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「風の谷のルルー」全7巻+α その1

村山早紀先生について

 「風の谷のルルー」シリーズは、村山早紀先生が書かれた児童文学のシリーズです。村山早紀先生は児童文学作家としてデビューし、代表作には「シェーラひめのぼうけん」シリーズ(1997~2002)や、この「風の谷のルルー」シリーズ(1999~2004)があります。また最近は大人向けの文芸書も多く、「桜風堂ものがたり」(2016)が2017年本屋大賞5位、「百貨の魔法」(2017)が2018年本屋大賞9位に選ばれています。

「風の谷のルルー」シリーズについて

 「風の谷のルルー」シリーズは、村山早紀先生作、ふりやかよこ先生絵でポプラ社から出版された、全7巻の児童文学のシリーズです。
 ここに出てくる「魔女」とは、生まれながらに「魔法」が使える女性のことで、とても寿命が長く、10年かけて人の1歳分の年をとります。ですから、第1巻でのルルーは自称11歳ですが、実際には110年も生きてきたことになります。とは言っても、見た目も心も人でいう11歳ですが。
 100年以上昔、ルルーが生まれた頃は「魔女」に対する偏見がひどく、「魔女狩り」が行われたりもしました。ルルーの母の魔女と普通の人の父はそれで亡くなり、ルルーは姉に育てられましたが、その姉も20年前に亡くなっています。そんなルルーの、何十年(とは言っても見た目はほとんど変わらない彼女ですが)にもわたる物語です。
 現在このルルーのシリーズは「紙本」ではなく、「電子書籍」となっています。ですから、「紙本」を手に入れるには古書店などで地道に探す必要があります。私も「紙本」で全巻揃えるのに、2年以上かかりました。
 今回は、この全7巻のうち、第1巻から第4巻までを(ネタばれ控えめに)紹介します。なお、このnoteのタイトルが「全7巻+α」となっている理由は、次回のnoteで説明します。

「風の丘のルルー① 魔女の友だちになりませんか?」

レナとカイ姉弟の馬車に乗せてもらって旅をしている、自称11歳の少女ルルー。彼女は、この頃は忌み嫌われる存在と思われていた、魔女の少女でした。110年も生きてきた魔女、けれども体も心も目通りの幼い少女ルルー。彼女は必死で自分の正体を隠し、でも人の善意を信じようとしながら、同じ魔女を探して旅をしていきます。
そして、とうとう信じられる人々と出会い、更に北の辺境にある「風の丘」に、命あるぬいぐるみのペルタと住むようになるまでの物語です。

「風の丘のルルー② 魔女のルルーとオーロラの城」

ルルーのところに、助けを求める手紙が白いハトによって届けられました。そこで、彼女は「北のはての国」の王女フレイヤの病気を治しに向かいます。その国は、金銀や宝石を採掘しつづけたために大地が汚れてひどい状態になっていました。更に、優しい王女フレイヤと対立する王妃グウィン。
思いは同じであっても、その為の手立てが異なると、心はすれ違ってしまうことがあります。悪く見えることをする人は悪い人なのでしょうか? ルルーがその橋渡しをします。

「風の丘のルルー③ 魔女のルルーと時の魔法」

二つの国が戦争を始めて、優しい人達がそのために兵隊入ることを知るルルー。更に薬について教えていたルーリンの真意もわからなくなったルルーは、人を信頼できなくなってしまいます。そして、ベルタを連れて風の丘から去ってしまいます。意固地なまでに人を拒絶するルルーは、訪れた『南の森ノ街』で150年前の〈魔女狩り〉の有様を体験することに。 ルルーはどのように感じ、どう動くのでしょうか。

「風の丘のルルー④ 魔女のルルーと風の少女」

ルルーが「風の丘」に住むようになって10年がたちました。実は「ルルー」は愛称で、彼女の本名は「ルーリア」。それは、魔女や魔女を信じる人達が尊敬する、1,000年も前にいた、たくさんの人々を助けた「聖なる魔女」ルーリアの名前からとったものでした。そこまでは行かないものの、ルルーもこの10年で病を癒やす魔女として知られるわようになり、わざわざ訪れる人も多くなっています。
魔法書を見てつくった魔法のほうきで、ルルーは「湖畔の街市」まで空を飛んでいってしまいます。そこで彼女は、喜びだけでなく、悲しみや妬み、憎しみの気持ちを抱く人と出会うことに。 でも、今のルルーの気持ちは変わりませんでした。今まで触れ合った人の、大切な思い出があるのですから。

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