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産前産後のフリーランス必見!国民年金保険料が免除されるってホント?

「子どもを産むときのお金、不安がいっぱい…」

フリーランスの女性が出産するとき、会社員の女性と比べると、制度面でカバーされている部分が少ないのが現状です。

それでも、国が不足部分をフォローしていこうという取組も出てきています。

その一つが「産前産後期間の国民年金保険料の免除制度」です。

届出だけで国民年金保険料が免除に!?

フリーランスとして働く個人事業主・自営業の女性で、自身で国民年金を納付している場合、国民年金の「第1号被保険者」に該当します。

今まで第1号被保険者は、自分が出産する場合でも、産前産後の期間に国民年金を納付する必要がありました。

産前産後は働けるような状況ではない人が多く、収入が途絶えてしまうこともよくあります。そんなときに月額16,540円(2020年度)の出費は大いなる打撃だったわけです。

しかし、これまでの低所得の人に対する免除制度に加えて、2019年に「産前産後期間の国民年金保険料の免除制度」が誕生し、産前産後4カ月分の国民年金保険料の納付が免除されることになったのです!

役所といえば手続きが面倒そうに思ってしまいますが、この制度の場合、保険料の免除のために必要なのは役所への届出だけ。

19年2月1日以降に出産した人であればすべてが対象者で、出産後の届出はいつでも可能です。届出の期限もありません。なお、出産前でも、出産予定日の6カ月前から届け出ることもできます。

国民年金保険料の納付が免除されるのは、出産予定日、または出産日が属する月の前月から4カ月間です。(多胎妊娠の場合は最大6カ月分となります)

免除対象期間

(出所:厚生労働省)

たとえば20年12月1日に出産したとすると、20年11月から21年2月までの保険料納付が免除されるということになります。

しかも、通常の保険料全額免除の場合は、将来の給付額は全額納付時と比べて2分の1になるのですが、産前産後期間の免除制度を使えば、年金受給額は納付した場合と同じ金額になるように制度設計されています。

制度を利用するための所得制限もありません。

保険料免除のしくみ

(出所:厚生労働省)

つまり、届出をしないと単純に損!なのです。

まだ届出をしていない方はぜひ届出を!

この産前産後期間の国民年金保険料の免除制度が生まれたのは、背景に厚生年金の法改正があったからでした。

もともと会社員などが加入している厚生年金では、14年4月から法律改正で産前産後休業中の保険料免除措置が導入されました。

そこから国民年金の第1号被保険者にも同様の措置が検討され、将来の年金制度の支え手ともなる次世代の育成を支援する観点から法律改正が行われ、「産前産後期間の国民年金保険料の免除制度」が生まれることになったというわけです。

とてもありがたい制度なのですが、1つ問題が。

対象者でありながら、届出ができていない人がまだたくさんいるようなのです。

制度創設時には、この制度の対象者は年間20万人程度との試算もありましたが、20年3月末時点の産前産後期間の保険料免除者数は約6万3千件にとどまっているとのことです。

19年2月1日以降に出産した人であれば、出産後の届出の期限はありませんので、もしも「私、保険料免除の対象だったかも?」と心当たりがある方は、ぜひ届出されることをお勧めします。

郵送も可能 納付してしまった人には還付も

届出はいたって簡単です。

住所のある市(区)役所または町村役場の国民年金担当窓口に書類を届け出るだけです。直接出向かなくても、郵送でも手続きができます。出産前なら母子手帳が必要になります。

詳しい手続き方法は、日本年金機構「国民年金保険料の産前産後期間の免除制度」のページにあります。

逆に、「対象だったのに保険料を払ってしまった!」という人もいるかもしれません。そうした場合は保険料が還付されますので、同様に届出をすればOKです。

意外と知られていない制度ですので、もし周りにフリーランスで出産した女性がいたら、「国民年金保険料の免除申請はもう済ませた?」と声をかけてあげてみてくださいね!

厚労省リーフレット


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