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人生の苦味は旨味。ワインも同じ。

私は数年前までワインのことは、全く知らず、どちらか言うと苦手でした。

でも、海外に出て知らない人とワインが入った杯を交わしたとき、
ワインって美味しいと初めて思ったんです。


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しかも、赤ワイン。あんなに苦い、飲めない、と思っていたのに。
この写真はスペインで巡礼したときのもの。皆と美味しいご飯を食べて、ワインを飲んで、この後一緒に夕日を見に行きました。

この時、苦手なことを経験でカバーするという体験を初めてしました。
きっと、1人で飲んだら前と同じように拒否反応を起こしていたでしょう。


同じボトルから皆で飲むのいいな!

さっき歩いて来た巡礼路に生えていたブドウ、こうなったのか!

なんて考えると、、、、あら不思議ですね。美味しい。


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こうして、ワインの魅力に気がついた私はまだまだペーペーな舌を連れて
フランスへワーキングホリデーへと出かけて行きました。


一番の目的は、ワイナリーでのアルバイト。1年の中でたったの3週間だけど、ブドウの収穫のアルバイトがしたいと思い、学生ビザを諦め(学生ビザは学校に通うことで認められるビザのため)ワーホリを選択。

一番働きたかったワイナリーに連絡を取り、受け入れて頂くことになりました。
本当に感謝なことに、収穫中は住み込みで働かせてもらい、ワインも飲み放題という環境。ブルゴーニュの名門中の名門のワイナリーで、毎日ピノ・ノワールとシャルドネを飲ませて頂きました。

でも、その時「ピノノワール」の美味しさが分からない

にぶち当たったのです。

私はワイナリーで働かせてもらっていたにもかかわらず、品種の違いやワイン造りの工程までしっかりと勉強していませんでした。

ちょっと鉄っぽくて、「苦い」

ピノ・ノワールという品種は黒ブドウの中でも、果皮が薄く、出来上がったワインの色は淡く、ミディアムボディという特徴があります。

色味とは裏腹の、予想外の味わいにペーペーの舌は驚きました。


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でも、毎日のようにワイナリーで指揮をとるオーナーを見て、ワインの味わいに感動する前に、ブドウ畑に立つことの尊さを感じました。

私が苦いと思ったワインが出来上がるまでに、こんなにも多くの汗と涙が流れていたのかと思うと、ワインの美味しさも変わってきます。

苦味を苦味として受け止めつつ、その苦味を愛するようになりました。

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ブルゴーニュのピノ・ノワール

そうしてみると、どんなワインを飲んでも思い浮かべるのは生産者さんの顔

素晴らしいアロマだな、私の好きなタイプではないけど、酸が伸びやかで、余韻も長い・・・など客観的に捉えている自分がいます。

すべてのワインは汗と涙から出来ているから。
好みか好みじゃないかだけで判断するのは、もったいない。

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どこまでも続くブドウ畑


人生とか言って、大きな題名を掲げましたが・・・
ワインと同じで自分の人生の中の「苦」も「美味しい」に変えていけるよう
頑張りたいと思います。

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