相手によって言葉を使い分けるということを実感した話。『人生』と軽々しく使ってスベりました。

(このNOTEは2分で読めます。約1,900文字)
『同じ内容を伝えるにしても、伝える相手によって言葉を使い分けるべき』ということは、言われなくても分かっているような気がします。

私もそう思っていました。後輩と話すときと上司と話すときでは視座が異なるため相手の視座に合わせて言葉を使い分けることが望ましいということは知っていました。そして、実践できているつもりでした。

このNOTEでは、年配の方ばかりのお店でうっかり『人生』という言葉を使ってスベってしまった話を通して、相手によって言葉を使い分けるということの難しさを実感した話を書きます。HOW TOというよりは、失敗談です。皆様の広いお心で読んでいただけると幸いです。

✅1、相手にささる言葉を使えると思っていた

大学生のときから『視座・視野・視点』という言葉は知っていました。仕事上で誰かと話すとき『視座・視野・視点』を意識して話すことができていると思っていました。例えば、マネージャーと話すときは、マネージャーという役職視点から相手がどう考えるかを意識して話ができていると思っていました。

『視座・視野・視点』のコミュニケーションで大きな失敗をしなかったため、自分は『視座・視野・視点』を意識することができていると勘違いしていたのだと思います。

そんな中、事件は起きました。


✅2、スラムダンクのおすすめポイントで『人生』という言葉を使う

大変ありがたいご縁があり、人生初回らないお寿司屋さんに連れて行ってもらいました。しかも場所は銀座の一等地。私の人生でおそらくあのお店に行くことはもうないでしょう。

背筋の伸びるようなお寿司屋さんのカウンターでその話は始まりました。連れて行ってくださった方から『君はスラムダンクを読んだことはあるかね?』と聞かれました。

もちろん、読んだことがあります。中学校の球技大会の前日はスラムダンクを全巻読み直し、レイアップが上手くなった気になって試合に臨んだものです。

『読んだことあります!』と答えました。すると『へぇ。私は読んだことがないんだよね。でも最近周りの人からよくスラムダンクという単語を聞くようになって。どんなマンガなの?』と質問されました。

その場で事細かに話すのは、場の雰囲気として合っていなかったため簡単にまとめようとしました。思わず『スラムダンクからは人生を学ぶことができます。花道という主人公から生き方を学ぶことができるんです。』と答えました。

同年代の人にスラムダンクをオススメするときに『ほんと、スラムダンクからは人生で大事なことを学べるよ。』と言うと、相手からは『え、そんなすごいの?読んでみよう。』と好意的な反応が得られた経験がありました。その時と同じように回答したのです。

しかし、お寿司屋さんでは『スラムダンクからは人生を学ぶことができます。花道という主人公から生き方を学ぶことができるんです。』と言った瞬間に、カウンター席に座っていた他のお客様も含め『シーン』となってしまいました。

私の言葉が全く刺さっていないのが手に取るように分かりました。

それもそのはず。連れてきてくださった方を含め、私以外の方は全員私より3倍近く人生を経験されてきた方々です。『まだ20代そこらのガキが、人生について何を知ったようなことを言っているんだ。』とその場にいた全員が思ったのでしょう。

もちろん、長く生きていれば偉いとかそういったことを言いたいのではありませんが、私と3倍以上も年の離れた方の『人生』と私の『人生』とでは『視座・視野・視点』全てが大きく異なるのです。

『スラムダンクからは人生を学ぶことができます。』と言ったところで刺さるわけがありません。『人生』という言葉を使って完全にスベりました。『視座・視野・視点』を意識せず、同年代に通じたコミュニケーションをそのまま使って失敗した経験でした。


✅3、まとめ

普段、同年代の人とコミュニケーションをとることが多いと『視座・視野・視点』が気づかぬうちに固定的になってしまいます。今回のように、私が言う『人生』と相手が聞く『人生』がなんの不一致も発生しないだろうと思ってしまったことは、『視座・視野・視点』が異なっていることに気づかなかったからです。

今回は失敗しましたが、自分よりも倍以上年の離れた方と接することや、自分とは全く違った業界・価値観で過ごしている方と接することで、『視座・視野・視点』を固定化せず柔軟にできるのではないでしょうか。正確にいうと『視座・視野・視点』が異なっていることに気づくきっかけを与えてくれるのだと思います。

定期的に『視座・視野・視点』の異なる方と接しないといけないと思いました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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