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【読書メモ#9】武器になる哲学 山口周(著)

こんにちは!

今回は山口周さんの著書『武器になる哲学』について、
私の心に残ったことを以下に書いていきたいと思います。

本書ではビジネスパーソンにとって強力な武器となる哲学を
「人」「組織」「社会」「思考」という4つの側面から教えてくれます。

私自身、元々"哲学"にあまり興味がなかったのですが、
本書では現代でも「使える」哲学をわかりやすく抜粋しているので
とても読みやすい本です!

■読もうと思ったきっかけ

本書を読もうと思ったのは、
・以前、”Kindle Unlimited”の対象に含まれていたことと
・”山口周さん”を元々Twitterを通して存じ上げていたこと

の2点がきっかけです。

山口さんは電通や外資系コンサル会社を経て、
現在は研究者・著作家・パブリックスピーカーとしてご活躍されています。

私は以前から山口さんのTwitterアカウントをフォローしており、
現在の社会問題などを独自の視点で鋭く捉える
山口さんの考え方が好きで、本書を読むきっかけにもなりました。

■【メモ①】哲学を学ぶ効用とは?

山口さんは本書の中で、
哲学を学ぶことで得られる最大の効用

いまなにが起きているかを深く洞察するためのヒントを手に入れること

と説いています。

初代ドイツ帝国の宰相ビスマルクは
「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」
という言葉を残していますが、
”哲学”は、その時代に生きた人(昔の人々)が、
悩みや課題を解決するためにたどり着いた解である
ため、
先の読めない"VUCA"とも呼ばれる現代だからこそ、
歴史から学び、生きる方向を考えるために、哲学は最適である

本書では説明しています。

■【メモ②】人の行動を変えさせるにはどうすればいいのか?

上司や部下など、
誰かの行動を変えさせたいという考えたとき、どうすればよいのか?

前回書いた「【読書メモ#8】人を動かす Dカーネギー(著)」
とも重複しそうな内容ですが、
本書では、

人の行動を本当の意味で変えさせようと思うのであれば、「説得よりは納得、納得よりは共感」が求められる。

と説いています。

人を動かす重要な3要素として
哲学者アリストテレスは著書『弁論術』にて
「ロゴス」:ロジック(論理)
「エトス」:エシックス(倫理・道徳)
「パトス」:パッション(情熱)

の3つを挙げています。

要するに「ロジカルで」、「人として正しく」、「情熱的」なものが
人を動かす(共感を得る)3要素になる
のだそうです。

■【メモ③】「無批判」という恐ろしさについて

悪とはシステムを無批判に受け入れること
by ハンナ・アーレント

アウシュヴィッツ収容所の元所長で
アドルフ・アイヒマンという人物がいます。
彼は、ユダヤ人の大量虐殺計画において
600万人を殺害する効率的なシステム構築行ったため、
戦後は絞首刑に処されることになります。

このとき連行されたアイヒマンの風貌を見て、
関係者は彼が小柄で気の弱そうな「普通の人」であったことに
大きなショックを受けたそうです。
彼にはユダヤ人への憎悪があったわけではなく、
ただ単に上の命令に従っただけとのこと。

この一連をアメリカの哲学者ハンナ・アーレントは自身の著書で
『悪の陳腐さ』という表現を残しています。

自分の考えを持たず、「思考停止」し、
上の命令にただただ従うことが
いかに恐ろしいことかを物語っています。

■【メモ④】アメでもムチでもなく、挑戦が許される風土が大事

心理学者のエドワード・デシは
予告された報酬は、人間の創造的な問題解決能力を毀損すると説いてます。

1950年代に心理学者カール・ドゥンカーが提示した「ろうそく問題」。
テーブルの上にろうそくが垂れないように
ろうそくを壁につける方法を考えてほしいと問題を出し、
「早く解けた人には報酬をあげる」と予告する人と予告しない人にわけて
アイデアが出るまでの時間を比較する実験を行ったところ、
「報酬を与えると予告した」人の方が、
アイデアを得るまでの時間が際立って長かった
そうです。

山口さんは、人が創造性を発揮してリスクを冒すためには
「アメ」も「ムチ」も有効でなく、

そのような挑戦が許される風土が必要と説いています。
更にそのような風土の中で人があえてリスクを冒すのは、
「アメ」が欲しいからではなく、「ムチ」が怖いからでもなく

ただ単に自分がそうしたいからということのこと。

「アメ」や「ムチ」よりも
「内発的な動機」が重要であることを改めて認識しました。

■まとめ

今回ご紹介した私のメモですが、
これらは本書にある4つの章のうち
第1章までに書いてある、ほんの一部の内容となります。
(まだまだたくさんメモを残していますが、
 かなり長文になるので割愛します。。)

山口周さんの本は、
他にも何冊か読ませて頂いているので
またこちらで読書メモ書きたいなと考えています。

今回も長文読んで頂き、有難うございました。



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