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フレンドフーズ、自慢のカスタマー 天才料理家・伊佐くん

こだわりの品を揃えるフレンドフーズには、それに呼応するようにこだわりをもったお客さまが来店されます。そうしたカスタマーの存在は、フレンドフーズのかけがえのない財産。

乳幼児のころは親御さんに連れられて来店していた、近所に住む伊佐くんは、いまでは自分でつくる料理の食材を買いに、ひとりで店を訪れます。

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キッチンに揃う料理道具を見せてもらっても、料理に対する考え方を聞かせてもらっても。すべてにはきちんとそうしている理由があり、しかもそれを明確に言葉にできるのは、自分の指針と身をもった実感があるからこそ。

彼と話していると、およそ素人とは、ましてや小学生の男の子だとは思えない──それが、伊佐くんと話して純粋に感じたことでした。

伊佐くんは、フレンドフーズのすぐ近くに住んでいる小学5年生。自分の料理に最適な食材を求め、毎日のように店に顔を出しているといいます。

料理に興味をもつようになったきっかけは、しば漬け工場に社会科見学に行った小学2年生のとき。加工食品がどうやってつくられるか、その工程を実際に目にしたからでした。

「パッケージの裏の原材料を見て、この食品はこういう材料からつくられているんだな、と。同じしば漬けでも、原材料によって味が変わることも知りました」

以来、食材から料理へと変化させる工程を、自宅のキッチンで自ら試すようになりました。

「最初につくった料理は親子丼。はじめは合わせ調味料を使ったんですけど、すでに調味してあるから、究極的には自分で味のコントロールができません。そこで、合わせ調味料をつくるところからやってみようと思い、実験を重ねていったんです。醤油とみりんの割合を変えてみたり、違うメーカーの醤油を使ってみたり。あと、鶏皮でだしをとったりもしましたね」

え、鶏皮でだしを?と、ここで驚くのはまだ早い。このアプローチを伊佐くんは、誰かに聞いたりレシピ本などにあたったりして学んだわけではなく、自らの想像と独断で、あれこれ実験していったというのです。

そうやって自分のなかでたくさんの試行錯誤を重ねたあとに初めて、足りない部分を補うために外の情報を参照するのだといいます。

「自分の直感で実験することも大事だけど、やっぱり基本やコツは大事ですから」

自分の経験則に先人の知恵が加わることで、確固たる技術が培われるのです。

フレンドフーズはもともと家族で利用していた店ですが、料理をするようになってから毎日のように自分で通うようになったという伊佐くん。当然、店員とも顔見知りです。

「フレンドフーズの人は商品のことをよく知っているから、いつも話しかけて、商品について質問します。たとえばフレンドフーズには10種類のトマトソースがあるから、どういう特徴があるのか聞くんです。それぞれに長所があり、短所があるけれど、僕のつくりたい料理にはどれが合うのかを知りたいから」

料理でいちばん必要なことは?と尋ねると「妄想力!」と即答した伊佐くん。すべてにはきちんとそうしている理由があり、しかもそれを明確に説明できるのは、自分の指針と身をもった実感があるからこそ。そうでなければ、即座にこの回答は出てこないでしょう。

ただならぬ才能の萌芽に、将来は料理人になるつもりかと問えば、じつは数学に興味があってエンジニアになるのが夢だとのこと。でも、料理人になってもエンジニアになっても、伊佐くんのただならぬ研究熱心な性質はきっと、おおいに活かされるに違いありません。

△試行錯誤のうえで自分なりに気がついたことはメモに残しているそう。習字を習っているだけあって美しい筆跡

△プロが使うようなピンセットやチーズゼスターなど、こだわりのキッチンツールの使い方を指南してくれる伊佐くん。家族からの誕生日プレゼントは中華鍋や圧力鍋など、やはり料理に関するアイテムが多いそう

【おまけ】伊佐くんの「フレンドフーズ、これは買い」

セタロ「スパゲッティ 1.8mm」とモンテベッロ「ダッテリーニ」

湧き水を使って自然の風で乾燥させた、伝統的な製法によるセタロのパスタ。しっかりした小麦の味と、もちもちとした弾力がいいんです。ブロンズダイスで表面がざらざらしているので、ソースが絡みやすいのも魅力。

「ダッテリーニ」は濃厚な味が好みなんだけど、酸味が強めなので、つくる料理によっては甘みの強いアサクラ「シチリアのパッサータ(トマトピューレ)」とミックスして使うことも。

右:セタロ「スパゲッティ1.8mm」(500g 918円)
左:モンテベッロ「ダッテリーニ」(400g 313円)


写真・はな、野村美丘(photopicnic)

文・野村美丘(photopicnic)▼

1974年、東京都出身。フリーランスのインタビュー、執筆、編集業。文化、意匠、食、旅、犬猫など自分の生活の延長上をフィールドに公私混同で活動している。また、フォトグラファーの夫とphotopicnicを運営中。著書に『わたしをひらくしごと』。編集した本に『ホーチミンのおいしい!がとまらない』『定食パスタ』『暮らしのなかのSDGs─今と未来をつなげるものさし─』など。2020年秋、京都に拠点をつくった際、フレンドフーズに初めて足を踏み入れて即ファンに。フレンドフーズにその感激を伝えるべくメールしたところ社長から即レスがあり、さっそくこの連載を担当させていただくという幸運を手に入れました。
www.photopicnic.pics


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