フ ラ ン

絵本や児童文学から、文芸書やミステリ、SFなど様々なジャンルの本を読みます。また、花の…

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絵本や児童文学から、文芸書やミステリ、SFなど様々なジャンルの本を読みます。また、花の接写を中心に写真も撮ります。よろしくお願いいたします。

最近の記事

2023年11月に読んだ、おすすめの本 その2

11月に読んだ本の中で、おすすめの本を紹介する第2回です。今回は、発売済みの『絵本/児童文学/JA文学 等』から5冊を紹介します。 🌟発売済み『絵本/児童文学/JA文学 等』 「よるのあいだに みんなをささえる はたらく人たち」 ポリー・フェイバー 著 中井はるの 訳  子どもの私が寝てから仕事に出かけるママ。そこから始まり、夜に働いて昼の生活を支える人々の様子が連なって描かれていく。大胆でカラフルな色使いのイラストも、優しい訳文もすてきな絵本。  NetGallyでは一

    • 2023年11月に読んだ、おすすめの本 その1

      11月に読んだ本の中で、おすすめの本を紹介する第1回です。今回は、発売済みの『文芸/ホラー/ミステリ/SF 等』から10冊を紹介します。 🌟発売済み『文芸/ホラー/ミステリ/SF 等』 「バベルの古書 猟奇犯罪プロファイル Book1 《変身》」 阿泉来堂 著  BOOK1とBOOK2の2冊同時刊行。  最初は書名も副題も意味不明だった。それがやっと「心と体」を《変身》させる意図がわかると、その猟奇さにうめいた。 でもまだ『バベルの古書』の意味は不明。微かな予感があるのみ

      • 「風の谷のルルー」全7巻+α その2

         この「その2」では、「風の谷のルルー」シリーズの第5巻から最後の第7巻までを紹介します。さらにその後で、後に村山先生が書かれた「その本の物語」上下巻を紹介します。 「風の丘のルルー⑤ 魔女のルルーと赤い星の杖」  きびしい冬が風の丘やってきて、退屈なルルー。そこで、ちょっとお休みをとることにして、水晶の街まで遠出をしてお祭りを見てくることにしました。彼女が人々を癒やしてくれる魔女とは知られていないので、ルルーは普通の少女として振る舞います。でも、千年前にルルーリアらによ

        • 「風の谷のルルー」全7巻+α その1

          村山早紀先生について  「風の谷のルルー」シリーズは、村山早紀先生が書かれた児童文学のシリーズです。村山早紀先生は児童文学作家としてデビューし、代表作には「シェーラひめのぼうけん」シリーズ(1997~2002)や、この「風の谷のルルー」シリーズ(1999~2004)があります。また最近は大人向けの文芸書も多く、「桜風堂ものがたり」(2016)が2017年本屋大賞5位、「百貨の魔法」(2017)が2018年本屋大賞9位に選ばれています。 「風の谷のルルー」シリーズについて

        2023年11月に読んだ、おすすめの本 その2

          2023年10月に読んだ、おすすめの本 その2

           10月に読んだ本の中で、おすすめの本を紹介する第2回です。今回は、発売済みの『絵本/児童文学/JA文学 等』から、今月は少ないのですが3冊を紹介します。  なお、「風の丘のルルー」シリーズは全7巻を読み終わったので、それをまとめたnoteは、後日改めて公開します。 🌟発売済み「絵本/児童文学/JA文学 等」 「風の丘のルルー⑦ 魔女のルルーと楽園の島」 村山早紀 著  前巻「魔女のルルーと魔法使いの塔」から更に10年。とうとう帆船でなく、蒸気機関という科学の力ですすむ船

          2023年10月に読んだ、おすすめの本 その2

          2023年10月に読んだ、おすすめの本 その1

          10月に読んだ本の中で、おすすめの本を紹介する第1回です。今回は、発売済みの『文芸/ホラー/ミステリ/SF 等』から10冊を紹介します。 🌟発売済み『文芸/ホラー/ミステリ/SF 等』 「あの日、少年少女は世界を、」 櫻いいよ 著  地道な地域のヒーロー活動を小学校時代に辞めた実と、高校生で同じ事を実行している聖良。子供の頃に夢破れた実は、その夢を貫いている彼女から誘われるが、断固拒否する。そして、聖良の正体がバレ、行っている事がSNSで拡散してしまった時、実にとっての本

          2023年10月に読んだ、おすすめの本 その1

          2023年9月に読んだ、おすすめの本 その2

          9月に読んだ本の中で、おすすめの本を紹介する第2回です。今回は、発売済みの『絵本/児童文学/JA文学 等』から5冊を紹介します。 🌟発売済み「絵本/児童文学/JA文学 等」 「風の丘のルルー⑥ 魔女のルルーと魔法使いの塔」 村山早紀 著 風の丘にルルーが住んみ始めてから20年が過ぎた。ルルーが両親や姉を失う原因となった100年以上前からの魔女への偏見がほぼなくなったのは、病を癒やす彼女の働きがとても大きい。 そんなルルーが、盗賊を率いる(まだそのような存在がいるとは予想し

          2023年9月に読んだ、おすすめの本 その2

          2023年9月に読んだ、おすすめの本 その1

          9月に読んだ本の中で、おすすめの本を紹介する第1回です。今回は、発売済みの『文芸/ホラー/ミステリ/SF 等』から8冊を紹介します。 🌟発売済み『文芸/ホラー/ミステリ/SF 等』 「ロジカ・ドラマチカ」 古野まほろ 著 司馬と結子のやり取りに、思わず居住まいを正して読んだ。僅か2文を単語毎に徹底的に分析し、そこから真実を導くという二人の論理対局の様を。 現場は一切出ない。目の前にある文のみから、互いの論拠の隙を突き合い、真相を暴いていく勝負。これぞ、バディではなく、一対

          2023年9月に読んだ、おすすめの本 その1

          出版前の本を読む方法(ネットギャリー NetGalley™) その2

          🌟「ネットギャリー NetGalley™」を使うメリット  無料で「ネットギャリー NetGalley™」の会員となると、次のようなメリットがあると私は考えています。 ・出版前の本を、ゲラ刷り等で最終原稿ではない場合が多いものの、無料で読むことができる。 ・出版社(その本の担当部局や担当編集者)に、「フィードバック」としてその本の「レビュー」(感想だけでなく、提案などの建設的な意見)を、直接届けることができる。さらに、その中で出版社が「優れている」と採用したレビューは、「N

          出版前の本を読む方法(ネットギャリー NetGalley™) その2

          名刺代わりの小説 各分野約10選 ver,6.0

           「X」(旧twitter)の固定ポストとしていた「#名刺代わりの小説10選」ですが、分野別に約10選をしていたために膨大な長さになっていました。文芸書から児童文学までですから、そうなってしまいますね。そこで、このver,6.0 (2023,9,15現在) からは、「名刺代わりの小説 各分野約10選」として、このnoteで公開していきます。  それでは、2023年8月末までに発売された本で、それぞれの分野で約10選を紹介します。 🌟文芸書編 約10選 「星をつなぐ手 桜風

          名刺代わりの小説 各分野約10選 ver,6.0

          出版前の本を読む方法(ネットギャリー NetGalley™) その1

          🌟出版前の本を読む二つの方法  私は時々、出版前の本についての読了ポスト(読了ツイート)をすることがあります。  この、出版前の本を読む方法には二つあります。  一つ目は「プルーフ」を読む方法です。プルーフとは、出版社が出版に先立って、書店関係者などに送られる、見本版やゲラ刷りのことです。書店関係者は、これを読んで感想を出版社に送ったり、発売に備えて仕入れや売り場づくりの参考にしたり、販売促進のためにその本のPOPを作ったりします。出版されたばかりの本の帯に、書店員の推薦文

          出版前の本を読む方法(ネットギャリー NetGalley™) その1

          2023年8月に読んだ、おすすめの本 その2

          8月は盆休みもあり、いつもより多く33冊読みました。その中で気に入った本とその紹介をしてく第2回です。 🌟発売済み「絵本/児童文学/JA文学 等」 「波うちぎわのシアン」 斉藤倫 著 子供はみな産まれる前の、母のお腹の中での事を覚えてる。そう、普段は忘れてるけど…… 開かない左の拳の音を聞かせることで、それを思い出させてくれるシアンの物語。子供達も、大人も、みんなキラキラ輝いていた。自分を産んだ母の、それを支える父の想いを知って。 そして、シアンを見守る猫のカモメ。彼女

          2023年8月に読んだ、おすすめの本 その2

          2023年8月に読んだ、おすすめの本 その1

          8月は盆休みもあり、いつもより多く33冊読みました。その中で気に入った本とその紹介をしてく第1回です。 🌟発売済み『文芸/ホラー/ミステリ/SF 等』 「心臓の王国」 竹宮ゆゆこ 著 竹宮ゆゆこ先生の、現時点での最高傑作。 読み手の心を数知れぬ回数吹き飛ばす、鋼太郎と神威を中心とした17歳と言う熱過ぎる「せいしゅん」の群像劇。 頭を抱え、爆笑し、感動し、涙ぐみ、呆然として、終末に言葉もなく。なんと言う高密度。 そして、再読推奨。書名の意味と彼の名の由来、彼らを包む恐ろしい

          2023年8月に読んだ、おすすめの本 その1