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なぁーんにもしたくない「とき」だってあるさ、子どもにだってね。

#20230611-133

2023年6月11日(日)
 麺類が好きなノコ(娘小4)にとって、嫌いな献立ではないと思う。
 ミートソースパスタにサラダが今夜の献立。
 でも、「ご飯だよ」と声を掛けてもノコは食卓につかない。ソファーに寝そべっている。
 「具合が悪いの?」
 「お腹空いてないの?」
 そう問うと、立ち上がって熱をはかるが平熱らしく首を横に振る。何も喋らず。
 「食べたくないの?」
 またソファーに横になったまま、首を横に振る。
 らちがあかない。
 具合が悪いのならソファーでぐずぐずせずに早く寝ればいいし、食べたくないのなら無理に食べることもない。お風呂に入って寝ればいい。
 どこも悪くなく、ただ大好きなTVが見たいのなら、それこそ早く食べてお風呂に入れば、20時まではノコが好きな番組を見られる。
 家族がそろっているときは、皆で食事を取りたいが動かない、返事をしないノコをいつまでも待っていられない。
 「何でもないのなら、一緒に食べよう。ほら、冷めちゃうよ」
 ちろりとこちらを見たが、クッションに顔をうずめたので、私も諦める。
 「お先にいただくね」
 いただきますと手を合わせ、箸を手に取った。

 私とむーくん(夫)が食べ終えるあたりでもう一度ノコに声を掛ける。
 「さすがに、今、食べはじめないとTV見られなくなるよ?」
 途端、ノコが起き上がり、目をキラキラさせて「TV~!」とはしゃぎ、食べはじめた。食べはじめれば、ミートソースがもっとほしいとおかわりする。口にして、やっと自分の空腹度合いがわかるのだろうか。
 食後はすぐに浴室へ向かい、19時15分には風呂から出てきた。
 明日の学校の準備を済ませれば、20時まで30分番組1本は見られる。
 ここまできて、ノコは今日100円均一ショップで買ったおもちゃで遊びはじめた。ラーメンのおもちゃで、小さな丼におもちゃの麺や具材を盛り付けては、ぷつぷつ独り言をいいながら、付属の短いお箸で食べる真似をする。
 楽しそうなので、それはそれでいいが、TVはいいのだろうか。
 「TV見られなくなるよ?」
 一応念を押すがノコは聞こえているのか、いないのか、ラーメンごっこをやめない。
 別にTVを見てほしいわけではないので、私はTVだろうが、ラーメンごっこだろうが、どっちでもいいのだが、戸惑ってしまう。

 あんなに「TV~!」と踊るほどだったのに、見なくていいのだろうか。
 さっきまで食べようとしなかったのは、どうしてなのだろうか。
 目の前のことしか考えていないのだろうか。
 いったい何がしたいんだろう。
 もうホント、訳がわからない。

 もしかしたら。
 ただなぁーんにもしたくなくて。
 返事するのも、食べるのも、その理由を考えるのも。
 ぜーんぶ全部したくなくて。 
 そんな「とき」だったのかもしれない。
 ふとそう思う。
 小学生って結構忙しい。
 いろんなことが急に億劫になるときがあっても不思議じゃない。
 大人だって、そんなときがあるのに、子どもにばかり理由を求めちゃいけないな。

 具合が悪いわけじゃないのなら、それでよし、か。

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