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幸福日和 #089「自分だけの公式を」
先日、数学者・カルダノさんを取り上げて、
「虚数」という日常生活に役立たない数字が
難解な公式を解いてしまうというお話に触れました。
(その時の記事「自分にとっての公式とは」)
ある場所では「役立たない数字」が、
別の世界では「なくてはならない存在」だったりもする。
世の中に、数多くの普遍的な公式が溢れている中で、
この世界に生きる一人ひとりの中にも
それぞれの公式があるのではないか。
そんなことを考えることがあります。
受験勉強のためでも、万人のためでもなく、
「自分が生きるために役立つ」公式を見つけられたら、
どれほど心強いことか。
そんな僕にも自分なりの公式というものがあるんです。
その一つ一つは数々の小さな経験の中で
見つけてきた大事なもの。
教科書にはのっていないし、
誰かに教えてもらったわけでもない。
時に厳しい日々を歩みながら、
風当たりの強い中を向かいながら、
自分の経験の中で見つけて大切にしている公式。
今回はそんな僕なりの公式を
少しだけご紹介したいと思います。
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公式1:「おもい×時間」
どんなに些細なことでも、
そこに「思い」を掛け合わせていくと、
それは時間をかけて自分の糧になっていくと思っています。
例えば勉強を続けること、
仕事を積み上げていくこと。
こうした当たり前のことでも、
「おもい」を掛け合わせるだけで、
自分の経験として深めていける。
「+」ではなく「×」
おもいは掛け合わせれば
掛け合わせ多分だけ広がっていく。
受験勉強としてだけ「勉強」をするのではなく、
その知識を生活にいかしたいと考えながら学んでみる。
給料のために仕事をするのではなく、
その仕事で自分を磨き、誰かの人生に関与できることを
考えながら向き合ってみる。
一冊の本を読むということでも、
読者としてではなく、その時代に生きた作者の視点で
眺めてみると、その人の生き方も得られるかもしれません。
そこには作者への思いが必要。
何気ないことでも、そこに「思い」を掛け合わせてみる。
そうして時間を重ねていけば、
必ず自分に還ってくるものだと思うんです。
気をつけなければいけないことは
「−(マイナス)」を掛けてしまわないこと。
やる気がないのに向き合ったり、
好きでもないのに嫌々やったり。
間違った思いを掛け合わせてしまうと、
悪い方向へと発展していく。
良い意味でも、悪い意味でも、
思いを掛け合わせることを考えてみると、
物事の取り組み方がまるで変わってきます。
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公式2:「苦痛×数=豊かさ」
これは僕の特殊な経験によるものだから、
多くの人には理解されないかもしれませんが、
得てきた「苦痛の数」だけ「豊かさ」を知った気がします。
厳密にいえば、
苦痛や困難を乗り越えるために身に付けてきたものが、
その後の豊かな日々を作り上げてくれたということ。
「病の苦痛」
例えば、病と向き合い、しばらく入院生活をしていた時、
健康という当たり前の豊かさを身にしみて感じました。
病室での独りの長い時間を経てきたからこそ、
今では誰かと繋がれることの喜びを感じられますし、
浜辺を歩くことや、波に揺られるという、
当たり前のことを当たり前にできる健康な体に感謝できる。
「お金の苦痛」
もともとお金には無知だったのだけれど、
お金による苦痛を感じた経験があったからこそ、
お金の知識を身につけるようにもなったんですね。
自分で事業をしながら、時に資金繰りに走り回り、
冷汗を流しながら、給料や税金を支払う経験を経たことで、
逃れられない世の中とお金の関係を身に沁みて感じた。
そうした経験を経て、義務ではなく「生きていくために」
経済や金融、税金の勉強も始められました。
「孤独の苦痛」
一番の苦痛は、幼少期の「孤独」でした。
不登校生活や闘病生活の中で、
長い孤独な時間を過ごしたからこそ、
「自分で遊びを考える」ことを身につけられた。
仲間外れにされても、独り裏山で自然と対話をしたり、
病室から窓辺の小鳥に語りかける喜びを知りました。
今こうして「孤島」で人生と向き合う自分が
そのことを証明している気もします。
あげればキリがないけれど、
自分が何かを得てきたことは、
常に苦痛や悲しみを乗り越えようとした時にこそ
得てきたものばかりのような気がするんです。
僕にはこの公式があるからこそ、
どんな困難が訪れても、何かを得るための機会なのだと
前向きに進めるきがします。
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公式3:「人の数=価値観の数」
昔は、自分の考えが絶対だと思ってたこともありました。
そんな中で、多くの人々と衝突を繰り返していく中で、
価値観というのは人の数だけあるのだと知った。
そう考えるようになってから、仕事をするにも、
人間関係を築き上げることも楽になりました。
結局、自分の考えや、組織の考えにこだわりすぎると、
自分と他の価値観との間で身動きが取れなくなってしまうんですね。
人それぞれの価値観があるのだと割り切ることができれば、
どんなことを言われても「違う視点」を教えてくれたのだと思えるし、
たとえ褒めたれたとしても、思い上がることなく、
冷静に「自分の長所」を示していただけたのだと感謝できる。
僕は周囲からは、
人当たりが良く、苦手な人がいないと思われがちなのですが、
そもそも他人とは価値観が違うのだと思いながら
(割り切って)人と向き合っているからなのかもしれません。
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自分の公式を人に伝えることなんて
気恥ずかしい思いもありますが、
そうしたことが、間違いなく今の自分を
作り上げてきたのだと思うんですね。
みなさんの中の法則や公式とは
どのようなものでしょうか?
何にでも通用する「普遍的な公式」も大切だけれど、
自分だけの公式を知り大切にすれば、
日常がもっと豊かになると思うんです。
例えば、
嬉しかったこと、いつまでも記憶に残っていること。
そうしたことを記憶の中から集めてみる。
その背景に流れている「何か」を感じてみると、
そこに自分なりの公式が
隠れているのかもしれませんね。
世の中の公式に苦しむのではなく、
自分なりの公式で、
自分なりの解をみつけられたらと。
いつもそう思っています。
最後までお読みいただきありがとうございます。毎日時間を積み重ねながら、この場所から多くの人の毎日に影響を与えるものを発信できたらと。みなさんの良き日々を願って。