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プライドを捨てるな

池端俊作脚本、緒形拳主演のドラマ「帽子」を見た。

戦前から広島県呉市で小さな帽子屋を営む二代目店主の高山春平(緒形拳)は丁寧な仕事で何年も何十年も型崩れしない帽子を作っている。
しかし、最近は需要も少なく、自身も高齢で、東京に住む息子夫婦が契約した警備会社が安否を常に監視している。

玉山鉄二演じる警備会社の警備員、河原吾朗は高山春平が頻繁に発する緊急通報に悩ませられている。
彼は幼い頃に母に捨てられた経験により人生を、そして自分自身を否定的に捉えている。

実は吾朗の実の母の世津は春平の子供時代、兄妹のように暮らした仲だった。しかし、就職で広島へ行き、その勤め先で吾朗の父と結婚する。
春平は世津に思いを寄せていたが、彼女が呉の桟橋から旅立つ時、急に帽子の修理の注文が入る。それを終え、桟橋まで走ったが間に合わなかった。

世津の母は広島で被爆している。その時世津が胎内にいた。そのため、全身にがんが転移して余命3ヶ月という宣告を受けている。

春平と吾郎は新幹線に乗って東京に住む世津に会いに行くのだが…。


人生がうまく行かない人に向かって他人はよく言う。「誇りなんて捨ててしまえ」。でも、人間は誇りがあるから生きていられる。誇りを失ったらただの動物だ。

私はこのドラマから多くを学んだ。今、誇りを失って最低の人生を歩んでいるが、もう一度がんばって見ようと思った。

私自身、被爆二世なのでいつ世津のように病魔が襲ってくるかわからない。でも死ぬまで、人間としての誇りを捨てずに生きていたい。


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