「一瞬先」を見たことはありますか？

日本シリーズ第5戦、オリックス吉田選手のサヨナラホームラン。文字通り劇的。

ヤクルトの守護神マクガフの投げた2球目は、まるで吉田の求める位置に吸い込まれていくように緩やかな曲線軌道を描く。吉田会心のスイング。集中力とかすごいんだろうな。

そのシーンを見て思い出したことがある。

2000年ころ、当時流行ってたフットサルに興じていた。俺はサッカー経験もなくチームの戦力にはとてもなれなかったが、まあお遊びって感じでコートを駆け回っていた。ゼイゼイいいながら。

ゴールってなかなか決まらないんだ。蹴ったボールは思ったところに飛んでいかないし、動きの中で仲間から出されたパスに追いつけないし。

その瞬間は突然やってきた。

いつものようにゼイゼイいいつつ、だけど今日こそゴール決めるぞって右サイドを駆け上がる。経験豊富なチームメイトが、さあどうぞお決めくださいって感じでパスをくれた。

あ、これ入るわ、と確信した。確信というか、パスに対して右足をこう出せばゴールのあの位置にこんな風にボールが飛んでいくって映像がハッキリ見えた。現実よりほんの一瞬早く。予知夢のような感じ。

予知夢の通りに右足を出したらうまいことインサイドキックになってゴール！　ノートラップ、ダイレクト。

一瞬先を見たのはそれが最後かな。ギター弾いて遊んでるとき勝手に手が動くような感覚もあるけど、それもちょっと近いかな。ギターの場合は映像じゃないので違うか。導かれる感じは共通で。

吉田にインタビューしてみたいな。どんな感じだったんだろう。