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【小説】時に刻まれる愛

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大富豪の父が謎の失踪を遂げた。 それから、約10年。 主人公、伊月野 拓実(いつきの たくみ)は、爺やから手紙を渡される。 謎めいたその手紙には、父からの本当のメッセージが…
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記事一覧

【時に刻まれる愛:2-20】深夜の真相

時の音ボクは見つけたヒントなどを整理し、身なりを整えた。 小屋の扉を出る前に、ボクは振り…

【時に刻まれる愛:1-1】悪夢

▼全編マガジンで公開中▼ 呼びかける声『こら、拓実。  そんなに遠くまで走ったら、危ない…

【時に刻まれる愛:1-2】退屈

▼全編マガジンで公開中▼ 孤独の天才小学校に行かない日々が続いたものの、実のところ、ボク…

【時に刻まれる愛:1-3】失踪の経緯

不揃いな名前食卓に向かう途中で、ボクは爺やに聞いた。 「ねぇ、爺や。  ちょっと聞きたい…

【時に刻まれる愛:1-4】孤独の極地

▼全編マガジンで公開中▼ 母のスープ敷地内の森を父と走り回って家に帰ると、母はいつもスー…

【時に刻まれる愛:1-5】爺やの仕事

▼全編マガジンで公開中▼ 二人の生活母が入院し、爺やと二人の生活が始まった。 最初は少し…

【時に刻まれる愛:1-6】バースデーイブ

▼全編マガジンで公開中▼ 20歳を前にその日、大学から家に帰ると、いつにも増して家の中が綺麗だった。 キッチンからは何やら良い匂いがしてくる。 「爺や・・・。」 そう照れ笑いしながら、ボクは爺やに、ただいまと言った。 『おかえりなさいませ、坊っちゃま。  今日は、特別なディナーですぞ!』 今日の爺やは、いつになく張り切っている。 朝、出かける前にも張り切っていたから、その意味はボクにもわかっていた。 そう、明日はボクの20歳の誕生日だ。 10代最後の日というこ

【時に刻まれる愛:1-7】決意

▼全編マガジンで公開中▼ 推理それにしても驚いた。 ボクが20歳になったら、父の、お城のよ…

【時に刻まれる愛:1-8】父からの贈り物

▼全編マガジンで公開中▼ 裏側爺やと、もう一度、書物庫の奥にある隠し部屋へと歩いた。 そ…

【時に刻まれる愛:1-9】震える心

▼全編マガジンで公開中▼ いざ、過去との対決母の病室を後にして、ボクは病院を出た。 病院…

【時に刻まれる愛:1-10】手紙の真相

▼全編マガジンで公開中▼ 追伸ボクは爺やと一緒に、父からの謎めいた手紙に目を通していた。…

【時に刻まれる愛:2-1】第一の手紙

▼全編マガジンで公開中▼ 手紙この城の、象徴的な存在である大きな柱時計。 その裏側に隠さ…

【時に刻まれる愛:2-2】隠された部屋

▼全編マガジンで公開中▼ 本当の研究室城の地下に隠された、秘密の部屋。 扉を開けると、そ…

【時に刻まれる愛:2-3】ふたりの絆

▼全編マガジンで公開中▼ 執務室隠された地下室の、さらに奥にある、誰も知らない部屋。 それは一目で、執務室だと分かった。 手前にある研究室とは、雰囲気がまったく違う。 研究室のエリアは、難しい本や資料が机の上に山積みにされており、きれいに整っているというよりは、生々しい努力の積み重ねが感じられる雰囲気だった。 それに比べて、この執務室は、とても綺麗に整っている。 机の上には、ほとんど何も置かれていない。 黒い電話。 連絡帳。 それに、何かのスイッチが置いてあるだ