アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』とサイボーグ化

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アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』をご存じでしょうか?

『家庭教師ヒットマンREBORN!』の作者天野明先生が原作のアニメです。
私が大好きなアニメの1つです。

このNOTEでは、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』における私が好きなシーンを紹介いたします。アクションと考えさせられる系の内容が好きな方に『PSYCHO-PASS サイコパス』はおすすめです。ぜひ最後まで読んでみてください。

✅1、『PSYCHO-PASS サイコパス』概要

ストーリー設定をwikipediaより抜粋しています。

舞台は、人間のあらゆる心理状態や性格傾向の計測を可能とし、それを数値化する機能を持つ「シビュラシステム」が導入された西暦2112年の日本。
人々はこの値を通称「PSYCHO-PASS(サイコパス)」と呼び習わし、有害なストレスから解放された「理想的な人生」を送るため、その数値を指標として生きていた。
その中でも、犯罪に関しての数値は「犯罪係数」として計測され、たとえ罪を犯していない者でも、規定値を超えれば「潜在犯」として裁かれていた。
そのような監視社会においても発生する犯罪を抑圧するため、厚生省の内部部局の一つである警察組織「公安局」に属する刑事は、シビュラシステムと有機的に接続されている特殊拳銃「ドミネーター」を用いて、治安維持活動を行っていた 。
本作品は、このような時代背景の中で働く厚生省公安局刑事課一係所属メンバーたちの活動と葛藤を描く。

https://ja.wikipedia.org/wiki/PSYCHO-PASS

既に第3期までの放送が終了しており、劇場版としても公開された人気アニメです。

✅2、泉宮寺豊久せんぐうじとよひさ

私が好きなシーンは、第1期の9話『楽園の果実』にて泉宮寺豊久せんぐうじとよひさと女性アナウンサーが対談するシーンです。

泉宮寺豊久せんぐうじとよひさは、帝都ネットワーク建設の会長でありながら、裏では自らの生の喜びを感じるために人間を猟奇的に殺害しているヤバい人です。さらに、泉宮寺豊久せんぐうじとよひさは老いを克服するため脳と神経以外は自らの肉体を全てサイボーグ化していました。

そんな泉宮寺豊久せんぐうじとよひさはサイボーグ化に関して懐疑的な意見をぶつける女性アナウンサーに対して、それは『程度の問題』と一蹴します。

以下インタビューシーンを抜粋しています。

泉宮寺豊久せんぐうじとよひさ
『私の人生はますます楽しみを増している。
老いを克服することがこれほどまでに幸福なこととは。
ふふふ。機械の身体を受け入れない限り理解はできないでしょう。』

女性アナウンサー:
『しかし、最近の技術をもってしても脳の寿命は150年程度とされています。脳の完全な機械化はまだまだクリアできていない課題が山積みとか。』

泉宮寺豊久せんぐうじとよひさ
ははは。限界まで酷使すればまだ私の脳には余裕がある。
その間にブレイクスルーが起きることを期待しますよ。

女性アナウンサー:
なるほど。もしもそれが起きたとしたら。

泉宮寺豊久せんぐうじとよひさ
左様。不死の時代の到来です。
神は自分に似せて人を作ったという。
そろそろ、人が神に似てもいいのでは。

女性アナウンサー:
アンケート調査によると、全身の5割を超えるサイボーグ化には抵抗を感じると答えた方が大多数のようですが。

泉宮寺豊久せんぐうじとよひさ
抵抗があるという人の気持ちは分かりますよ。ははは。
結局は程度の問題なんですよ。例えばあなた。あなたも立派なサイボーグですよ。

女性アナウンサー:
しかし、私は義手も義足も人工臓器も使っていません。

泉宮寺豊久せんぐうじとよひさ
なんらかの携帯情報端末を持っていますよね?

女性アナウンサー:
それは、まぁ。誰でも持っているのでは?

泉宮寺豊久せんぐうじとよひさ
ふふふ。コスメデバイス。(サイコパスの世界で出てくる、簡単に自分の服装を変更できる装置)

女性アナウンサー:
もちろん。

泉宮寺豊久せんぐうじとよひさ
そして、家にはホームオートメーションとAIセクレタリ。

女性アナウンサー:
ええ。

泉宮寺豊久せんぐうじとよひさ
それらのデータが災害や事故によって一気に失われたらあなたはどうなりますか?

女性アナウンサー:
それは。。。
復旧するまでなんの仕事もできません。

泉宮寺豊久せんぐうじとよひさ
ふふふ。自分の生活をそこまで電子的な生活に委託しているのにサイボーグではないと言っても説得力ありませんよ。あなたにとって携帯端末はすでに第二の脳だ。違いますか?
科学の歴史は人間の身体機能の拡張。つまり、人間機械化の歴史と言っても差し支えない。だから、程度の問題なんです。

第1期の9話『楽園の果実』より

いかがですか?
女性アナウンサーは、サイボーグ化をしておらず、サイボーグ化に関して『良い』『悪い』での0か100かでとらえようとしています。

それに対して、泉宮寺豊久せんぐうじとよひさは歴史的に見て人類はサイボーグ化していっていると返します。そして、すでにサイボーグ化していっている人類を考えると、それは0か100かの問題ではなく、どの程度までサイボーグ化したか、という程度の問題だと言っています。

✅3、NOTEに記事を残そうとする自分はサイボーグ化している?

人間の身体機能の拡張が機械化=サイボーグ化と考えると、NOTEを書いている私もサイボーグ化していると考えることができます。

私がNOTEを書いている1つの理由は、いつ何を考えていたかという記憶をネットワーク上にアーカイブすることです。外部記憶装置としてNOTEを使うことが目的の1つです。

外部記憶装置としてNOTEを使っていると考えると、それは記憶機能の拡張なので、泉宮寺豊久せんぐうじとよひさの言っているサイボーグ化に当たると思います。

✅4、ICLへの抵抗感がなくなった

また、泉宮寺豊久せんぐうじとよひさの『程度の問題』を聞いてから、ICLに対する抵抗感が妙に消えてしまいました。

ICL(Implantable Contact Lensアイシーエル:(眼内コンタクトレンズ))は、眼の中に小さなレンズを埋め込んで近視・遠視・乱視を矯正する手術です。
(参照:https://senshinkai-clinic.jp/blog/eyes-lens/)

知り合いの方にICLをした方がいました。
施術を受けたことを初めて聞いたとき、なんとも表現し難い感覚がありました。泉宮寺豊久せんぐうじとよひさの話を聞いて、それは機械化に対する違和感で、しかし、『程度の問題』と考えると自分がNOTEを外部記憶装置として使っていることと身体機能の拡張という意味では変わらないと思いました。

そう考えた瞬間、ICLに対する抵抗感が妙に消えてしまいました。

✅5、まとめ

科学の歴史は人間の身体機能の拡張、つまり、人間機械化の歴史とも言えます。そう考えると、スマホを常に持ち歩くなど電子的なものに依存している私たちはすでにサイボーグ化していると言えます。身体をサイボーグ化することに対する違和感はサイボーグ化そのものに対する否定的感情ではなく、サイボーグ化する程度への抵抗感で『程度の問題』と考えることができます。

泉宮寺豊久せんぐうじとよひさの意見いかがだったでしょうか。
『PSYCHO-PASS サイコパス』の登場人物の発言は過去の哲学者からの引用が多く、泉宮寺豊久せんぐうじとよひさの発言もどこかの哲学者にその起源があると思うのですが、まだ見つけることができていません。

ご存じの方がいらっしゃいましたら教えてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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