2023ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム!
#20231105-281
2023年11月5日(日)
「Allez allez!!」
ノコ(娘小4)が叫んでいる。
フランス語で「行け!」と選手を応援する言葉で、自転車レースでよく使われている。
今日はノコの習い事の後、家族3人でさいたま新都心駅へ向かった。
「2023 ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」が開催されるのだ!
自転車レースをよく知らない人でもTour de Franceは耳にしたことがあるのではないだろうか。毎年初夏にフランスで開催されている世界最高峰の自転車プロロードレースで、フランスを一周するように市街地から山岳までと多彩なコースを走る。
今日のレースは、そんなツール・ド・フランスの名を冠した国内唯一の大会だ。
国内外のトップライダーの走りを身近で間近に見られる機会はそうない。
私たち夫婦は、自転車の走行会で知り合った。
独身時代、夫であるむーくんは休日になれば自転車に乗りまくりの鍛えまくりのレースに出場しまくり日々だった。家の玄関には、当時むーくんが獲得したレースの金メダルがずらりと飾ってある。アマチュアレースとはいえ、金は金だ。
レースは事故がつきもので、ゴール間際の競り合いで自転車同士が接触し、転倒、骨折。むーくんも経験している。結婚を機にレースへの出場は辞めてくれたが、職場通勤をはじめ、むーくんはほぼ毎日乗っている。
夫婦二人暮らしのときは、休日になればツーリングに出掛けていたが、ノコが我が家に来てからは遠のいている。それでも、街乗り自転車や今や買い出し用になった電動アシスト付き自転車よりも自分の体に合ったロードバイクが私には一番乗り心地がよい。あの軽さはたまらない。
さいたま新都心駅は人であふれ、どこで観戦するか悩んでしまう。
混雑しているなか、ウロウロ場所探しをするとノコから苦情が出そうだ。むーくんが1人で徘徊し、よい場所を見付けてくれたので、そこに向かう。
なんとか14:55開始のメインレースには間に合った。
1周約3.5kmのコースを17周する。
さいたまスーパーアリーナ内もコースの一部になっている。
子どもがハンドクラッカーを打ち鳴らしている。パンパンパンと張った音がビルの間に響く。選手の名前が入った黄色いオフィシャルグッズのタオルを広げている人、手作りであろう選手名が書いてあるキラキラ光る房飾りがついた団扇を振る人、スマートフォンではなく、本格的な長い望遠ズームレンズをつけたカメラを構える人。
背後では警備員たちが柵に寄りかからないよう叫んでいる。
イオンレイクタウンなど数ヶ所パブリックビューイングも用意されているが、やはり目の前で見たい。特にノコには、選手の走り、お祭り的な会場の雰囲気を味わってほしい。
大人なら見やすい位置だが、ノコは甘えもあってか、むーくんに「パパ、抱っこして」を連呼する。小柄だが小学4年生だ。むーくんだって、ずっとは抱えてはいられない。
先導するバイク、自動車、カメラマンを乗せたバイク…… むーくんがノコを抱きあげる。先頭の選手が走り抜け、少し離れて集団が目の前を通過していく。
ノコがむーくんに教わった言葉を叫ぶ。
「Allez allez!!」
選手を目で追うノコが勢いよく首を振ると、結った髪がむーくんの顔面を直撃する。
「痛ッてぇ、ノコ、頭振るな!」
そのやりとりが選手が通過する度に繰り返された。
自転車レースはチーム戦だ。
ときに敵対する選手とも協力して走る。集団で走ったり、そこから抜け出たり、また集団に吸収されたり。競い合っている相手とレース中に相談したりするのが面白い。
レースが終われば、コース沿いにたくさんいる人たちが駅に向かう。
子連れでのイベントは、まずは美味しいところだけ体験させて、混雑を避けたほうがいい思い出になる。
17周のうち、残り数周を残して、私たちはその場を離れた。
「おやつ食べたぁーい!」
甘いものを求めてキョロキョロするノコに応えるべく、駅へ向かう。
飲食店のブースが並ぶさいたままるしぇや自転車関連の展示販売しているサイクルフェスタをまわってこそのイベントかもしれないが、ノコが楽しく帰るのがなにより大事。
自転車にいい感情を抱いてくれれば、それで目的達成なのだ!
この記事が参加している募集
サポートしてくださると、嬉しいです。いただいたサポートは、ありがたく私の「充電」に使わせていただきます。うふふ♪