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今日の一本 ~3月のライオン~

写真は隅田川(大川)の風景。3月のライオン(前/後編)の
舞台である。映画の撮影場所よりやや上流で、高層マンション
などが立ち並んでいるにも関わらず、流域は「江戸の風情」
が色濃く残っているのが不思議である。

映画館ではなく、BSで視聴。全く前提知識はなく(将棋が
テーマとも知らずに)、番組表のタイトルだけ見て、「これは
絶対面白い」、とピンと来た。案の定、大収穫!原作の漫画
にも手を伸ばしてしまった。

ストーリー他は以下のサイトなどで紹介されているので、
違った観点で魅力を語ってみたい。
https://www.asmik-ace.co.jp/lineup/951

まず、配役。
神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、清原果耶、
佐々木蔵之介、加瀬亮 ・・・伊藤英明、豊川悦司
メインキャストだけでも書ききれないので上記サイトを参照
いただきたい。よくこれだけ個性あふれる芸達者の面子を
揃えたものである。原作の雰囲気も良く伝えている。
漫画→実写は、下手をすると「見てガッカリ」、という
パターンに陥りがちであるが、この作品は成功例の典型では
ないかと思う。特に、佐々木蔵之介は、漫画の作者が俳優
本人をイメージしてキャラ設定をした、と公言しているだけ
のことはあり、彼のシーンだけでも見る価値がある。

次に迫力。
「将棋」というある意味特殊で制約が多いテーマ設定だけに
漫画制作の段階からプロ棋士、先崎九段が将棋監修に当って
おり、コミック単行本ではコラムも担当している。対局の
棋譜としても、漫画のそれぞれの局面を相当忠実に表現
しているらしい。映画の対局場面も素晴らしく、伊藤英明の
相手を睨み殺すようなワルっぽい迫力や、佐々木蔵之介の
(役の)名セリフ、「生きてるって気がするぜぇ」には
痺れた。

さらに下町の風情。
主な対局の舞台である将棋会館は千駄ヶ谷にあるが、主人公や
アナザーストーリーとして、3姉妹との交流を描く舞台は、
月島や佃の辺りの情緒ある街並み。主人公が泥酔している
ところを3姉妹の長女が介抱するシーンは恐らく西仲通り
(月島もんじゃストリート)の入り口である。

ところで、優れた漫画を創造すると、大きなビジネスモデル
につながる、ことをご存じだろうか。今回の作品では、

漫画(連載)→単行本化→アニメ化→実写映画

というパターンだが、これに、実写ドラマ、ノベライズ、
グッズなどの派生を生むケースも多い。一粒でどれだけ
美味しいのだ、という話である。別のパターンに、「絵本」
があり、これは読者を世界が再生産してくれる、という
少し違ったビジネスモデルとなるが、どちらも本当に優れた
モノを生み出すには、テクニックだけではなく持って生まれた
才能と何かを表現する情熱の両者が必要なことは言うまでも
ない。

いずれにせよ、前編・後編とも見ごたえがあり、おうち時間
を楽しく過ごせること請け合いの一本である。

お茶うがいの輪を広げてコロナを収束させたい!
https://note.com/from_free/n/nb68b68135e9e
https://note.com/from_free/n/n98097eb72720


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