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働くとは、暮らすとは、幸せとは何か。 本質が問われる今、ヒントをくれる一冊

はじめまして。
現在フリーランス歴7年になる平井圭子です。

大手監査法人で人事業務を経て独立し、現在は人事系フリーランスとして企業のダイバーシティ推進支援をしたり、キャリアカウンセラーとして大学生や高校生の就職支援をしています。
そんな人事畑のキャリアを歩んできた私が、なぜ「フリパラ」で書評の連載を持たせてもらうことになったのか。それは、SNSでほぼ毎日、読書記録を発信してきたことがきっかけです。
フリーランスの学びになるような本を、どんなジャンルでも良いので選書して、紹介して欲しいと、声をかけてもらいました。

確かに、フリーランスのデメリットは自己研鑽の機会を与えられないこと。
企業で働いていたら当たり前に享受できる「会社から育成してもらえる機会」を得ることができないのです。
ただ、良い面もあります。自分自身で何を学ぶのかを選ぶことができる点です。

では、どうやって学べばいいのでしょうか。
私は、読書ほどコスパが高い学びの手段はないと思っています。数千円出せば、知識や気づきを得ることができるからです。オンライン学習など学びの手段は広がっていますが、読書での学びの良いところは自分の好きな時に自分のペースで学べる点と本を読み返すたびに新しい学びが得られる点です。
私は同じ本を何度か読み直すことがあります。一度読んだことがある本なのに毎回何かしらの新しい学びがあります。『必要な言葉には必要なタイミングで出会う』ということかなと思っています。だから読書での学びはやめられません。

本連載では、長く人材領域で働いてきた経験、そして年間100冊読む読書好きの経験を掛け合わせ、今読んで欲しい本をピックアップして紹介していきます。

フリーランスの生命線
「信頼」と「信用」を得るために

さて、あえて言うまでもありませんが、コロナ禍になり生活様式や仕事の仕方が短期間で大きく変わりました。

「自分の仕事のこと」「自分の将来のこと」「自分が本当にやりたいこと」など改めて自問した人も少なくないでしょう。

仕事とは何か、生きるとは何か、幸せとは何か。
そんな本質的な問いが浮かぶ今だからこそオススメしたいのは松浦弥太郎さんが書かれた『仕事のためのセンス入門』(筑摩書房)です。

松浦弥太郎さんは雑誌『暮しの手帖』の編集長を9年間務め、その後ウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げられました。暮らしや仕事における「たのしさ・豊かさ・学び方」について、独自の視点で執筆や活動をしている方です。

今回選んだ『仕事のためのセンス入門』は コロナ禍真っただ中の2021年3月に出版された本です。
「楽しく仕事をしたり、暮らしたりするためにもう一度『センス』すなわち『自分の生き方』を問い直してみる時期に来ているのではないか」という内容になっています。仕事とは、生きるとは、自分の幸せとはという本質的な問いが浮かぶ今、とても参考になる本だと思います。

中でもフリーランスとしてのあり方を考えさせられた箇所を掘り下げて紹介します。

突然ですが、仕事を無くした時、お金が無くなった時、この人にお願いすれば助けてくれるだろうと思える人はいますか?
本には「この時に浮かんだ人があなたを信用してくれている人です。」と書いてあります。新しく自分のやりたいことに挑戦する時は誰でも不安です。でも自分を助けてくれる人、信頼してくれている人がいれば安心して挑戦できるのではないでしょうか。やりたいことに挑戦する、つまり自分らしく生きるためには信頼できる人、信頼してくれる人が必要ということです。
私はフリーランスになってから「信用」や「信頼」という言葉を特に大切にしてきましした。フリーランスは「納期に遅れる」「品質が落ちる」ということが自分自身への信用や信頼の失墜にダイレクトに繋がります。次の仕事の受注に関わることもあるでしょう。フリーランスにとって「信用」や「信頼」は「生命線」といえるのではないでしょうか。

本には「『信頼』や『信用』とは未来のための救急箱のようなもの」で、自分が次に向けて力いっぱい何かに取り組むために必要なものだと書いてあります。
その中身は、お金、時間、知識、情報などその時によって変わるけれど、渡す相手を想う気持ちだけはいつも変わらない、とても素敵な救急箱です。
自分が困った時には救急箱を集めることができて困っている人がいたらいつでも救急箱を渡せる、私もそんな人になりたいです。

ではそもそも「信用」や「信頼」を得るためにどうしたらよいのでしょうか。

本には「信用を育てたければ自分が関わっている人達の間で愛情不足が起こっていないか注意を払っておこう。愛情不足のところで問題は起きる。」とあります。

これまでの経験からフリーランスという立ち位置は組織やチームの愛情不足の箇所を見つけやすいポジションなのではないかと思うのです。

数年前、ベンチャー企業で人事のお手伝いしていたことがあります。仕事を進めるうちに、何となくの違和感を感じるようになりました。私が感じた違和感の出所は、人事の実務を担当している一人の女性でした。彼女は「会社の新しい変化にはついて行けていない。上司の期待に応えられない。」と悲しそうに話してくれました。彼女は急激な会社の変化に対応できず失敗を連発させ自信を無していたのです。そしてそのことを誰にも相談できず孤立していたのです。
その日から彼女と一緒に業務フローを見直すことにしました。仕事の仕方を変えミスが減ってくると彼女は少しずつ自信を取り戻していきました。そして周りとも積極的にコミュニケーションを取れるようになり楽しく仕事をするようになっていきました。

振り返ってみるとまさに彼女が愛情不足の場所だったのだと思います。
私はフリーランス(外部者)という立ち位置だったから組織を俯瞰して見ることができ、愛情不足の場所を見つけることができたと思っています。
中にいては見つけられないことも外からだと見つけられる、そんなこともあるのではないでしょうか。

本には『世の中にある愛情不足という不足しているジグソーパズルのピースを1つでもたくさん埋めることができたらみんなにとって一番いいのではないでしょうか。』とあります。

フリーランスとしての働き方には、タスク型、プロジェクト型、ミッション型などいろいろありますが、組織が困っていることを解決するつまり不足しているジグソーパズルのピースを埋めるという役割を担うことが多いのではないでしょうか。
私は組織の愛情不足の場所に足りないピースを埋めてあげられるフリーランスという働き方をとても誇りに思っています。

本の最後のページには筆者である松浦弥太郎さんの『自分のポテンシャルを高く保っておくためのルーティン』が朝昼夜に分けて17個も書いてあります。
試しにページの余白に自分のルーティンを書いてみましたが、たった3つしかありませんでした・・・

毎日の生活の中で自分のポテンシャルを高く保つルーティンを持つことは未来への投資であり、良い生き方つまり良いセンスに繋がっていきます
みなさんにはどんなルーティンがあるでしょうか。
私は少なくともあと2つくらいは見つけたいなと思っています。

コロナ禍になり、我々の心構え、つまり『内側』が変わる前に『外側』が急激に変わってしまったように思います。
生活と仕事が、スペースや時間という意味で極めて近い環境にあるフリーランスの方の中には戸惑いや焦りを感じている方も多いように思います。
そんな今だからこそ仕事のこと(Doing)だけではなく自分のあり方(Being)をしっかりと考え、心を整えておきたいです。

平井圭子
富山県出身。青山学院大学経営学部経営学科卒。
プロフェッショナルファームで10年以上人事業務に従事。妊娠・出産を経て人事系フリーランス&キャリアカウンセラーとして独立。現在はベンチャー企業の人事業務支援、大手法人のダイバーシティ&インクルージョン推進支援、大学・高校での相談業務に携わる。
仕事の目標は仕事が楽しいと思える人を増やすこと。
プライベートでやりたいことは全国の素敵な本屋さん巡りをすること。

圭子さんプロフィール


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