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虫は宇宙から来た生命体か?

 皆さんは聞いたことがあるだろうか。”我々と共存している「虫」は実は我々人類を含む地球上の生命とは起源を同一にしない地球外生命体である”という説を。
 本日は、かつて生命科学分野で研究者を志していた筆者が超ザックリと解説したいと思う。

<虫の奇妙なところ>

 まず、虫の起源が地球外生命体であるという根拠として、一般的に挙げられるのは以下のようなものだ。

①虫は外骨格
 人間を含む全ての脊椎動物は、1本の背骨を中心とした骨格だが、昆虫は外側の固い殻(外骨格)で構成されている。

②虫は単眼と複眼
 人間を含む脊椎動物は、2つの目を持つが、昆虫は単眼と複眼を持つ。

③虫は変態する
 一部の昆虫は、幼虫がサナギになって羽化するといった「変態」が見られるが、このような成長過程をとげる生物は、昆虫以外に地球上に存在しない。

 その他にも、血液循環系も解放循環という人間とは大きく異なったシステムを採用していることや、極限環境で生きるクマムシなどのように特殊な生態を持つことなど、奇妙な点がいっぱいだ。

<逆に、虫と我々の何が同じなのか。決定的理由>

 ここまでご覧になって、「虫は地球外生命体説」には納得でしょうか。「そもそも見た目が結構グロテスク」なのも何となく腑に落ちますよね。

 ここからは反対に、虫が他の生命とともに地球で進化してきた証拠を挙げます。以下が、虫とその他も地球上の生物の共通点です。

①DNAに遺伝子をのせて子孫を増やす 
 これは地球上の全生物とウィルス(定義上は非生物)すべてに共通することです。複雑な仕組みなので、このシステムが奇跡的に地球外でも生まれて、地球に侵入してくるというのは相当な奇跡です。なお、コロナウィルスなどはDNAではなくRNAウィルスですが、超ざっくりいうと仕組みは似たようなものです。

②体内でDNAからタンパク質を全自動で作り出す仕組み
 これも先ほどと同じで、全生物とウィルスすべてに共通します。ものすごく簡単に言うと、虫も人間も分子レベルで見ると超精密ロボットです。体の中のいろんな種類の歯車(タンパク質)をDNAという設計図から全自動で作り出すというものすごく複雑な仕組み。虫も人間も同じ仕組みなんです。

③体の組成が地球表面にある元素からできている
 地球上の生命体は炭素やカルシウム、マグネシウム、リンなどから構成されています。これは、身近にそういう栄養素(元素)が豊富にあるからそれを使う仕組みになったんですね。虫も例外ではありません。逆に、隕石などに入っている地球ではレアな元素からできている生物がいれば、地球外から来た可能性が高いでしょう。

<結論。虫、絶対に地球生まれ>

 いかがでしたでしょうか。複眼や変態など、いろいろな違いはありましたが、根本的な生命のシステムであるDNAの仕組みや体の組成が、他の生命と全く同じということから、我々とともに虫は地球で進化してきた可能性が高いと言えるでしょう。いろいろ変わったところもあるけれど、実は些細な違いだったんです。見た目がちょっとグロテスクと思っていた人も、明日からは同志だと思ってやさしくしてあげましょうね。

カエル

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