし、元大宮の選手の元気な姿を見られてよかったです。試合後、びろすえさんが後ろの席のお客さんにお願いして、記念写真を撮ってもらいました。びろすえさんコミュ力高い!と思いました。僕は引っ込み思案なので、どんな場面でも自撮りをすることしかできません。

びろすえさんとふちりん

 そのあと、びろすえさんと一緒に飛田給駅前のすき家に行きました。そのすき家は完全にFC東京色に染められていました。そのため東京ヴェルディのサポーターは入る気がしないのか、わりにすいていました。僕は牛丼と瓶ビールを頼みました。尿酸値が高くてビールは控えている身だけど、まあたまにはいいかと思いまして。

FC東京色に染まったすき家にて

 びろすえさんはキラキラした目で僕を見て、「ふちりんさんはすごいですよ!」とめちゃくちゃ褒めてくれたので自己肯定感が爆上がりしました。「常にブログやYouTubeでプレイヤーとして生きているところがすごいです」と言われて、「そう言われてみれば僕は、プレイヤーとしてけっこう頑張っているよな」と思いました。最近いろんなことが上手くいかなくて、自分に自信が持てていなかったから、とても嬉しかったです。これからもプレイヤーとして、noteやYouTubeを頑張っていこうと思いました。

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ふちりん
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