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【小説】時に刻まれる愛

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大富豪の父が謎の失踪を遂げた。 それから、約10年。 主人公、伊月野 拓実(いつきの たくみ)は、爺やから手紙を渡される。 謎めいたその手紙には、父からの本当のメッセージが…
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記事一覧

【時に刻まれる愛:1-1】悪夢

▼全編マガジンで公開中▼ 呼びかける声『こら、拓実。  そんなに遠くまで走ったら、危ない…

【時に刻まれる愛:1-2】退屈

▼全編マガジンで公開中▼ 孤独の天才小学校に行かない日々が続いたものの、実のところ、ボク…

【時に刻まれる愛:1-3】失踪の経緯

▼全編マガジンで公開中▼ 不揃いな名前食卓に向かう途中で、ボクは爺やに聞いた。 「ねぇ、…

【時に刻まれる愛:1-4】孤独の極地

▼全編マガジンで公開中▼ 母のスープ敷地内の森を父と走り回って家に帰ると、母はいつもスー…

【時に刻まれる愛:1-5】爺やの仕事

▼全編マガジンで公開中▼ 二人の生活母が入院し、爺やと二人の生活が始まった。 最初は少し…

【時に刻まれる愛:1-6】バースデーイブ

▼全編マガジンで公開中▼ 20歳を前にその日、大学から家に帰ると、いつにも増して家の中が綺…

【時に刻まれる愛:1-7】決意

▼全編マガジンで公開中▼ 推理それにしても驚いた。 ボクが20歳になったら、父の、お城のような邸宅を、ボクに譲ることになっていたなんて。 いや、おそらく最初からそう決まっていたわけじゃない。 当然だ。 それを決めたのは、父が、自分の身に何が起きるのかがはっきりと分かって、覚悟した後なのだろう。 つまり、de・hat社に父が開発した薬の存在を揉み消された後だ。 人類から死の悲しみを消し去る希望の薬。hopeという名の薬。 その存在をde・hat社は揉み消した。

【時に刻まれる愛:1-8】父からの贈り物

▼全編マガジンで公開中▼ 裏側爺やと、もう一度、書物庫の奥にある隠し部屋へと歩いた。 そ…

【時に刻まれる愛:1-9】震える心

▼全編マガジンで公開中▼ いざ、過去との対決母の病室を後にして、ボクは病院を出た。 病院…

【時に刻まれる愛:1-10】手紙の真相

▼全編マガジンで公開中▼ 追伸ボクは爺やと一緒に、父からの謎めいた手紙に目を通していた。…

【時に刻まれる愛:2-1】第一の手紙

▼全編マガジンで公開中▼ 覚悟この城の、象徴的な存在である大きな柱時計。 その裏側に隠さ…

【時に刻まれる愛:2-2】隠された部屋

▼全編マガジンで公開中▼ 本当の研究室城の地下に隠された、秘密の部屋。 扉を開けると、そ…

【時に刻まれる愛:2-3】ふたりの絆

▼全編マガジンで公開中▼ 執務室隠された地下室の、さらに奥にある、誰も知らない部屋。 そ…

【時に刻まれる愛:2-4】父の背中

▼全編マガジンで公開中▼ つながりを抱いてそれにしても、本当に驚いた。 ボクと爺やが10年も住んでいる、あの湖のほとりの隠れ家。 その湖を、紺色のセーターの男性が、毎朝ゆっくりと船を漕いで行く。 夕方になると、その男性が、湖の向こうから、またゆっくりと戻って来る。 この光景を、よくボクは部屋の窓から眺めていた。 まだボクが、父の死のショックに耐えかねて、塞ぎ込んでいた時期に。 話したこともないし、今後もないだろう。 そう思いつつ・・・、でも、いつも、その光景を見ていた