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春イベント ▷ 屋根裏

閲覧ありがとうございます、【花時雨の微睡みに、屋根裏部屋で。】オーナーの由眞です。うわあこの書き出し久しぶり過ぎて感動する( )

僕は夜勤族なので、出勤時は日が沈んだ頃、帰りは早朝と、3月も終わりと言っても体感的にはまだまだ寒いです。予期せぬ残業で朝の通勤ピークを越えた辺りに帰宅すると、さすがに日当たりも良くて、ネックウォーマーは外してしまいたくなる。家の目の前にある桜はまだ咲く気配はありませんが、街路樹の梅がほろほろと咲き始めたので、春もすぐそこなのかなと。暖かくなったらまた、近くの遊水池にパン屋さんの美味しいパンを持って、おひとり様ピクニックしたいなあ。

 

▒ 春イベント
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さて、学生時代の春の3大イベントと言えば、そう、進学・入学式・卒業式ですよね(独断と偏見)

僕の地元は子供が少ない地域で、今やその小学校は近くの別の小学校と統合され、建物自体は老人ホームになり、僕の実家周辺、2階の窓から見渡せる範囲内に老人ホームが三件並ぶほど高齢化が進んでいます。
1クラス20人、1学年2クラス編成のこじんまりとした小学校でした。進学することでクラス替えのわくわく感を体験したのは中学生になってからだったので、何の変哲もない顔馴染みのメンバー、1年から6年まで変わることのなかった2組の生徒。
そのままスライドで皆同じ中学校に進むので、卒業式に思うことは特に何もなかったし、なんなら、入学式と卒業式は(幼稚園も同じく)門の前で必ず記念と称して父親に写真を撮られる、笑顔を強要されるのが嫌で嫌で堪らなかった。

中学で1クラス30人、1学年6クラスという、多分中学校としては普通規模なんだろうけど、それまで少人数に慣れていた僕は戸惑いを隠せず絵に描いたようなコミュ障を発揮しつつも、小学校時代からずっと仲良くしてくれていた親友の存在のお陰で、一人が好きでも独りにはならない、自由奔放な学校生活を過ごすことが出来ました。
卒業式では、みんなが泣いたり笑ったり、ハグしたり写真撮ったり、思い思いの惜しみ方を、その様子を一歩離れた所から見守っていました。寂しくないと言ったら嘘になるけど、涙を流すほど悲しくはなくて、僕はただ、裏門の池の横に立つ満開の桜の花弁が、強い風で吹き乱れて、そのピンクと校舎のアイボリーのコントラストが、とても美しいなあ、と眺めていたのを、今でもよく思い出します。

離れることを知りながら過ごした三年間に、惜しむことは何も無いと、斜に構えていたのは若さ故、だろうか。
この時から既に、いやもっと前から、大多数の共感に賛同出来ない個性だったと思う。

でも、だからこそ、これをお題に選んだ気がする。
あの日あの時の景色を、記憶のひとひらを、溢れる感情の名前を教えて欲しい。

 

◇◇◇

 

大人になってからは、春に限らず、自分の意思とは関係なしに訪れるイベントが減った。周りが動き出して、ああ、もうそんな季節だっけ、という気付き方が多い。スーパーで働いていた頃は毎月何かにつけてイベントを追い掛けていたので目まぐるしかったんだけど、今は精々繁忙期かどうかぐらいなので、気持ちは楽だ。イベント自体は嫌いではないので、無心でカレンダーの日付を締めて行く日々の中で送られてくる気持ちには、大変有難いと思っている。
春頃は繁忙期も終わって、時短クルーが増えるから、生活にほんの少しゆとりが出来る。双子ちゃんを誘ってイベント発生させるのも、多分この頃からだ。
早朝、車を出して買い物に行った先で、予定にない苺を手に取った。小さい頃よく母の元で、苺をフォークで潰して、牛乳とたっぷりの砂糖をかけて食べていたことを思い出す。苺をフォークで潰すのは結構力が要るのでそれだけは嫌いだったけど、苺の赤と牛乳の白が混ざり合った瞬間の柔らかいピンク色を見て絵の具のようだなと思っていた。苺は潰し過ぎず、噛み応えがある程度に果肉を残すのが好きだ。そのままでも、練乳をかけて頂くのも。苺ならいくらでも食べられる、と根拠のない自信が芽生えるほどに。
そんなことを、日勤の現場、恐らく傷んでいたかなにかで棄てられている苺のパックを見下ろしながら巡らせていた。

また、 いちご狩りに行かなくちゃ。

 

◇◇◇

 

うちの支社に異動して来て2年程の社員さんが、4月から仙台に異動するらしい。かく言う僕も、4月の中旬から動き出す、予定。良い報告が出来ますように。

春は、穏やかに見えて、静かな激動の季節だね。

それではまた、花時雨の微睡みに、屋根裏部屋でお喋りをしよう。オーナーの由眞がお送りしました。


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