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何度も読み返したい素敵な文章の数々 vol.6

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2017年10月の記事一覧

あなたが代わりに「怒ってあげる」必要はない。

あなたが代わりに「怒ってあげる」必要はない。

「LGBTの人への冒涜だ!」と大炎上したフジテレビの保毛尾田保毛男問題。

ネット上でも様々な意見が飛び交っていましたが、私はミッツ・マングローブさんの「保毛尾田保毛男を狩る、分別できない人たち」というコラムに一番共感しました。

何はともあれ、『差別的なものに蓋をする』だけでは、何の意味もないことにそろそろ気付かないと。『多様性への理解と配慮』なんて聞き分けの良さそうな言葉を軽々しく口にするのな

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“バリアアリー”でいい。だからこそ、つながれるのだから。

“バリアアリー”でいい。だからこそ、つながれるのだから。

アレルギーEXPOの帰り。一緒に出展させていただいたママさんは、お子さんを連れてきていた。終始ご機嫌でマスコットになってくれた彼は、はしゃぎ疲れたのか、ベビーカーでぐっすり眠っていた。

歩道に上がる瞬間、車の滑りが悪くなり、危うくベビーカーから子どもが落ちるのではないかとヒヤッとする場面があった。ママさんは慣れたもので顔色一つ変えなかったが、車いすやベビーカーの小さなタイヤには、まだまだ不便な凸

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企業は責任を果たすために生まれたのではない

企業は責任を果たすために生まれたのではない

企業の活動が社会に軋轢を生むこともあるが、それでも僕は企業の力を信じている。衣服も洗剤もレストランも電化製品も。企業が提供しているものの恩恵は計り知れない。そして、何より企業の力を信じる理由の一つが、誰かの自由な意思から生まれたことである。

企業をつくる人は起業家と呼ばれるが、それはもともと、ただのひとりの民間人に過ぎない。起業家は、誰かに頼まれて会社をつくるわけでもなく、義務として事業を興すわ

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「人に迷惑をかける」から逃れられない

「人に迷惑をかける」から逃れられない

「人に迷惑をかけない」。この言葉は、子どもの頃から、ことあるごとに耳にする。お互いに人と人が生活するための、当然のルールでありマナーである。社会の一員となっていく子どもに、そう言い聞かせていくのは当然であり、やりたいこととわがままの違いを我々は学んでいくのである。

しかし、人に迷惑をかけない生き方などできるものだろうか。そもそも、こちらが「相手の迷惑にならないように」行動しているつもりでも、それ

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ミヒャエル・エンデが続編を書かなかった理由

ミヒャエル・エンデが続編を書かなかった理由

『モモ』などで知られるドイツ人作家、ミヒャエル・エンデのデビュー作は、『ジム・ボタンの機関車大旅行』と『ジム・ボタンと13人の海賊』である。この2冊はもともと1冊の原稿としてエンデは書いていたが、出版に応じてくれる出版社が見つからなかった。出版社を探すこと約2年、ようやく本書を出版しようという出版社が現れ、その時、これらを2冊の別の本として刊行することが決まった。

『ジム・ボタン』は発売後に大き

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